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【本を読む002】大切なのは捨てることより自分軸をもつこと/『捨てればいいってもんじゃない』著:エヌケン
「ミニマリストのようにスッキリした部屋に憧れるけど、モノが捨てきれない…」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
かくいうわたしも、モノを捨てはじめた当初は「何でもかんでも捨てなければいけない」と思いこんでいました。そうでなければミニマリストとはいえない。でも、本当に何もない状態で暮らすことを望んでいたっけ?
そんなふうに思っていた時に出会ったのが自分軸で生きるということばでした。
「○○しなければいけない」という固定観念は、いわば他人軸。他人の目線を気にしている状態です。
なりたい自分から逆算し、自分には何が必要なのかを自分の頭で考えないと、他人軸で生きることになります。(177ページより)
本書は極限までモノを減らすことに疑問を感じた著者が、シンプリストという考え方に出合って理想の暮らしと夢を手に入れた方法を教えてくれています。
●ミニマリストに憧れるけれど、何もかもは捨てたくない、ていうか何を捨てたらいいかわからん…と思っている人
●これから捨て活しようと決意した人
●モノを捨てたけれどイマイチ生活が良くなった感じがしないと感じている人
このような人におすすめの本です。
シンプリストって??
”シンプリストとは、ものの数に関係なく、暮らしの要素を単純化して効率の良い統一感のあるライフスタイルを目指す人々です。(18ページより)”
著者はミニマリストとシンプリストとの違いを次のように定義しています。
●ミニマリストとは?
なるべくものは持たず、不要な要素はすべて捨てる。必要最低限で生きることで、人生を豊かにすることを目的とする。
●シンプリストとは?
ものの数に関係なく、暮らしの要素を単純化して効率の良い統一感のあるライフスタイルを目的とする。
つまりシンプリストは、好きなモノは実用性がなくても持っていてOK。自身の暮らしにうるおいを与えてくれるモノなら持っていてもいいのです。
好きなものは持っていてもいい。そういってもらえるとラクになりますね。
自分軸を見つけよう
これを捨てる、これは残すを判断するために必要になってくるのが自分軸です。
自分軸とは、ひと言で言うと「自分の考えに沿っているかどうか」です。
例えば、よくあるのが「プレゼントでもらったものがずっと捨てられない」という悩み。これは、自分軸か他人軸かはっきりしていれば捨てることができます。自分軸だと「自分の好みに合わないし、まったく使っていない」、他人軸だと「せっかくもらったのだから捨てるには申し訳ない」という考え方です。(30ページより)
わたしも捨て活をする前は、見栄や他人の目を気にしていたせいもあって、なかなか捨てられませんでした。自分にとってどうなのかを軸にするのは大事だと思います。
自分軸がカギ
シンプリストを目指す過程で「自分軸」が身につき、説明する力や意思決定する力が養われ、ロジカルな考え方ができるようになったからです。(26ページより)
わたしも経験があるのですが、モノを捨てて暮らしを整えていくうちに思考までシンプルになっていく感覚がありました。
シンプルに考える力は、普段の生活、仕事、これからの生き方まで変えてしまう力があります。わたしの生活もずいぶん変わりました。
モノを捨てるだけで終わらず、自分軸を身につける。これがシンプリストやミニマリストになる本質だと思っています。
著者もシンプリストとして暮らしていくうちに身についたという自分軸。
それを身につけるのに必要な考え方を紹介している、CHAPTER4「シンプルな思考と問題解決力」に注目していきます。
シンプルに考える
著者によれば、シンプルに考えられない=物事を深く考えすぎてしまうのは、考えた結果、自分がどうなりたいかが想定できていない場合が多いとのこと(135ページより)。
本書ではシンプルに考えるためのポイントが3つ紹介されています。そのうちのひとつ、「逆算思考」に注目してみます。
なりたい自分を想定して逆算する
逆算思考とは、ゴール(目標)を先に想定して、「そこに到達するために今やるべきことは何か、どのように進めていくか」を逆算して計画を立てる考え方です。(138ページより)
こうなりたいというゴールを先に設定して、現在地(いまの自分)からの地図を書く。これなら道がはっきりとわかるし、前に進みやすい。
でも「こうなりたい自分なんてわかんないよ」と思う人もいらっしゃるかもしれませんね。わたしもそうでした。
目標となると立派なものを設定しなくちゃいけないような気持ちになりますが、わたしは小さいものでもいいと思っています。
本を読む時間を20分多く持てるようにする、とかでもいい。はじめのうちは小さい目標を立てて、それを叶えるにはどうすればいいか考えて実行する。
はじめはハードルを低く設定して、たくさんの小さい目標を達成していく。そうしているうちに自分が何を望んでいるのかが見えるようになってくるはず。本書では逆算思考の方法などをわかりやすく教えてくれているので、くわしく知りたい人はぜひ読んでみてくださいね。
ゴール(目標)は自分軸を作るための道しるべ。(141ページより)
おわりに
著者のように、ミニマリズムにあこがれたけれど、物を極限まで減らすことに違和感を覚えた人は意外と多いのではないでしょうか。
本書を読むと「何もかも捨てなくても大丈夫、こういう考え方もあるよ」と希望を感じさせてくれます。無理に物を捨てず、好きなものに囲まれた理想の暮らしを作る。そんな幸せな暮らしをするためのヒントをたくさんくれる一冊でした。
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