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なぜいま、妄想力が必要なのか?


 課題だらけ、難問だらけの現代を突き進むために、僕は妄想力という思考法を提唱しています。今日はその妄想力について、簡単にご説明します。
 
 

妄想力とは何か?


 妄想とは、辞書によると、「根拠もなくあれこれ想像すること」と書いてあります。では妄想力とはなんでしょうか。僕的に解釈する妄想力とは、「過去や常識に囚われることなく自由にあれこれと発想する能力」と考えています。
 この世の中にはたくさんの課題があります。大小さまざまな課題を解決することで利益を生み出し、成長していくことが企業の使命と言えるでしょう。企業内には当然ながら頭脳明晰な専門家がいて、はたまたすばらしいコンサルがついていて、日夜その課題のソリューションを導き出すべく考え続けているはずです。だが、それでも解決できな課題は無限にあります。僕はそれは論理的解決の限界と考えています。そして、論理構築だけで解決できない課題こそが、大きなビジネスチャンスなのではないかと考えるのです。なぜなら誰もいい答えをまだ出していないのですから。
 妄想力とは、そんな論理的解決を打破できるスキルだと思います。そんなアホな、なレベルの途方もないアイデアを、常識に囚われずに生み出す力です。
 だったらいいな。
 これこそが妄想力の原点です。すべての課題のゴールをシンプルに考え、一見夢みたいな「だったらいいな」を現実化する力。これこそが、いま必要な妄想力なのです。
 
 

想像力と妄想力の違いについて


 では、想像力と妄想力の違いって何でしょうか。
 一言で言うと、僕は限界の有無ではないかと思います。想像とは過去の経験や常識の範囲内で、物事の行末を思い浮かべることです。想像とは予想に過ぎませんので、常識の壁を超えることはできません。かたや妄想力とは、常識の壁を打ち破り、新しい未来の世界をつくることも可能なパワーを秘めています。想像力にビジネスチャンスはありません。誰もが考えうることだからです。妄想力には、まだ誰も考えていないユニークネスと、飛躍的な革新をもたらすチャンス、そしてこれが一番重要なのですが、人々をわくわくさせる夢があります。
 大人になると、常識の壁は思う以上に分厚く、高く、容易に向こうの世界へと打ち破っていくことはできません。「馬鹿馬鹿しい」。これこそが妄想力の敵です。想像できないこと。これこそが妄想力です。もしかしたらあなたの妄想力の最大の敵は、あなたの想像力なのかもしれません。
 

 

全ての成功のスタートは妄想である


 
 思うに、妄想力とは昔からあったものだと思うのです。たとえば大昔、かつて人間は「鳥のように空を飛べたらいいのにな」という妄想を、馬鹿げていると笑ったことでしょう。だがその「だったらいいな」を真剣に突き詰めた結果、人類は空を飛び、現代では常識的な移動手段として定着しています。
 遠くの人と話せたらいいのに。という「だったらいいな」が電話になった。
 きっとスティーブ・ジョブズは、「コンピュータがこうだったらいいな」をつきつめた結果、マッキントッシュやiPhoneを生み出したのでしょう。
 そう、みんなが当初はあり得ないと言っていた、ピッチャーとバッターの二刀流を、大谷翔平選手本人と栗山監督はきちんと追い求めて実現した。
 革新的なアイデアの実現の出発点は、必ず誰かの「だったらいいな」があると思います。
 普通のいわゆる常識的な人々は、「だったらいいな」を、「ありえない」の一言で握り潰して、チャンスもろともなくしてしまっているのです。
 
 

ビジネスの翼となる妄想の正体


 
 だったらいいな。それこそが妄想力の出発点と書きました。ビジネスを加速度的に拡大する翼となる妄想力は、すべてがこの「だったらいいな」を一見無邪気につきつめたものに見えるでしょう。ですが、本当にそれだけでしょうか。
 発明は、ある意味当たって砕けろ的な要素が大きいものも多いですが、ビジネスは、博打ではありません。それなりの投資やリスクもあります。遊びではないのですから。
 ビジネスにおける妄想力には、責任と勝算が必要と思っています。勝算に根拠が欲しいところですが、根拠のない自信ってのも僕はありだと思います。一緒にやる仲間たちとパッションを共にできるような大義があるのも必要です。
 妄想力は想像の外側にあるものであり、だったらいいなを発見する着想が重要です。そして何より、AIではなく人間にしかできないことなのです。着想と課題の本質を発見して、いかに結びつけるかが、ビジネスでは大事だと思います。
 

妄想力を発揮する勇気


 
 妄想力に必要なもの、最後にはそれを信じる勇気だと考えます。論理構築されたプランは、データや論理が客観的に裏付けとなるため、大きく失敗することはありませんし、失敗したとしても想定の範囲内です。一方、成功も想定の範囲内、という逆リスクもあります。妄想力によるプランは、論理破綻してるとはいいませんが、いわば正攻法とは真逆にあるもの。自分とアイデアを信じて突き進むには、かなりの勇気が必要です。勇気の源になるのが、大義と、それに立ち向かうパッションというのもひとつでしょう。
 
僕がこれまでやってきた仕事の方法論を、妄想力という考え方で本にしました。
これまでの仕事や経験もふまえて、わかりやすく、読んだ人に勇気が持てるような一冊になったと自負しています。ぜひ、ご一読いただけると嬉しく思います!
 



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田中安人

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