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幸運が舞い降りるリバーレースで夢の日傘を作るミッション☆コンプリート!
「Casa de Paraguas」という屋号で起業をして、今年で8年目。
日傘を見よう見まねで作り始めてからは、7年になる。
振り返ると、色んな方から、多種多様なご依頼を頂いてきた。
その中でも、今回はうれしかった反面、納品まではいつもにも増してかなりドキドキものだったオーダー制作。
というのも、今回のご依頼主は、ファッションやテキスタイル業界の第一線でご活躍されてきたプロの方。
その方は、とても素敵なぼかし染めリバーレースをプロデュースされたテキスタイルデザイナーのカワチクミコさん。
彼女から、この春に「そのオリジナルレースを使って日傘制作をお願いできないか?」とお問い合わせを頂いた。
ご依頼を頂いた経緯はこちら。
今日はその完成したリバーレース日傘についてのお話をしていこうと思う。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
リバーレース(Leavers Lace)って何のこと?
先ほどのご紹介記事のおさらいにもなるけれど、「そもそもリバーレースって何?」という方に、まずはさらっと説明を。
リバーレースとは、縦糸緯糸絡み糸で作られるレースで、専用の機械で作られている。
とはいえ、人が手作業で関わる部分が多く、非常に時間と手間がかかり、技術力が必要な職人技であることから、レースの中でも特に高級品なのだそう。
リバーレースの発祥はイギリスで、「ジョン・リバー」さんが機械を発明したことから、リバーレースと名付けられたとのこと。
古くは産業革命の時代に始まり、リバーレースを作る職人は、国の財産として扱われ、簡単に国外に出ることも許されなかったらしい。
レースといえば、元々は手工芸だったので、貴族しか手に入れられない高級品だったけれど、産業革命でレースも機械製造が可能になり、だんだんと貴族だけのものではなくなってきたのだとか。
それでも、リバーレースは他のレースに比べ、今でも高級品。
現在リバーレースは日本国内メーカーのものもあれど、特殊なリバーレース専用製造機を所有している会社は希少で、かつ国内製造だと単価がかかりすぎてしまう。
そのため、今は全工程を日本で作っているところはなく、海外製造に移行されているそうだ。
こだわりのリバーレースを日傘に仕立てるミッションは難題続出!
今回日傘に使用するリバーレースの幅は、約90センチ。
強度もかなり丈夫なので、リネン地の全体に重ねて被せるようにして日傘を仕立てた。
元々は白のリバーレースの上に、クミコさんが染色工場に特注して、インクを手作業で染め付けをしてもらったもの。
ベースのデザインが同じでも、色合わせが変わるだけで、表情が全然違ってくるのだ。
暖色系、寒色系、色とりどりの虹色、色んな組み合わせのレースがある中で、クミコさんが選んだのは、ピンクとブルーの爽やかで可愛らしいカラーのもの。
こだわりの資材を集めて送ってもらい、打合せを重ねる中で、「ここはこうしてほしい」というご要望を聞いていく。
それを1つ1つ試行錯誤しながら、反映させていった。
日傘制作経験は7年あると言っても、いまだに日傘づくりはとても難しく、奥が深いなと心底思う。
オーダーによって出会う生地の個性が異なり、1つとしてまったく同じということはないので、毎度毎度が未知の経験だからだ。
さらにリバーレースとも今回初めての出会いだったのもあり、生地の特性など知らないことも多々あり。
1番の難題は、このリバーレース特有の縁の部分(「アイラッシュ」って言うらしい!)を綺麗に出すこと。
こんなふうにカットします。
ハサミで慎重に。
まさにアイラッシュ(=まつげ)だよね。
完成した日傘のお披露目です。
先日送った日傘が、クミコさんのところに無事着いたとのご連絡あり。
公開のご了承を頂いたので、お披露目です。
傘の持ち手がついた骨は当店提供品。
でも、あとの資材はすべてクミコさんが、あちらこちらに足を運んで、じっくりと時間をかけて、こだわって選んできたもの。
熱い想いがカタチになった。
クミコさんが今回のオーダーのことをブログに書いてくれた。
「世界でただ一つのオーダーメイドの日傘です!」(外部ブログ)
クミコさん、このたびは大切なリバーレースで世界にたった1本の日傘を作らせて頂き、本当にありがとうございました。
オーダーを通して気づいた「自分らしい生き方」とは?
