均等法世代女子の戸惑い。
新卒で新社会人になったのは、1986年です。均等法初年度世代ってやつですね。
女性は、総合職と一般職という区分がなされている企業が多く、「ばりばり働くぞ!」は総合職、「補助的なものでいいし、働くのも結婚までかも」という場合は、一般職、といったある程度の選択があったように思います。就職する学生側に。
総合職というのは、まあ、男女同じですよ、というものということに表向きはなっていましたが、実際には、総合職女性は、男性と何か扱いが異なっていた、というのがどの会社でも大なり小なりあったように思います。友人などからの話からの理解ですが。
私は外資系に入ったので、表立った処遇面での区別は感じませんでした。たとえば、朝のお茶くみならぬ、「ポットに水を汲んできてコードを指す」みたいな仕事は、新入社員の仕事ではあっても、女性の仕事ではなかった。どんな仕事でも、男女で大きな区別があったとはあまり感じませんでした。ただ、女性は、いつも上司との面談で、
「いつまで働きますか?」
「結婚しても続けますか?」
「そもそも近々結婚の予定はありますか?」
をしょっちゅう聴かれ、『それ、男性にも質問しているんだろーな!』とぷりぷり怒っている先輩もいたので、まだまだ、過渡期って感じでした。
そうやってぷりぷり怒っていた先輩たちも、第一子、あるいは、第二子出産のどこかのタイミングで退職していき、わたしは、30歳になる前に、前を歩いている同性の先輩が一人もいなくなりました。
30歳どころか、27歳くらいからそうだったような気がします。
「そして、誰もいなくなった」
そこからは、時々、キャリア入社で数歳の年長な女性が入ってきましたが、いつのまにかいなくなり、たぶん、45歳のころからは、単独首位!を一人ばく進中となったわけです。
40代も50代も先頭集団どころか、ぶっちぎりのトップランナー(年齢としてですよ)をずっと走っていて、
「この年代では、どういうことを悩むものなのか」
「この年ならどんなふるまいをするものなのか」
という見本はありませんでしたし、
いざ何かに戸惑ったり悩んだりしても、
それが、一般的なのか、よくあることなのか、私だけのことなのか、比較対象がないので、いつもちっともわからないのです。
別に孤独を感じていたわけじゃないのですが、そういうロールモデルが良い意味でも悪い意味でもいない単独首位独走状態から、昨年、いざ定年を迎えたら、「定年女子の先輩」がこれまたいない。
むむ。
どうすりゃいいんだ。
・・・と、いろんなことを悩んだり戸惑ったりして、先日61歳、本日から再雇用2年目に突入です。(ありがたいことにとても忙しいw)
日本全国、あちこちにいらっしゃるのではないかしら?
前を歩く女性の先輩がいないので、「どうすりゃいいんだ」という見本が一つもない。手本じゃなくて、見本です。サンプル。
サンプルがないので、比較できない。判断しづらい。
これはこれで結構大変。
戸惑っているという本音をいつも表わすのもなんだし、涼し気な顔をしている人が大半だと思うけれど、実際には、「うーん、これでいいのか」「いや、もっと違うやり方があるのか」「どうすりゃ年齢相応なのか」など、迷い迷い困惑しながら、日々を生きているんじゃないかなと、そんなこともここで綴って行こうと思います。
折角なので、1年前、定年退職日に配信したVoicyをここに貼っておきます。多くの女性から、「わかるぅぅぅ」というコメントが届いた放送です。
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