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<私が人外であること>

2322 /// 小田原のかまぼことワンカップの月で晩酌しながら書いています。 / 私の晩酌はまだ続きます。 / 次のつまみはぼんじりのちょっとした味噌煮込みです。 / 思いのほか月は口に合わなかったので次はスコッチの水割りにでも合わせるかもしれません。 / こうして独りの日曜夜はつつがなく進んでいくわけですがこの部屋にもう一人人間がいたときにあまりにもつつがなくなってしまったことが過去にあったということを思い起こすので、記録しておきます。 / 私は男性で、女性に対して恋愛感情を抱くのですが、抱いたところで今のところさして長続きしたことがありません。 / 直近でお付き合いしていた女性は一番長くて1年半でしたが、こうして記録を始めて思い起こすのはその別れ際です。 / 別れを切り出したのは私でした。 / 去年の大晦日のことです。 / 事前に別れ話をすることを伝えたうえで元彼女の家へ行き別れを告げました。 / 別れの原因は私が元彼女の感情的になりやすい性格に私が耐えられなかったからなのですが、そういった実生活の部分にもやはり筆舌に尽くせないそれは影響していること。 / 私は筆舌し尽くせないそれの存在を元彼女に付き合い始めに告げていました。 / こうして今書いているよりも少しだけ詳細に、具体的に筆舌し尽くせないそれがどんなそれであるのかを教えたうえで、筆舌し尽くせないそれに対して割く時間は必ず邪魔しないでほしい旨を伝え、一定の理解を得た上でお付き合いしていました。 / 筆舌し尽くせないそれに対する理解を完全にはせずとも、少なくともそれが私にとって大事であることを飲み込んでくれること自体私にとっては非常に大事なことでした。 / 私は当然のことながら元彼女には強い感謝の念を抱きましたし、そんな感謝の念も助けて1年半という私にとっては一番長い女性とのお付き合いを出来たわけです。 / 同時に感謝の念が助けても1年半が限界でした、という書き方をします。 / 私の両親はもうかれこれ40年以上夫婦である事実を鑑みながら自分自身を振り返るのであれば二通りの書き方になってしまう。 / 元彼女を批判する気は一切無いことは名言しておきますが、彼女はより感情的になってしまいました。 / 結局のところ、私と筆舌に尽くせないそれとの関係性が飲み込めきれなかったし、私自身の私と筆舌に尽くせないそれの関係の客観的な異常さに対する見立てが甘かったのです。 / 私は週末に元彼女と会う時間をなるべく作っていました。 / 私の仕事上休みが週1日しかないのでさすがに毎週末は会えなかったものの少なくとも2週間に1日というペースは頑張って死守していました。 / 今ではノミが跳ぶような、みみっちい努力だったように思えます。 / 私が他人に対して使える時間も労力も極端に少ないです。 / そのことに対する私自身の自覚が足りなかったことが元彼女との別れの原因だったと思います。 / 私と筆舌に尽くせないそれの関係性を少しだけ知った元彼女は最終的に筆舌に尽くせないそれに対して嫉妬し、より感情的になることが増えました。 / 私(ノミ)は私(ノミ)なりの愛情表現として私(ノミ)が筆舌し尽くせないそれと向き合う時間をなるべく限定して元彼女との時間を保とうと努力はしたのですが、限定された時間で私(ノミ)が筆舌し尽くせないそれと向き合うことは困難を極めたのでした。 / 結果として私(ミノ)は元彼女と向き合うべき時間の間も会話は上の空で、やはり頭の中は筆舌し尽くせないそれで一杯で、そのことを元彼女も察していて、そうなると元彼女は元彼女自身と私(ノミ)との時間すらもかすめ取っていく筆舌し尽くせないそれに対して嫉妬をするのでした。 / 「私(ノミ)はやはり人外だからもう別れた方が良い」 / ということを言って、私(ノミ)は元彼女と別れました。 / 握手をして別れました。 / 別れを切り出したの私(ノミ)でした。 / しかし別れを切り出した私(ノミ)は心の中で25歳のときに筆舌し尽くせないそれを再発見してしまったときに感じた、墓場から骨の手が突きあがってくるような、そんなマイケルジャクソンのミュージックビデオのようなキャッチーな絶望よりもずっと的確で静かな、適温のお湯が張られた湯舟に確かな強さで頭を沈められるような絶望を感じていました。 / 私(ノミ)には懇意にしている呑み屋があります。 / 今週その呑み屋の女性と話していて改めてはっきりと自覚したのですが、私(ノミ)はお付き合いしている女性を感情的にしやすい、現代のスラングを用いるならばメンヘラ製造機なのであって、その製造機の歯車の一つ、というよりもエンジンの動力源には明らかに筆舌し尽くせないそれがいるのです。 / 筆舌し尽くせないそれが仮に人だったとして筆舌出来ない私(ノミ)を恨んでいるだろう、というつもりで私(ノミ)は筆舌し尽くせないそれを記録し始めました。 / かたや私(ノミ)には筆舌し尽くせないそれのおかげで失ってしまった人生もあるのです。 / 私(ノミ)と筆舌し尽くせないそれにはお互い恨む部分が確実にあります。 / 私(ノミ)と筆舌し尽くせないそれとの関係は続きます。 / 単に私(ノミ)が一方的に筆舌させていこうとする一方的な形ではなく、互いの存在証明を請け負いつつも恨みながら、きしんだ音を立てながら進む電車の車輪みたいに。 / その両輪はお互いが人外であることで大きさの均衡を保っているように思えるのでした。 /// 2456

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