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私の入院期間を救ったのはパク・ソジュンだった

あけましておめでとうございます。2021年はnoteで様々な方とつながり、考え方や人生観を広める1年にしたいです。

ふざけたタイトルにしてしまいましたが、大晦日に投稿した以下の続きのお話です。 #パクソジュン #梨泰院クラス でこのnoteに来た人、多分思ってるのと違う内容のnoteなので、先にお伝えしておきます!

5月8日の手術が決まってから1週間は、赤ちゃんのことを思い出しては涙が出る日が続きました。

健康な身体で産んであげたかった。何がいけなかったんだろう。

なんで私たちの赤ちゃんがそんな低い確率の症状になってしまったのか。

何度も考えました。

でも、ずっと悲しんでいると身体にもストレスになるだろうから。できる限り穏やかな気持ちで送り出してあげられるよう、一緒に見ることができなかった風景を見せたり食べ物を楽しむのがいいよね、と考えるようにしました。


それからは家の近くのお気に入りの遊歩道を、毎日歩いたり。

コロナ禍で閉まっているお店が多かったのですが、旦那とよく行くイタリアンのパスタをテイクアウトして食べたり。私のお気に入りの担々麺屋さんでもテイクアウトしました。旦那が初めて挑戦した、ちょっと焦げたトンカツも「パパの手料理だね」とわいわい食べました。

5月7日の手術前日、ソファで寝転がりながら写真を撮りました。ただただ私と旦那の顔が映った写真だけど、まぎれもなく3人で映っている写真。印刷して、今は家の目につく場所に飾っています。


この1週間、旦那が毎日冗談言って、笑わせてくれました。

「原因が何かとか、考えないようにしようね」「また赤ちゃん戻ってきてくれるといいね」「赤ちゃんがきてくれて色んなこと学んだよね」と、私を安心させてくれる言葉もたくさん言ってくれました。本当に感謝しています。寝るとき、毎日楽しい気持ちでいれたよありがとねと伝えると、照れ隠しかまた冗談で返されました。

この人と一緒になれてよかった、と心から思いました。

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5月8日。手術の日。

旦那に送ってもらい、車の中でバイバイ。次会うときは、もう私一人の身体です。

朝8時頃、外来が始まる前に受付を済ませ、手術を待つためベッドがある大部屋に通されました。大部屋とは言っても私のほかに誰も泊っておらず、一人。流産の手術をした方のブログには「妊婦さんと同じ部屋になった」と書いている人がいたので、ちょっと気になっていましたが…よかった。

看護師さんからとんでもなく大きなショーツとナプキン、入院着を渡され、着替えて少し待機。

その後先生に呼ばれて、診察台に。細かく覚えていないのですが、子宮の中をバルーンを膨らませるための器具が入りました。

これがとにかく痛い。2日目の生理痛MAX超えた感じでした。看護師さんに深呼吸するように促され、「スゥウーー」と言いながら耐える1分。

痛いといいましたが、赤ちゃんと離れる心の痛みと比べものにはならないんですよね。なので、耐えられました。

それから部屋に戻ってからが長かった。午前中に手術と聞いていましたが、13時頃になりそうだと告げられる。その時、午前9時。

旦那とも離れた状態で心細く、赤ちゃんと離れなければいけない時間を意識しながら、お腹にも結構重い鈍痛が続く中ベッドの上で4時間。だいぶ気が遠くなりました。


こういうこともあるかもしれないと万が一の時に備えて、Netflixでその時観ていたドラマをダウンロードしておいたんですよ。

SNSを観ると友人やインスタグラマーの子どもたちの写真をたくさん見て落ち込みそうなので、気を紛らわすことができる違うエンタメを。

そう、タイトルにもあるパク・ソジュン主演の「梨泰院クラス」です。

公式あらすじはこんな感じ。

大都市ソウルの中でもひと際ホットな街で、小さな飲み屋を開店させた前科者の青年とその仲間たち。成功をつかむため、大物相手に無謀ともいえる戦いを仕掛ける。

(ここからちょっとネタバレ)

すでに3話くらいまで観ていて、そのあと7話くらいまでダウンロードしておいてました。観た方ならわかると思うんですが、壮大な復讐劇なんですよね。一話だけでも十分衝撃的、初めて見るジャンルの韓国ドラマだと思いました。そして恋愛シーンが少なめなんですよね、ほかの恋愛ものに比べて。

パク・ソジュンの演技はこのドラマで初めて観たのですが、これが素晴らしかった。

父を思う気持ちと、その復習に燃える気持ちに感情移入させられました。(ドラマだって理解していますが、それにしても刑期終わってから開業するまでの修行期間、長すぎませんか?長い割にドラマの中であっさり書かれすぎじゃない?)

