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クラウドファンディングから見る富山県のイマ

「富山県は新しい挑戦を後押ししてくれる県」だと、これまでの記事で何度もお伝えしてきました。しかし実際に、そんな風土はあるの?と半信半疑の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、近年富山県内の発起人によるクラウドファンディングから、「富山県の今」を紐解いてみたいと思います。富山県ではどんな活動がどんな風に応援されているのか、想像していただけたら嬉しいです。

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◎大学生が起業したゲストハウスを「泊まれる図書館」へ

富山市のLabore株式会社は、富山の大学生と社会人によって起業された会社。「学生にキヅキとワクワクを」をスローガンに、市内でゲストハウス「寄処(よすが)」を運営していました。「人と交流する機会」の地方格差をなくそうと、2019年にオープン。

しかし直面したのは、新型コロナウイルス感染拡大による観光客の減少でした。そこで、彼らはゲストハウスを「泊まれる図書館」へと生まれ変わらせ、もっと気軽に立ち寄れる場所にしたのです。

このプロジェクトは136%の達成率で無事に成功し、すでにリニューアルオープンしています。

◎富山からウイスキーの魅力を発信!世界初の本格的なジャパニーズウイスキーボトラーズ事業

本記事を執筆している2021年5月現在、もっとも注目を浴びているのが「T&T TOYAMAボトラーズ事業」です。プロジェクト公開から数日で、何と2800万円超を集めたこのプロジェクトは、シングルモルトウイスキー専門店のモルトヤマと富山県の酒造である若鶴酒造・三郎丸蒸留所によるプロジェクト。

富山県内に本格的なウイスキー熟成庫を建設し、良質な樽を用いてニューポットを熟成させ、シングルカスクでリリースしようという取り組みです。

発起人のモルトヤマ・下野孔明さんは

今回、世界で初めての本格的なジャパニーズウイスキーのボトラーズを立ち上げることは、ジャパニーズウイスキーの新しい価値を創出することに繋がるのではないかと考えております。それは日本のウイスキーの未来にも繋がることであり、皆様と共に、日本のウイスキーの未来を築いていきたいと考えています。(camp-fire記事内より引用)

とジャパニーズウイスキーの未来について熱く語っておられます。

◎富山県内6つのプロスポーツチームがひとつに!

カターレ富山|サッカー(J3)
富山グラウジーズ|バスケットボール(bリーグ)
アランマーレ|ハンドボール
小矢部RED OX|ホッケー
黒部アクアフェアリーズ|バレーボール
富山サンダーバーズ|野球

の6つのスポーツチームが一つになり立ち上げたのが「TOYAMA WHITE SHRIMPS(富山ホワイトシュリンプス)プロジェクト」です。360万円以上を集め成立した本プロジェクト。

クラウドファンディングによる資金調達と並行して、「スポーツの裾野を広げるためのイベントや、スポーツ団体への支援」を公募。各チームの発起人らがその中から支援先を決定するというユニークなプロジェクトです。

コロナ禍において、オリンピックや試合、イベントが中止や延期を余儀なくされ、スポーツのあり方やスポーツの存在意義が問われる中、スポーツ選手自身によるこのプロジェクトは話題になりました。

◎移住者が綴る富山の魅力「日本で最も美しい立山新聞」の発行

富山県への移住者が立ち上げたプロジェクトも、116%達成率となる支援を受けて無事に終了しています。

登山好きなら知らない人はいない、立山連峰で有名な富山県立山町。東京からこの地への移住者が、この町の素晴らしい景観、伝統、文化、地域資源、そして、そこに暮らす「ひと」を多くの人に知ってもらおうと立ち上がったのが本プロジェクトです。

富山の魅力、立山町の魅力を丁寧に取材し、WEBではなくあえて「新聞」という形で広めていこうとされています。立山町は現在、滞在型リゾート施設のオープン、シャンパン・ドンペリの醸造責任者だったリシャール・ジョフロワ氏による酒づくりなどで注目を浴びている場所でもあります。

◎新世代ワイナリー「トレボー 」の立ち上げ

目標金額250%を達成したのが、富山県南砺市に2020年オープンしたワイナリー「トレボー 」のプロジェクト。44年間、富山県で酒屋の店主としてお仕事をされてきた中山さんが中心となり、「本当に美味しいワインで故郷に恩返しを」と立ち上がったプロジェクトです。

このワイナリーが建つ立野原は、美しい景色の中にあります。この地でしか作ることのできないワインを作り、後世へと残していこうとされています。

◎絶滅の危機にあるライチョウを救いたい!

富山県の県の鳥であるライチョウ。生息数が2000羽を切ったと言われており、国の特別天然記念物でありながらも絶滅危惧種に指定されています。

まだ種の保存のための繁殖技術が確立していないこの鳥を、何とかして守ろうと立ち上がったのが富山市にある動物園「富山市ファミリーパーク」です。

何と、支援額は2600万円超。寄付者1174人と富山県民の関心の高さがうかがえる結果となりました。

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県内でのプロジェクトが、どのように応援され、実現してきたかイメージしていただけましたでしょうか。

今、アイデアを抱えているという皆さん、その一歩を富山県で踏み出してみませんか?


皆様と富山でお会いできるのを楽しみにしています。


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