自立した真の独立国家

 日本を憂う? 与野党の政治家の多くがこう言うのですが、聞いたときは私も実は気持ちがいい。でも、正直に言うと先ずこの前提が、無理だと思う。完全に自立した真の個人など、もはや成立しようがないのと同じです。(無人島など、隔絶した土地で、誰にも発見されない限りはね)

国際協調の中に何とか踏ん張って成立する、多様な人材とスキルのある島国国家でしか、もはや日本はありえない。それを目指すほうが多分より多くの人が幸福になれます。十分すぎるほど豊かなはずなのに資源と領土と金を求め続け奪い合う様々な大国や、結局は縄張り争いにしかならない宗教的連合民族的連合イデオロギー連合の海の真っ只中で、日本独自のバランスを常に探りながら、様々な国際問題の調停役として日本が存在することの価値を世界に示し続けるしか無いです。

もちろん、これは外交の話であって、そのような調停ができる立場と、外交力をこれから積み重ねていかなければならない。

自立した真の独立国家ではないのは、ほとんどの国連加盟国に言えることです。自立した独立国家なんて実際の所、どこの国とガチンコで戦っても負けない軍事力と、十分過ぎる資源兼ね備えていないと、今後も軍拡競争は絶対に続くでしょうから、何百年という永続はもはや不可能です。

自立した独立国家のほとんどが、今はかろうじて国家間の外交、軍事的バランスの上でなんとか成立しているという、それだけです。いつ崩れても何の不思議もなく、いつ第三次世界大戦という、世界の枠組みも大きく変化するような戦いが始まっても私は不思議だと思っていません

例えば、核兵器が全く想像もしないような組織の手に入り、管理できない可能性は常にあります。あるいは終末思想のリーダーが、突然それを何の前触れもなく使うかも知れません。

(第三次大戦はすでに起こっている、いや、まだ起こっていない。ここの見解はわかれるけど)

だから、結局はほとんどの独立国が、他国間との協調とバランスに頼るしか無く、そこそこの軍事力の普通の国を、人口密度は高い一方で、資源も領土も限られる日本目指すのは得策ではありません。むしろ、世界で一つの変わった国でいいのです。

もっとも、普通の国を目指す=中途半端に軍事に金をかけ、ダブルスタンダードの大国の顔色をうかがい続ける、いつ捨て駒にされてもおかしくない島国になるか。大戦が万が一始まっても世界の調停役として必要とされ、少しでも和平へ近づけるよう機能できる国になるか。

10年後のこの国のあり方を考えるのは、結局はこれからの人、平成以降の人になるでしょう。

いっそ国を飛び越えて、どこの国にいっても必要とされるであろう、何らかの技能複数言語を身につけ、互いに信頼できる、外の仲間を増やしたほうがいいかも知れません。もちろん、日本のために生きるのも、世界のために生きようとするのも、自分のためだけに生きるのも、それぞれが自由に決めることですが。

私は、これからの若い人たちは、日本という国家や、日本人という民族意識や、特定の宗教に縛られないことを切に望みます。それを願う人をもしも、日本という国家が押さえつけようとするなら、そんな国は心配しないで捨ててください。心からそう思います







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