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不倫報道とスタバから考える「企業の教育機能」

2017年8月3日、斉藤由貴さんによる不倫釈明の記者会見があった。私は、ときどき見るAbemaTVのニュース番組でこの会見の様子を目にした。

さまざまなニュースがある中で、不倫釈明会見の様子をただただ垂れ流していることに呆れながらも、当時話題になっていたので、どんなものか見てみようという感じだった。

その内容は悲惨なものだった。不倫を認めさせて何になるんだろう?という目的が見えず、無意味な会見のように思えた。

とくに記者たちの質問に哀しい気持ちになった。

彼ら、彼女らは何のために仕事をしているんだろう?
何が目的でこの会見を開いているんだろう?

まずそこから問うてみるべきじゃないか。

そして、この人たちは本来優秀な記者のはずなのに、こんな仕事ばかりしていたらどんどん無能になってしまうのではないかと心配になった。

私は、どんな仕事であれ、本質的に仕事を突き詰めていけば、人や物事の背景まで思考を巡らせたり、社会に必要なことを考えたりするようになるのではないかと考えている。それから、どんな仕事をしていくうえでも、一緒に仕事をする人やクライアントなど、他者への想像力を育むことができるはずだ。そうした考える力や想像力は人徳につながるものだとも思う。

でも実際には、人徳や思考力を失わせるような仕事がたくさんある……。

前述の不倫会見をきっかけに、そんな問題意識を抱いた。

その後、スターバックス(以下、スタバ)の人権教育に関するニュースを見てから、その問題意識は自分の中で「企業の果たす教育機能」あるいは「大人の教育」と位置づけられた。

スタバは、ある店舗で起こった黒人差別を指摘されたことを機に、全米約8000のすべての直営店舗を一時閉鎖。店員を対象に、人種差別を防止するための研修を行ったという。企業のブランド損失や不買運動を恐れてとかいろいろ事情はあると思うけど、この規模での実施には企業としての責任やプライドを感じられる。

(記事中の動画にあるように、警察に対して「逮捕は差別だ」と抗議する人がいるのは格好いいなあと思う)

人種差別に関する研修のほかにも、LGBTの人びとにとって安心できる居場所・職場づくりや、環境破壊につながるプラスティック製のストローの廃止を目指している。参考までにスタバの取り組み事例を以下に貼っておく。

■「性別適合手術のための特別休暇」制度性別適合手術により連続して5労働日以上にわたり就業が困難であると会社が認めたとき、勤続年数に応じた日数の有給休暇が取得できる。■「同性パートナーシップ登録」制度申請のあった同性カップルに対し登録した同性パートナーを「結婚に相当する関係」「配偶者と同等」とみなし、これにより慶弔見舞等の特別休暇、育児や介護休職、転勤に伴うサポートや支援を実施。2018年10月1日現在8名が登録。
米コーヒーチェーン大手スターバックスは9日、プラスチック製の使い捨てストローの使用を、2020年までに世界中の店舗で全廃すると発表した。微細なプラスチックごみによる環境汚染への懸念が高まっていることに対応した。

私は正直、スタバファンではないのだけれど、こうした取り組みをみる限りでは、「企業が仕事を通して人を育てる」好例だと思う。

教育機関を卒業後、とくに仕事をする中で、人びとが社会性や倫理観を身につけていく文化や社会環境をどうしたらつくっていけるのか――。

いまの私の教育に関する問題意識は、ここらへんにある。


花を買って生活に彩りを…