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台湾ひとり研究室:映像編

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台湾ドキュメンタリー映画を中心に、中華圏の映画やドラマについての記事をお届けしています。
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#台湾

台湾ひとり研究室:台所編「ドキュメンタリー映画『キッチンから花束を』に見るおいしい記憶の束の奥にあるもの。」

台湾ひとり研究室:台所編「ドキュメンタリー映画『キッチンから花束を』に見るおいしい記憶の束の奥にあるもの。」

画面越しなのになぜだか(あ、これ、絶対おいしい)とわかる。食べたことないくせに、映し出されるお料理の姿、慣れた手つき、そして自分が食べてきた味の記憶と照らし合わせると、どう考えてもおいしい、しか出てこないのである。味も香りもないのに、不思議。

そんな画面越しの「おいしい」から始まるドキュメンタリー映画『キッチンから花束を』の舞台は、南青山にある中華風家庭料理「ふーみん」。ふーみんと、ふーみんの生

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台湾ひとり研究室:映画編「周美玲監督《流麻溝十五號》に見る気迫」

台湾ひとり研究室:映画編「周美玲監督《流麻溝十五號》に見る気迫」

台湾人の知人から「ぜひ日本の人たちにも見てほしい。台湾の歴史を知ってほしい」と言われていた台湾映画《流麻溝十五號》を先週、ようやく観終えた。同作について感想と共に紹介しておきたい。

まず本作は、1953年、主に政治犯思想犯とされた人が収容された緑島を舞台に、女性たちの収容生活を描く作品。10月の試写がスタートしたあと、Facebookのタイムラインには鑑賞報告の投稿が続き、注目の高さと関係者の気

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