やり取りをする中で、彼女の熱い想いに触れ、私が忘れかけていた作品のパーツの細部にまで渡る「愛」や「こだわり」を思い出した。
作るものは違えど、クミコさんも【自分の愛するレースで、お客さまを幸せな笑顔にしたいという想い】でオーダーメイドを受けている方だからだ。
プロ魂を持ったまっすぐな人は、生き方がかっこいい。
まさにオンリーワンの魅力がある。
今回のオーダーを春から受ける中で、実は
作家として、自分の過去の経験から現在の状況、そして未来への歩み方(これからどうしていきたいのか)
についての思考整理もしていた。
日傘のオーダーメイドは、お客さまの想いをカタチにするライフワーク
一方で、
着物日傘の創作は、自分の世界観をカタチにするライフワーク
どっちも大事だし、両立できれば1番いい。
でも、身体は1つ。
時間は有限。
現実問題として、創作するにはお金もかかる。
理想ばかりを追いかける夢追い人ではいられない。
生きていくためにどうするか。
ただ生きるだけじゃなく、自分らしく人生を全うするにはどうしたいのか。
考えて、考えて、考えて。
悩みに悩んで出した結論は、創作の夢を見続け、叶えるために、ある程度の時間とお金を確保するには、活動資金を作るための安定した仕事もするということ。
それが法律事務所での秘書(パラリーガル)の仕事。
ありがたいことに、事務所の方々も私の活動を認め、応援してくれている。
ただの「お金のための時間労働」ではない。
相談者依頼者の方々や事務所にとって必要とされる「やりがい」と「プライド」を持って取り組めて、専門職としても経験を積むことができる仕事だ。
欲張りかもしれないけれど、秘書と作家の仕事を、できる限り両立して続けていきたい。
作家1本に絞るより、効率は悪いかもしれないけれど、それが私らしい生き方だ。
正直な自分の気持ちが再確認できた。
すると、一時期見えなくなっていた未来へのビジョンが、またクリアになった。
来年2022年からは、今中心になっているオーダーメイド事業は今よりも縮小して、創作の方にウエイトを置く。
そう決めた。
私には「50歳までにパリで個展をしたい」という大きな夢がある。
もうすぐ45歳なので、あと5年ほどだな。
そして、ぼんやりとではあるけれど、その前に叶えたい夢が最近もう1つ生まれた。
それは、「今住んでいる地元の伊丹で着物日傘の個展を開く」という夢。
いつもお世話になっている地元の方々にも足を運んで、楽しんで愛でてもらえるような着物日傘の展覧会がしたいのだ。
できれば古民家や酒蔵のような歴史の感じられる落ち着いた場所が良いな。
この辺りはリサーチを重ね、ゆっくり検討したい。
展示する作品制作や展覧会のテーマも、まだまだ妄想段階だけど。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今このブログを読んでくださっているあなたにお願いです。
もしも今はもう使わなくなって、箪笥の奥に入れたままの出番のない振袖をお持ちの方がいれば、作品制作のため、お譲り頂けるとありがたいです。
それらを中心として、リメイクで、華やかなスポットライトが当たるステージに、色とりどりにおしゃれしたオンリーワンの着物日傘として再生させてみたい。
着物日傘のお花たち、思い思いに咲き誇る夢の世界。
和と洋の融合で、レースなどの資材と組み合わせたりもいいな。
ちなみに、「オーダーメイドの受付は今年末で完全終了します!」という訳ではないのでね。
なので、もしもご検討くださっている方がいれば、今後も喜んでご相談には応じます。
お待ちいただく時間は今まで以上にかかるかもしれないけれど、日傘のオーダーメイドは、これからも「お客さまの想いをカタチにするライフワーク」だから。
遠慮なくお問い合わせください。
ではまた。
ここまで読んでくれてありがとう♡
Tammy
よろしければサポートよろしくお願いします。頂いたサポートはパリ個展の夢を叶えるための活動費として使わせていただきます!いつかあなたにご恩返しができますように♡