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作品を咀嚼する、吐き出す(作品の作り方)

前回のnote「マネるから学ぶ(作品の作り方)」では、
既存の作品を出発点として、マネて作ることから学び、
さらに、自分の作品を作る流れを紹介しました。

作品には、
アイデンティティとオリジナリティがあるか

作品としての強度を作る
文脈が生まれる


美術を作っていると「作品として強度がある」という
言い方をすることがあります。

さまざまな角度から、作品を見つめる、作り込むとも言えます。
その角度の一つに、次のような要素があります。

・自分と作品の関係性
・「4D TYPE」という作品との関係性

マネるから、パクると言われないためには、
この関係性を、文脈として考えることです。
つまり、こういう流れや影響を受けて、
作品が生まれたと感じさせる、説明をするということです。

アルファベットから漢字へ

立体文字を作るにあって、
アルファベットから漢字へ変えて、
自分の作品へと一歩を踏み出しました。

「4D TYPE」という作品の意味や価値を整理して、
自分の作品としてどういう形が良いのか。

日本人だから、日本語を使う

アルファベットの立体文字から、
漢字の立体文字を作りました。

日本人でも、中学校から英語の授業をして、
高校、大学までの数年間も英語を学びます。

大学時代に、黒木靖夫さんの授業を受けたことがあります。
ソニーの元社長で、SONYのロゴをデザインした人です。
そんな人でさえ「日本人にアルファベットのデザインはできない」
と言ったことが記憶に残っています。

たしかに、母国語でないと、わからない感覚があるし、
なぜ、不慣れで外来のものにこだわる必要があるのかと
私も思いました。

アルファベットで作っていくことは出来たしても、
応用したり、深く作っていくことは、すぐに頭打ちになることは、
すぐに想像できました。

漢字「田中」という形を見直す
自分の名前を再発見する

まずは、自分の名前「田中」を作りました。
実際に作ってみて、しっかりした形、構造だな、
柱と板の組み合わせは、ビルディングと同じ構造だと思いました。
漢字は、四角や直線の組み合わせ、線対称の形も多くて、
ロゴマークやアイコンみたいに視認性も高い形をしていますね。

ジャンルを横断する
専門分野から、少しはみ出す

友人、知人に、
グラフィックデザイナーや建築家も多いことから、
私が、専門外であるデザインや建築のことにも興味を持っています。
いつか、何かの形にしていきたいという思いがありました。

デジタルツールを使うことは、専門なんですが、
文字と構造が、重要な要素になる作品は、新しいチャレンジなんです。

漢字の個性とは


「田中」を作ったあとは、すぐに違う漢字を思いつきました。
「森」です。

田中と森では、全く形が違います。
つまり、漢字といっても、さまざまな種類があることに気づきます。

文字に重力を持たせる

本来、文字は、紙に書くやプリントさせる。
最近では、ディスプレイに表示させて、利用しています。

しかし、立体文字の場合は、重力の影響を受けた文字です。
つまり、構造体としてしっかりしていないと、
成り立たない文字という特徴があります。

重ねる、積む、つなげる、立てかける、差し込むなど
モノとモノの接点をいろいろと考えてしまいます。

森は、3つの木で構成されています。
木を積み重ねることで、森を作りました。

この部分は、アルファベットには無い部分です。
漢字は、多くの組み合わせがあり、より複雑な文字です。

文字の重力、構造、組み合わせが、面白い要素だと考えて、
作品の制作を、次に進めると思います。

メディアアートやプロジェクションマッピングが専門。アートやデザインなど、作品や作ることについて書いていきます。