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分かる

本を読んだり音楽を聴いたり映画を観たり漫画を読んだり絵を見たりするとき、なにを考えますか?例えばあのシーンがこの結果の伏線で、ここにどんなメタファーが使われていて、とか、考えますか?

作品からどんなことを学んだかとか、社会のどの側面に訴えているかとか、もっと大きくすれば、これをみてどう思ったか、とかは、よく聞かれますね。
でもそんなのって、自然と浮かんでくるものでもないし、自然と浮かんでくるようにするためにいろいろ背景の情報を学んだりすることもあるけど、野暮じゃ?

わりと簡単に自分に落とし込んで、主観でギトギトの感想を述べられて、「良い映画だった」とか言えちゃうような作品も、ある。大半がそういうものかもしれないけど、つまらないと思う。
だってそれじゃあ作品を分かってしまっている。
僕はどんなに調べても、何回観てもいくつ考察を読んでも結局分からないような作品を求めている。
それが面白さだと思っている。

とは言え、誰にも分からないような作品を作るべきだとは思わない。分からなさはあくまで僕が感じている面白さの基準だからというのももちろんあるけど、一番は、自分と作品の間にある悲しき壁こそが、分からないを面白くすると思うから。
分かるでしょ、と伝える意思のあるらしいものじゃないと、それは感じられない気がするから。

しかしもちろん、調べて学んで納得する面白さもあるよね。作品を鑑賞するのとは、違う感覚で面白がっている。同時に、あぁ知ってしまったな、と思うところも含めて。

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