結婚や恋愛に関するシーンもなく、赤ちゃんも妊婦も出てこない。それにどんどん続きが気になるストーリー展開。

手術前の寂しく悲しい気持ちの中で観ていると、現実を忘れられました。

そういった意味で、私の独りで悲しい手術を待つ時間を救ってくれたのはこの「梨泰院クラス」、そして主演のパク・ソジュンなんです。

パク・ソジュンも、中絶の手術を待つ日本人妊婦がこのドラマを観て感動していたなんて思ってもみないだろうな。

会うことはもちろんないだろうけど、韓国旅行が再開して、もしも、万が一、江南とかでばったり会うことがあったら、御礼を言いたい。

あなたの演技に救われましたと。

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そして時間になり、手術のお部屋まで看護師さんに連れられて自分で歩いていくことに。

麻酔薬を入れられ、気が付いたら手術が終わっていました。この時の感覚は、言葉で表せないけど今でも結構鮮明に覚えています。

意識がもうろうとする中、部屋に返してもらい旦那に電話。手術が終わっても麻酔が切れるまでは寝たほうがいいといわれていたのですが、どうしてかもう寝られなくて、ぼーっとしながら電話してその後もずっと起きていました。

でも少し意識がはっきりしてくると、改めてもう赤ちゃんを見送ってしまったことを思い出して、涙が溢れてしまう。

何度か、意識朦朧としながらも急に現実に戻ってしまい涙が溢れる、を繰り返しました。

あ~、もう一人の身体に戻ったんだな。

私たちの赤ちゃんは、どこに行ってしまったんだろう。

何度も考えました。

看護師さんに見守ってもらいながらトイレに行ったり、お水を飲みに行ったり、ベッドに横になったりしながら身体を休めること数時間。

18時になり退院。掻把手術の場合、日帰りです。旦那のお迎えで家に帰り、おかゆを作ってもらいその日初めてとなる食事をとりました。

まだ完璧に麻酔が切れていないのかぼーっとするので、お風呂に入る時もドアの前に待機しておいてもらい、お風呂の間もずっと話し相手になってもらいました。

手術が終わってちょっと興奮状態にあったので、家に帰ってからすぐは涙が出なかったんですよね。でも一人になると思い出して泣いてしまうかもしれない。

そういう意味もあって、できる限りその日は一人になる時間を作らないようにお願いしました。

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その日から今まで、赤ちゃんのことを忘れたことはありません。

朝起きて、そうだもう赤ちゃんはいないんだと思い出し、何度も泣きました。

友人の出産報告をInstagramで見たり、芸能人の妊娠報告を読んでは思い出して、何度も涙しました。うれしいことなのに、素直に喜べない私に自己嫌悪の日々でした。


11月22日の出産予定日だった日には、朝から氏神様にお参りしに行きました。無事に空に還り、また私たちの元に帰ってきてくれるように。

雲一つない、とてもお天気の良い日でした。もし今日だったら、赤ちゃんが無頭蓋症にさえならなければ、こんな快晴の日に赤ちゃんを抱っこできてたかもしれないのか~。

そう思ってしまったら、神社でぼろぼろ涙がこぼれました。

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思いつくままに数本noteを書いてしまいましたが、第一子がお空に還ったお話はここまでです。

旦那が私に言ってくれた、「原因が何かとか、考えないようにしようね」「また赤ちゃん戻ってきてくれるといいね」「赤ちゃんがきてくれて色んなこと学んだよね」。この言葉を何度も思い返して、今は前向きに、また私たちのもとに赤ちゃんが返ってきてくれる日を待っています。




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