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Scrum of Scrumを3ヵ月やった結果を振り返る

株式会社マクアケの開発本部に所属する田中です

Makuake Advent Calendar 2022の14日目を担当させていただきます。

現在、自分がEM(エンジニアリングマネージャー)を担当しているMAXチームでは
10月よりScrum of Scrumを導入して開発を進行しております。
まだ運用して3か月ではありますがその内容紹介と振り返りした改善点などを共有していきたいと思います

Scrum of Scrumとは

MAXチームは1つのチームではなく、その中で担当領域、システム単位をベースに分けた5つのチームで構成されております。
1つ1つのチームがスクラムで進行できるように、
それぞれのチームにPO(プロダクトオーナー)とSM(スクラムマスター)を置く形で進めております。

MAXチーム全体としてミッション、OKRは持っておりますが
チームごとにも担当領域に紐づく形でミッションやOKRを持つ形で構成しております。
それぞれチーム単独で動ける施策もあれば、開発領域やプロダクト領域の関連性が高いところなどは横連携を取りながら計画を立てる必要もあります。

MAXチームのSoS体制

そういった横の連携で関係する人だったり、全体のプロダクトを管掌しているPdM(プロダクトマネジャー)だったり、EMである私などが全てのスクラムチームのイベントに参加することは困難なケースもあるため、
Scrum of Scrumを参考にしたスクラム体制を組み、スケールドイベントと呼ばれるものを設置することで横連携の強化などを行っております。

PdMとは別にチームCPO(Chief Product Owner)として各POをサポートする人の設置と、
Scrum Of Scrumを運営しつつ各SMをサポートする人としてSoSM(Srucm of Scrum Master)を設置しております。
CPOとSoSMが連携し、チーム全体のプロセスの管理・改善も担う形となります。
私はEMでありつつこのSoSMを担っております。

Scrum of Scrumの詳細についてはぜひScrum incのScrum@Scaleガイドもご参照ください。

現在運営しているスケールドイベントについて

スケールドスプリントレビュー

現在、5つのチームは全て2週間を1スプリントとして、進めております。

各チームのスプリント

各チームのスクラムの進め方自体はスクラムの原則に沿うような形で進行しており、
スプリントレビューもチーム単位でチームがステークホルダーと定めた人を呼ぶ形でデモを見せることを重視する形で運用しております。

全てのチームのスプリントレビューをチームで実施いただいた後に、
終盤の時間で各チームのSMとPO、そしてEMとPdMが集まる形で
スケールドスプリントレビューを実施しております

スケールドスプリントレビューでは各チームより以下の内容を共有いただいております

  • チームが計画時に立てた目標を改めて共有

  • 実際にスプリントがどのような着地になったかを共有

  • SM目線で起きているチーム課題の共有

  • チームの施策の中で幾つか選ぶ形でデモを見せあう

1チームあたり、約10分近くの持ち時間とはなるので通常のスプリントレビューほど濃厚なデモは難しいですが
隣のチームがどのような成果を出そうとしてるかを全員が見て、感想やフィードバックを言える状態となってることは非常に重宝しております。

スケールドスプリントプランニング

こちらもレビュー同様にまずチーム単位でプランニングを実施し、計画を立てております。
その立てられた計画をスケールドスプリントプランニングで横共有を行い、
横チームがどういったことを目指してるか、どのようなプロダクト開発をしようとしてるかを把握することを目的として開催しております。

  • チームが立てた計画をJIRAのロードマップとボードベースで共有

  • このスプリントでリリース予定である施策内容を共有

  • このスプリントでQA予定である施策内容を共有

    • QA関連のリソースが重複し困難にならないように認識を合わせる

  • チームミッション外で発生するタスクの相談

    • このスプリント、もしくは次スプリント以降に差し込む相談・調整

基本はチーム単位の共有を行いつつも、最後の項目であるミッション外のタスク相談も重要となっております。
チーム単位でOKRを持ってそれを目指す。とはしておりますが
他部署などからの相談でどうしても開発リソースをかけて実施したいものや、
技術的な課題でどうしてもやらねばならないことは定常的に発生します。

急務のものは即座に調整するとして、中・長期的に計画に差し込んでやる必要があるものは
横チームが集まる形での相談が必要になり、それによってチームの計画がどうなるのか。というのを認識を合わせながら調整する場ともなっております。

