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「セールスイネーブルメント」実現に必要なプロダクトまとめ

はじめに


はじめまして、株式会社バベル 代表の杉山と申します。ailead(エーアイリード)という"売れる"営業パーソンを継続的に育成する仕組みを作る、「Web会議記録・営業人材育成 AIクラウド」を提供しております。ZoomやGoogle Meetと連携することで、オンライン商談の分析・可視化及び組織内でのフィードバック・改善によって営業成果の最大化に貢献します。

本記事は「#セールスイネーブルメントカレンダー」企画の投稿です。
下記リンクから、今回アドベントカレンダーで執筆されているセールス/SaaS業界の著名な方々の記事を確認することができますので、ぜひご覧ください。

本日、私からはセールスイネーブルメント領域に関連するプロダクトを創っている中で整理したことを共有します。

具体的には、今後どのようなプロダクト/SaaSを導入してセールスイネーブルメントを推進していくべきなのか、この領域がどのように発展していくかを考察を交えてご説明させて頂きます。少しでもお役に立てますと幸いです。

なぜ今、日本において「セールスイネーブルメント」が重要なのか?


セールスイネーブルメントとは?

諸説あると思いますが、簡潔に言うと「成果を上げる優秀な営業パーソンを再現性を持ち輩出する仕組みづくり」であると認識しています。

なぜ「セールスイネーブルメント」が重要なのか?

労働生産性の低さが日本全体の課題となっています。実際世界各国と比較しても、日本はOECD加盟国の中でも21位、G7の中では統計を取り始めた1970年以降ずっと最下位をキープしています。コロナウイルスの影響からオンライン商談がメインとなり、営業活動が今までと大きく変化する中で、生産性を上げる必要があります。
日本の労働生産性、G7最下位 OECDで21位: 日本経済新聞

上記の課題は営業活動においても同様です。なぜ日本の営業生産性が低いのでしょうか。複合的な要因はあるものの、2点に絞って解説させて頂きます。

  • 1点目は営業パーソンが顧客対応に時間を割けていない事です。1番大切なお客様に向き合う時間の確保ができておらず、営業成果が上がりづらい構造にあります。

※詳細を把握されたい方は、「日本の営業生産性はなぜ低いのか」をご覧ください。
  • 2点目はあいまいな役割分担と営業ナレッジの共有化がなされていない事です。新メンバーの育成タームが長くなり、既存メンバーもマネジメントに時間を取られ、商談の受注率や契約までのプロセス改善が行われない/行うための余力がない状態に陥っています。リモートワークが一般化していく中で、会社としてもメンバー自身が自立して成長する基盤づくりが求められております。

最先端の「セールスイネーブルメント」を実現するために必要なプロダクト


2点の大きな問題を解決し、理想的な営業チームに近づくには下記のような解決策を実行できるような仕組みづくりが大切です。そのためには、最先端のプロダクトを活用するリテラシーが必要不可欠になっております。

  1. 営業パーソンが顧客対応に時間を割けていない
    → 徹底的な行動の可視化 or 顧客対応以外の作業時間を減らす

  2. あいまいな役割分担と営業ナレッジの共有化がなされていない
    → 顧客接点のデータ全てを会社の資産と捉えて収集、活用していく

様々な方法があるかと存じますが、あくまで私達が試行錯誤する中で大切だと考えているセールスイネーブルメントに対するアプローチ方法についてご説明させて頂きます。以下、一例ですがご紹介させて頂きます。

テクノロジーによるデータプラットフォーム構築: SFA/CRMなど

  • Senses(日本), Salesforce (日本/ アメリカ), HubSpot (日本/ アメリカ)
    営業に関わるデータを一元管理し、保存することが可能です。顧客情報や営業情報をユーザーから直接、あるいはその他のツールから自動で取得することができます。営業組織を強化する仕組みを構築するために、現代ではほぼ必須のサービスだと思います。他のセールスイネーブルメントに関するサービスの多くでは、SFA/CRMとの連携が実装されています。そのため、以下で解説する様々なプロダクトで収集されたデータは最終的にCRMに保存され、高度な分析・解析に活用されます。

