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叱られるより、叱る方がダメージは大きい

これまで、多くの部下を持たせてもらってきた。
その中では、部下を叱ることもあったし、厳しい評価をせざるをえないことも、部下の考えを正すために厳しいことを言わなければならなかったことも多くある。


しかし、多くの場合は、その後、部下が僕のことを悪く言っているのが、周りから噂話として聞こえてくることが多かったのも事実だ。


僕自身、若手だったときには、人一倍上司に叱られた。殴られることもかなりあった。
上司の人格に関わるような悪口を言ったりしたことは一切ないが、心の中では不満が大きかった。

自分が上司の立場になって分かるのは、叱られている時よりも、叱っている時のほうが、遥かにエネルギーを使っているということだ。
なぜなら、「部下に嫌われていもいい。それでも伝えなければ、部下のためにならない」という覚悟を持って叱っているからだ。
真正面から部下に向き合わなければ、そんなことは言えない。
だから、叱った後は、心身ともに疲れ切るのだ。
不満げな顔をしている部下を見て、自分の力不足を悔しく感じていたことも多い。
その部下の未来のことを考え、眠れなかった夜もある。


そして、後日、部下が僕の悪口を言っているという噂話が耳に入る。
嘘の話まで作って、言いふらしているという話が他部署の人から耳に入ることもあった。


「今は、それで良い。」
そう自分に言い聞かせてきた。
いつか部下も気がつく時がくると信じているから。


上司と名の付く人は大きなものを背負っている。
部署の成績とかそんなものではない。確かにそれも背負っているが、それ以上に大きなものを背負っているのだ。


部下の人生。


目の前の部下の人生を背負っている。僕はその覚悟で、これまで上司をやらせてもらってきた。


だから、誰よりも部下の成長を願って、真正面から向き合って、本当は言いたくないことも言うのだ。
部下に腹が立つこともある。
それでも成長を願い、そして世のため人のためになって欲しいと願っている。


そして、その部下達以上に僕自身が成長したいと思っている。
日々修行だ。

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