3ヶ月運用してみて、改善を試みた点、良かった点

改善点① デモをするようにした

最初は進捗や課題共有をメイン、そしてあまり時間をかけないようにすることを重視し、
デモは割愛する設計をしておりました。

ただし進捗共有がメインだとあまり有意義で生産性のある会議体にはなっておらず、やや堅苦しい会議体にもなってしまいました。

特に横チームがやっている施策内容ややっていることへの興味関心を強める事ができず、意見交換や感想なども出ない。という点が非常に良くないと思えました。

クリエイターが集まる場であることを意識し、実際のアウトプットを主体に、デモを見せる。ということを大事にすることを改めて話し合い、
デモを見せる時間を設けることにしました。

デモを見せることで他チームへの称賛や、
忌憚のないプロダクトへのフィードバックが生まれ始めたことで
有意義な会へと近づいたと思えておりこちらは継続していきたい。と思いました。

改善点② 相談ではなく、共有事項であればなるべく文字ベースにする

上記のデモに変えたことにも紐づきますが、進捗共有自体は
口頭での説明でなくてもJIRAや文字ベースでの共有でもわかる点は大きく、
あまり会議体で共有することの重要性は低い。としました。

まだ改善すべき点はありつつもなるべく事前に状況は記載いただき、
事前に確認した上で会議に望む形に持っていければもっとデモの時間や
懸念の解消、相談というところに時間を割けると考えて取り組んでおります。

改善点③ スケールドスプリントプランニングをもっと手前にやる

これはまだ実施できてない改善とはなります。
今ではチームのスプリントプランニング後にスケールドスプリントプランニングを実施しておりますが、
各チームにタスクの依頼などをしたい時に
計画をしっかり立てた後に、依頼をして再度計画調整いただくよりは
手前のざっくりと計画がされてるタイミングで相談を行い、
その相談結果をベースにチームのプランニングでしっかり計画を立てもらう。
という流れのほうが整合性が高かったり、負荷も少ないと思える点から
タイミングを変えようと試みているところとなります。

良かった点① 必要な情報や連携は行えている

改善点は合ったものの、全体の状況、横チームが何をしてるのか。
といった必要な情報交換や連携自体は行える場として運用はできていると思います

全チームのスプリントサイクルが揃っており、
スプリントの終了、始まりの時点で連携ができてる点もメリットが強く、
始まる前に懸念が話せたり、調整ができる。というのと
改善点にもあるデモという動く成果をベースに話合える点も良いです。

良かった点② 各チームのSM,POがより自律的に進めている

自然とこの形で各PMやSMがチームの状況などを共有してくれてます。

私だけでなくPMやSMにとっても初の取り組みであった点などを踏まえると
最初の時点からスムーズに情報展開ができてる点は素晴らしく、
特にデモに関しては開発担当がいない状態での共有となるため、
難しい可能性を感じておりましたが
そこも見事にPO,SMが工夫してデモを実施してくれております。

もっとPOだったり、SMが対外的にチーム成果や課題などを語る場が増えることも
重要と思えていた中では良い場として設置できているとは思いました。

ここに満足せず、コストや負担が増加しないこと。は重要ではあるとして改善は検討していきたいとは思います。

まとめ

経験値がないまま、スクラム組織をスケールさせようと試みた
Scrum of Scrumはまだまだ手探りで進めている部分が多いのも事実で、
所感としては悪くはない。と感じつつも
LeSSなども含めてもっと私もチームも学習が必要な状態で継続的に改善をしていく必要はあります。

同じような境遇で切磋琢磨されてる方や、
うまく運用できている。というような方がいれば
ぜひともお話をお聞きしたり情報交換などできれば非常に嬉しいです。

最後に

MAXチームはサービスの改善を担う中心となるチームであり
ユーザーの声と向き合いながらプロダクトの改善を通じてユーザー課題の解決をしていくチームとなります。

ユーザーの声やデータによるユーザー課題の抽出、
仮説立てとMVP実装やABテストなどによる検証、
といったような施策検討と検証をしながらプロダクト開発をしていきたい。
その実現のためにより生産性を上げるためプロセスを見直したい、技術課題の解消手段を模索したい。

そんな想いをお持ちの方だったり、マクアケのエンジニア採用に興味ある方はぜひともカジュアル面談でも良いので
以下の採用ページからご応募いただいたり、
私自身に話しかけていただくなどしていただければと思います。

この私の投稿だけでは開発本部全体でどんなチームがあって、どんな開発業務があるか、
そもそもどんなシステムと向き合ってるのか。などは一切伝わらないとは思います。
それは他の方がアドベントカレンダーやテックブログなどもぜひご覧いただければと思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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