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Mr.Children 「miss you」 ファーストインプレッション

昨日フラゲして早速何周かして聞いた。大量の新曲が一気に聴けることの喜びを噛み締める。最近は厳選された10曲を取り揃えたアルバムを発表してきていたのでその流れとは一風変わった趣向で面白い。とりあえず直感で感じた感想を纏めとく。

01.I MISS YOU
沸々と盛り上がってくる実質的なアルバムタイトル曲。ミスチルのアルバムタイトル曲はアルバムの雰囲気に使われがちでスルメ系が多いけど今回はちゃんとシングルでもいけそうなちゃんと出来上がってる曲。サビの後半が食い気味に入ってくるところが好き。
最後の歌詞が衝撃的。

それが僕らしくて
殺したいくらい嫌いです

この歌は曲を作り続けることに迷いを抱く人を描いているのだと思うけどそれでも作ってしまう自分を卑下して終わる。普通だったらそれでも聞いてくれるあなたがいるから、って締めると思うんだけどこんなバッドエンドが一曲目とは、、このアルバムが一味違うことを感じさせる。

02.Fifty’s map ~おとなの地図
,尾崎豊を意識して書いたであろう曲。窓ガラス割ったりの描写があったりする。最終的に似てる仲間がいると繰り返すところがよかった。PVもみたけどかなり斬新。くるみをまんま使うとは、、
似てる仲間がいると肯定する明るい締め方で安心する。

03.青いリンゴ
さっぱりした曲、箸休めっぽい。季節は巡るだけでなんも解決してないような。さっきから実は暗い曲が多い。
初期曲のような雰囲気を感じる。何回か聞いただけだとそんな印象はない。

04.Are you sleeping well without me?
? がつくと turn over? を想起するね。全然違う感じで前アルバムの losstime みたいな死の匂いが感じる曲。それと忘れ得ぬ人が入ったような。スルメっぽい感じ。
ピアノバラードだけどいままでのようなしっとり壮大ソングとはまた違った沼の中にいるような曲。

05. LOST
いまのとここの曲が一番良い気がする。かっこよい。歌詞もシンプルな感じでよい。結局なんも解決せず立ち尽くしてるだけなのはどうなんだ?どういう意図なのか気になる。
すでに手を伸ばしながら歌う桜井さんの図が目に浮かぶ。シンプルなバンド演奏のMV出てくれないかなぁ。

06.アート=神の見えざる手
今作1番の問題児だと満場一致なはず。歌詞が意味わからないくらい怖いし黒いし、サイコパスの歌?前曲で真っ直ぐな思いも曲解して伝わってしまうと歌っていただが開き直った感じ?誤解を生みそうな表現の数々。最初聞いたときラッドのG行為ぽさあるなと感じた。ミスチルの歴史的には LOVEはじめましたみたいな攻撃性を帯びた曲の系統に感じる。

07.雨の日のパレード
打って変わって爽快感すらある雨の曲、突然の転調が気持ち良い。

どこかのオッサンの青春のように
美談色に染まるさ

なかなか斬新な比喩が印象的。ドラムも打ち込みっぽいし、バンドサウンドは鳴りをひそめた感じがする。ここからアルバム後半が始まる雰囲気を抱く。

08.Party is over
終わりということでこれもうっすら死の匂いを感じる。メロディは好きだが音をあえて薄っぺらくしている気がする。アコギが主体だからかなのかな。
バーボンソーダ、たぶんそうだ、って韻の踏み方が好き。

09.We have no time
韻の踏み方が気持ち良い曲。初聴ではなにいってるかまったくわからない。ロックよりの畳み掛ける歌い方がかっこよい。前曲で行くあてもなく迷っている人を描いていたけど。これは時間がないけどまだまだいけるという気概を感じる曲で良い繋げ方に感じる。

10.ケモノミチ
まさかのこれがリード曲。達観した仙人のような曲。最初インパクトこそなかったけど何度も聞くと良い。アコギとストリングスが主体で歌い出しもすぐ始まるのが印象的。
匿名社会の声にならない叫びを歌にしてる。トレイラーの影響かこの曲を聞くと森の中に佇んでいるような気がする。2番サビだけくり抜くとたしかにラブソングになるけどフルで聞くと全然違うことがわかる。見事にトレイラーで騙された。

11.黄昏と積み木
ここから日常明るめソングに変わっていく。ケモノミチが分岐点なのかもなー。line のフレーズが新鮮。home とか imitation orangeに入ってそう。

12.deja-vu ミスチルっぽくない曲名だなー。小品って感じだがメロディがキャッチーで好き。忙しい僕らっぽさもある気がする。

13.おはよう
これも良い曲。タイトルがシンプルなほどミスチルはいい曲の場合が多い。ありふれた日常を慈しむような曲。美しさすら感じる。幸せすぎるって、、一曲目で殺したいほど自分が嫌いと言っていたのに。

総評
総じて結局は暗いアルバムだなって感じ。SENCE とかを思い出す。がラストは優しく終わるので聞いた後はほっこりした気持ちになるが前半が暗すぎるので毎回覚悟が必要そう。櫻井さんの精神面が心配になってくる。がライブではいたって通常運転していたらしいから安心。

売れる気はまったくしないし、他人におすすめを聞かれてまずこれを薦めはしないだろうな。かと言って全く聞く価値がないなんてそんなことはなく暗い曲を求めていた自分にとってはたまらん曲も多い。

生まれてきた曲たちに対しての愛があるのかなと思った。消費社会で伸びるようなアレンジはせずに素材のまま楽しむような料理を意識してまとめあげたのかなって自分の中で落とし込むことにした。だから桜井さんのソロアルバムとも言われてもおかしくないありのままの心情やアレンジになっているのかなと。

繰り返し聞くと印象も変わるかもしれないのでしばらくはこのアルバムをリピートする毎日は続きそう。


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