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情と理

「理と情」ではない。「情と理」だ。

理よりも情が優先されるのが物事の道理なのだ。

仕事ではロジックが重視される。ロジカルな人間が仕事ができると評価される傾向がある。
しかし、マネジメントをする側になると、これが変わるのだ。

ロジカルであるのは当たり前で、それ以上に情の部分、つまり感情の部分が重要になる。

部下や同僚、上司、お客様、取引先など、ロジックだけでは動いてくれないことに気がつくのだ。感情への配慮がものを言うようになる。
マネージャーにとって最も重要なことは相手の心が分かることなのだ。

ただ、相手の心が分かる前に、分かっていなければいけないことがある。

自分の心だ。

自分の心は、意外に見えていないものだ。自分のことは自分がよく分かっていると、多くの人が思うだろう。僕もそうだ。

しかし、そうではない。自分の心を見つめるのは辛い。苦痛が伴う。惨めな自分やできない自分が見えるからだ。
僕は、前職時代に転職活動をするため職務経歴書を書いているときに気がついたことがある。

「あぁ、自分は何もしていないじゃないか。全部部下がやってくれていたんだ」

確かに、課題設定をして、戦略を考え、戦術を考え、業務依頼をして、FBし、調整し、成果を出してきたのは僕だ。しかし、実行フェーズにおいて、手を動かしたのは僕ではない。ただの指揮官でしかなかったのだ。

戦場の最前線に出て戦っていたのは僕ではない。部下なのだ。僕は後ろで指示出しをしていただけなのだ。

そのことに深く気がついた。

自分を見つめることは、見たくないものを見ることでもある。
弱い自分、ネガティブな自分、人に見せたくない自分。

その自分に向き合うことで、目の前の相手の心が見えるようになってくる。
マネジメントをする上で、とても重要なことだと思っている。

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