お客様情報を利用した営業に再現性を持たせる : 名刺管理など

  • Sansan(日本) や ZoomInfo(アメリカ)など
    お客様情報の保守、更新、メンテナンス作業を削減し、顧客接点のデータを資産へと変えることができます。顧客接点の情報を自動で管理する事で、以前は各営業メンバーの周辺でしか共有されなかった人と人とのつながりを共有可能に。組織的営業力の強化を図ることが期待できます。

電話をより使いやすく。記録を残し、分析・改善を行う : IP電話 + 解析など

  • MiiTel(日本), pickupon(日本), Dialpad (日本/アメリカ), Zoom Phone(日本/アメリカ)など
    電話営業業務やコールセンター業務の会話情報を自動で保存し、実際に現場で話している内容を明らかにすることで、ブラックボックス化を解消できます。CRMとの連携がデフォルトで実装されているサービスも多く、CRM上のデータをメンテナンスすることも可能となっています。
    インサイドセールスの方にとっては、CRM上へのデータの記録業務を減らし、自分の録音記録を振り返り、改善に活かすことができます。プロダクトによっては、録音内容の自動解析機能が備わっています。

    ただ録音を残すだけでは、振り返りを行う事自体がやはり手間がかかり、組織に定着させる難易度が高い一方で、ここで挙げさせて頂いたプロダクトでは録音内容が自動で整理され、簡単に探し出せます。インサイドセールスやコールセンターの基盤作りとして重要なサービスです。

営業プロセスを型化して再現性を持たせる : プレイブックなど

  • Magic Moment (日本), Outreach (アメリカ), Salesloft (アメリカ)など
    営業プロセスに再現性を持たせるために、プレイブック(台本)を作成し営業を行い、データを基に組織内で改善サイクルを回すことが可能となります。 以前であれば、属人的に管理されていた各メンバーの行動がソフトウェア上で管理されることにより、改善をするために必要なデータが蓄積され、今後の商談への貴重な気づきを得る事ができます。

    営業プロセスの型化を行っていく上で、とても重要なサービスです。
    また、蓄積したデータを活用することで、新入社員のオンボーディングの短縮化などの効果も期待できます。

営業資料の質の向上と改善 : ドキュメント

  • Sales Doc (日本), PandaDoc(アメリカ), DocSend(アメリカ)
    以前は、営業資料を先方にメール等で送付してもいつ誰が、どのぐらい読んでいるかを把握することは困難でした。しかし、この分野のサービスを導入することにより、その営業資料が本当にお客さまに読まれているのか、価値があると思って頂いているかをデータを通じて把握することが可能となります。勘と経験による、資料に関する洞察や評価も定量化することで、営業メンバーが早いスピードで改善を行なうことが可能です。 営業コンテンツを改善するために必要なサービスです。

オンライン商談の分析・可視化・フィードバックにより、営業に再現性を持たせる : オンライン会議 + 解析など

  • ailead (日本), Gong(アメリカ), Chorus(アメリカ)
    この分野では、CRMや各種オンライン商談ツール等との連携を行うことによって、オンライン商談の内容を解析し常にCRMのデータを最新の状態に更新します。営業の現場では、顧客接点が増える毎にCRMを毎回更新するという作業を一部自動化することができます。自動化に伴って創出された時間を活用し、AIによって解析されたデータを基にしたコーチングやフィードバックを行うことができます。

    商談データの自動管理及びAIによる会話解析をセットで提供することにより、以前よりも簡単に商談を振り返り、各営業メンバーの業績向上へと繋げていく事が可能となります。

    また、顧客情報が各部署にサイロ化してしまうことも防ぐことができ、部署間での顧客情報の受け渡しが容易になります。

結論

多くのプロダクトが存在しておりますが、目的に応じて様々なプロダクトを使いこなす事ができれば、「セールスイネーブルメント = 成果を上げる優秀な営業パーソンを再現性を持ち輩出する仕組みづくり」の構築に一歩近づくことができるのではないでしょうか。

最後に

最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。
少しでもお役に立てると幸いです。
セールスイネーブルメントを実現していくにあたり、どのようなプロダクトを導入すべきかお悩みを抱えている方がいらっしゃいましたら、何かお力になれると思いますので、お気軽にTwitterなどからご連絡ください。

著: @tamiki, @jigenji


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