見出し画像

大きなゴミを背負って生まれてきた人へ

昔から鳥頭で飽き性だ。

仕事もプライベートでもなんやかんやすぐ忘れるし、メモを取ればメモをどこに置いたか分からなくなる。スマホのメモは整理されないままいるものもいらないものも煩雑に混ざり合ったシチューのようなもので、8割がた見返すことはない。

スマホのカメラすら大して使っていないのに一丁前に買った一眼レフは、寒くなってわざわざ取り出すのが面倒になった。YouTubeでも始めてみるかと作ってみたチャンネルは投稿動画4本のまま半年以上が経過している。

ここまで酷いならもしやADHDというやつなのではとメンタルクリニックに通ってみたが、結果が出るまでが長すぎたので飽きて通院をやめた。笑えよベジータ。

実際仕事でどの程度困っていたかというと、ITベンチャーでミスが許されない感じの職場にいたときは「こりゃ一生やっても昇進できねえな」と思ったりしたものだし、その前にいたコールセンターではミス率トップに輝いたりしたこともある。ワーストとも言う。

かと言って落ち込んで自分を責めて生きてきたかというとそういうこともなく、鳥頭というやつですぐに失敗を忘れた。なにせ帰り道に職場の友人と遊ぶのは楽しく、朝昼晩の食事はおいしい。家に帰れば好きな漫画もゲームもあった。アホに落ち込んでいる暇などないのだ。

強いて真面目に支えになったものを挙げるとすれば、迷いがなく無闇に仕事が早かったお陰かミスや物忘れがある以上に重宝されることはあったし、人当たりはよかったのでこんな奴でも懇意にしてくれる上司が何人もいたのは救いだったと思う。

それに悪いことばかりでもなかった。
上の立場になってみると、本気でやってもできない人とやる気がないだけの人の見分けがすぐにつく。どちらも自分が通った道だから。それぞれ別のてこを入れてあげる。
どんな人にも優しくなれる。自分のダメさ加減を思えばかわいいものだ。

今は稼ぎも悪くないし一生添い遂げてもいいと思える人と結婚もできた。仕事がおじゃんになったら困るが、そのときはイラストで稼いでいる妻が養ってくれるだろう。僕はコンビニバイトでも警備員でもなんでもするさ。

何のことはない挫折や立ち直りを経て今ここにいる。
人生に展望も希望もあても何もないが、その時はそのときそれなりに。

生まれもった大きなゴミを捨てることはできないから、重くても引きずっていけばどこかで役に立つ日も来るだろう。

そんな気持ちでのらりくらりと生きていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?