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好き vs 得意 どちらか選ぶ論争

昔、とある林先生主催の番組で

「仕事は絶対に得意なことをすべき!」
「寿司、ウナギ、天ぷらという趣味に全振りした中身の本を昔出版したが、まったく売れなかった。。。あんな屈辱味わうぐらいなら好きなことなんかやりたくない!」

これは今から10年以上前の番組だったので、当時(高校生の頃)は
「おー、なるほど!」
と当時の僕は思っていました。

ただ、現在30歳手前になり、自分が認知科学コーチングの学習であったり、転職エージェントの仕事を通じて人と関わる中で、だんだん
「いや、この考えなんか変だな」と感じるようになってきました。

好きと得意、どっちを活かすべきか、どう生きていくべきかといった問いに対して、科学的な視点も交えつつ、自分の考えを述べていきます。


1,好きと得意の違い?

そもそも、この記事を読まれているあなたは、
「好き、得意ってそもそもどういう意味?」と聞かれたとき、
一言で答えられますでしょうか?
(※番組内で好きと得意に関する明確な意味づけはなかったはず、、、)

番組内で定義されていないので、今回はこちらで勝手に決めますw

◆定義

・好き:現在興味がある名詞

・得意:無意識でやってしまう動詞

先ずは好きから解説していきます。
例えば、あなたが車好きであれば車は好きなものの中に含まれます。
読書が好きな人は本、数学の問題を考えることが好きなら数学、体を動かすことが好きな人は体育(スポーツ)が好き、というくくりです。

ここでもしかしてこんな疑問が浮かんだんじゃないでしょうか?

「車、本はいいとして、体育と数学に関しては得意なのか、好きなのか、
まだ区別がつかない、、、」
「好きだから得意になるのか、得意だから好きになるのか、、、」

そんなあなたの為、上記の定義に加え、好きと得意を測る基準を設けてみました!

2,好きなことをやっているときの心の動き

〇自然と問いが湧く

アインシュタインは幼少期、「自分が光の速さで走った時、どんな景色が見えるんだろう?」といった疑問が湧いたそうです(相対性理論を発表するに至った最初のきっかけ)。

また、芸能界で人気を博した武井壮さん(陸上10種競技選手)では、「なぜプロ野球選手のように自分は速い球が投げられないのだろう」といった疑問を感じていたそうです。

つまり、自分自身が関心がある事柄に関しては、深くのめり込むことで他の人には見えていない現状(常識)の穴に気づくことが出来る、そんな風に言えそうです。
(上記のような例にとどまらず、圧倒的な成果を出す人は取り組む対象に対し素朴な疑問を持っている)

先ほど挙げた好きなことの例だと、以下のような(全く同じでなくてOK)疑問が日頃から自然と湧いてくる場合、あなたはその対象が好き、と言ってよさそうです。

・車:どうやって動いているんだろう?
   高い車と安い車の違いって何だろう?
・数学:分数の割り算は掛け算になるのはなぜ?
    微分、積分の記号の意味は?数列のΣはどんな意味?
・体育:肉食動物の足が速いのはなぜ?
    どうやったらけがをしない体になるんだろう?    

3,得意なことをやっていることの心の動き

〇心は動かず、体が自然に動く

突然ですがあなたに質問です。
目の前のペンを握ってください。

突然このように聞かれたとき、あなたはどう反応しましたか?
おそらくですがあなたは「利き手」で持とうとしたのではないでしょうか?

でも自分がなぜ利き手で取ろうとしたのか、あなたは説明できますか?

この「利き手で持つ」という行動はおそらく無意識の行動でしょう。
なぜ無意識のうちに利き手で持つという行為を行ったのか、

僕なりの見解ですが、その理由は

その方が上手くいくから

だと考えています。

先ほど挙げた好きなことの実例を得意なこととしてみると、

・車:どうやって動いているんだろう?
   高い車と安い車の違いって何だろう?
・数学:分数の割り算は掛け算になるのはなぜ?
    微分、積分の記号の意味は?数列のΣはどんな意味?
・体育:肉食動物の足が速いのはなぜ?
    どうやったらけがをしない体になるんだろう? 

4,価値観と好きをごちゃまぜにしない

一番最初の話に戻りましょう。

過去の番組の中で触れていた「屈辱」というのは、
「仕事をするなら結果を残す必要がある」という価値観です。

好き、というのは先ほどの定義の中で触れたとおり、
現在興味がある名詞です。

つまり、すし、ウナギといったグルメに限らず、問が自然と湧く対象であれば何でもよい訳です。

◆最後に

具体⇔抽象を行き来することで好き、得意の解像度を上げる

僕が言いたかったこととしては、
「好きなことと得意なことは両立できる」
ということ。

仕事をやる上で好き×得意が実現できれば成果を出すのがイージーゲームになります(本当に!)

最後に、好きと得意を見つける質問を書いておきます。

<好きを見つける質問>
・あなたが普段、疑問(自然と気になること)って何ですか?

この質問の答えを3個以上書いて、内容を抽象化
◆例1
〇疑問に思うこと(具体)
・人が怒られている時、怒られている人の心情が気になる
・グループから外れて一人でいる人が気になる
・突然会社に来なくなった人のことが気になる
興味があること:人間心理(抽象)
→職業(例):心理学、カウンセリング、管理職(職業というよりポジション)

◆例2
〇疑問に思うこと(具体)
・会社の後輩が作ってくるPPTのフォントのズレ、文字位置が気になる
・家のモノの配置が気になる
・イラストの色遣いへのこだわりが凄い
興味があること:デザイン(抽象)
→職業(例):デザイン、建築、設計

<得意を見つける質問>
1,あなたが周りの人に対して、「なんでこれ出来ないんだろう」と思う
 ことって何ですか?
 補足質問) あなたがそんなに頑張ってないのに、周りに褒められた経験は何ですか?

上記の質問に答え、内容を抽象化
◆例1
〇なぜ周りの人はこれが出来ないのか?、と思った経験(具体)
・余計なことを言う人
→人を傷つける一言をなぜいう必要がある?なぜ心に留めておくだけでいられない?
・教室内で騒がしい人
→周りのことをなぜ考えられない?
得意なこと:人の感情を考えること、周りをよく観察すること

◆例2
〇なぜ周りの人はこれが出来ないのか?、と思った経験(具体)
・会社の仕事(作成資料について)
→資料の構成がなぜこんなに一貫性がない?
 フォントのデザインもめちゃめちゃ、、、
 色の統一感もない、、、
・他人の部屋の散らかり具合について
→そもそもものが多すぎる、、、使わないものがなぜこんなに散らかっているのか?
得意なこと:情報の整理、分かりやすい表現(伝え方)

ここで挙げた例は人間心理、デザインが好き、得意な人の例を記載してみましたが、他にもっとあると思いますので、是非一度好きと得意の洗い出しをトライしてみてください!

ではまた


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