見出し画像

昔片想いした人にまだ思いが残っている人へ:とりあえず会ってみよう

一般的に初恋は実らないと言う。

私は初恋ではないが、4年以上にわたって好意を寄せ、8年経っても恋バナとなると一度は想起していた人がいた。つまり、長年の想い人ということだ。


そう聞くと PURE LOVE♡ と湧き立つ人もいるが、本人にとっては複雑だ。特に私の場合、思わせぶりな態度に振り回されて8年引っ張られていただけなのだから。

いつものようにこの話を新しいコミュニティで話した。いつもの恋バナの私の鉄板持ちネタとして。そうしたら、このコミュニティは行動力および影響力レベルの高い人が集まっていたので、「今連絡して会う約束してきなよ!」という話になり、ここでも私は流されてその通りにしてしまった。

恋愛ではこんなに流されてしまう自分に嫌悪感を覚えながら翌朝スマホを開くと、「会いましょう」と連絡が来ていた。そこで私は人生で初めてその人とサシで話すことになった。

当日はランチへ行き、二軒目にはカフェに行った。最初は近況などを話して、趣味の話へ繋がり、二軒目へ自然と行く流れになった。

私は一軒目の時点で、この人の笑い方が快くないと感じていた。学生時代に胸を締め付けられていたあの笑みは、不自然なタイミングでの高笑いの形に変貌を遂げていた。

二軒目では、将来に関する話になった。より抽象的で聞く意欲を必要とする話にシフトしたということだ。

ここでは、おすすめのビジネス本の話や、外部環境を鑑みるに結婚をいつするべきかという話が振られた。学生時代に自分の思いの馳せるままに挑戦していた姿勢は、外の世界からかたどられた縁のある自分を形成していこうという姿勢にシフトしていた。


二軒目ですぐ別れた。「次に用事がある」と言って。それは本当だった。こうなることを少し予想して、あえて入れていた。そのおかげで私はこの日、晴れて、完全に10年弱にわたる悪しき紐帯を断ち切ることに成功した。そうして私は海原へ進み出した。その日のビールは数年に一度の勢いで、進んだ。


人間とは不思議なもので、こうやって完全に背を向けられると抱きつきたくなるんだろう。それから向こうから積極的に誘われるようになった。

だけど、私はもう絶対に流されない。今はもう、強くて毎日補強を欠かさない
紐を、「やらなくてもいい」と言っても編み続けてくれる人と一緒にいるから。


忘れられない人がいるのだったら、ぜひ会ってみよう。紐は、自分でハサミで切らないといけないものもあるから、思い切ってハサミを腰に据えて。




この記事が参加している募集

#忘れられない恋物語

9,162件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?