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長野県

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長野県を巡った記録です。
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記事一覧

シルクファクト岡谷(岡谷市)

これも夏のお話。去年の夏の休暇を利用して、気になっていた「岡谷蚕糸博物館 シルクファクトおかや」に行ってきた。 ここは、旧「岡谷蚕糸博物館」が移転し、2014年にリニューアルオープンした。 諏訪地方では、諏訪市と並ぶ地域の中心都市・岡谷は、かつては「糸都(しと)」、すなわち製糸業で栄えた町であった。そんな岡谷の製糸業を記念する博物館。 入り口。場所はちょっとわかりづらい。移転したので、カーナビにも新しい場所は登録されていない。 隣接する「岡谷商工会議所」を目指すとよい

御射鹿池(茅野市)

11月の連休は長野へ。朝、温泉へ行くついでに茅野市にある御射鹿池(みしゃかいけ)に行ってみた。 ここは、かつてシャープの液晶テレビ「アクオス」のテレビCMで有名になった画家・東山魁夷(ひがしやまかいい)の名作「緑響く」のモチーフとなった池である。 国道299号(メルヘン街道)から奥蓼科温泉郷へ行く途中にある。 東山魁夷(1908~1999)は、東京美術学校で学び、帝展、日展で活躍。皇居新宮殿の障壁画を担当するなどした日本を代表する日本画家である。1969年に文化勲章を受

碓氷峠熊野神社

碓氷峠のめがね橋を見学し終わった後は、そこから一路軽井沢に向かうことに。ウネウネの峠道を越え、碓氷峠の頂上に到着。ここが群馬県(安中市)と長野県(軽井沢町)の境界となる。旧道はカーブが200近くあり、碓氷バイパスの開通前は、道路交通の方も困難を極めたであろうと思われる道であった。ただ、碓氷バイパスや上信越道があるため、旧道の交通量は非常に少ない。だが、道路公団が建設し、近年まで有料道路であった碓氷バイパスが無料開放された後も、旧道の国道指定は解除されていない。現役の国道である

信州駒ヶ根・光前寺

長野県は伊那地方、駒ケ根市にある天台宗宝積山(ほうしゃくざん)光前寺は、うっそうとした木々に囲まれた境内にある立派な本堂が見ものです。本尊は不動明王、開山は本聖上人で、寺伝によれば貞観2年(860年)の創建と伝えられています。霊犬早太郎の伝説で知られています。 光前寺へは、中央自動車道駒ヶ根インターチェンジから車で、だいたい5分ほどで着きます。 入り口付近は土産物店などが並び、結構賑わっていましたが、中に入ると森に囲まれたその雰囲気に圧倒されます。 本堂は、幕末のものです

信州伊那・仲仙寺2

いよいよ、今年も残すところ僅かとなりましたので、来年に残さないように、前回の続き。 十王堂を抜けると、また門があって、いよいよ本堂へ。 標高2296mの経ヶ岳の麓にある仲山寺(ちゅうせんじ)は天台宗のお寺で、慈覚大師の開基と伝えられています。本尊は十一面観音で、古くからの観音霊場として知られています。 紅葉の季節は、さぞ美しいことでしょう。ただ、紅葉が終わってしまった後のこの寂しい感じもまた趣があります。 なかなか立派な本堂です。 本尊の観音菩薩は秘仏であり、見ることは

信州伊那・仲仙寺1

11月は連休がたくさんあっていい感じです。ハッピーマンデーに反対する人たちは、「休み過ぎだ!ハッピーマンデーなんて廃止しろ!」とか言いますし、祝日は日付けに意味があるのだから、本来の日付に戻すべき、と言う人も少なからずいます。 確かにそれはそうなんだけど・・・でも、それはちゃんと週休二日休めている人たちだからそう感じるだけ。私のように普段は週休1日、日曜日しか休みのない人にとっては、連休はどんな理屈でもありがたい。そして、逆に少ない連休だからこそ、有効に使おうと思うのです。

ニッコウキスゲの丘

ようやく仕事も少し落ち着いてきた先の夏の連休は、蓼科高原へ今が見ごろのニッコウキスゲを見に行った。混雑を予想して早朝に着くようにしたが、甘かった。午前7時の段階ですでに一番の見ごろの車山肩の駐車場は満車で入れず。少し下った路肩の駐車場から歩いて車山肩へ向かう。 こんなにも混雑するものかなぁと思っていたが、それもそのはず、見ごろの車山周辺ではまるで菜の花畑のような黄色い群生地が遠くからでもよくわかるほどの美しさ。 しかし、鹿の食害のためか電気柵が周囲に巡らせてあり、群生地は

善知鳥峠(塩尻市)

これは去年の夏のお話。恒例の長野旅に出かけた時のこと。塩尻から辰野へ抜ける国道153号線の途中に善知鳥峠(うとうとうげ)という峠がある。善知鳥というのは難読だが、海鳥の名前である。塩尻方面から南下すると、峠の麓は小野の集落となる。この峠は、かつては南信から塩尻・松本へと抜ける重要な峠であった。また、中央分水嶺の一つで、ここを境に北へ降った雨は信濃川(千曲川)を経て日本海へ、南へ降った雨は天竜川を経て太平洋へ注ぎ込む。 そんなわけで峠には分水嶺公園という名前の公園が設けられて

諏訪大社上社前宮(茅野市)

長野旅では、朝の温泉へ行った後、諏訪大社へ。本当は上社の本宮へお参りしたかったのだが、なぜか駐車場がまったく空いておらず、駐車場を求めてグルグル。仕方がなく、空いている前宮へ。 諏訪上下の4つの社の中でも、もっとも原初的な信仰の形を残しているという諏訪大社の前宮は、鳥居前町が形成され、賑やかな他の社とは違って、とても質素である。 だが、諏訪の祭祀、諏訪信仰発祥の地とされるだけあって、境内はとても神聖な雰囲気に包まれている。 駐車場は、152号に面したところにあり。 だ

諏訪大社上社の遥拝鳥居(諏訪市)

例年、10月、11月は連休だらけのはずが、今年はカレンダーの日取りが悪くて、11月に至っては連休一つもなし。しかし、埼玉県在住のため、11月14日の埼玉県民の日に救われ、何とか11月の連休を確保。あとは連休どころか、休日出勤だ、何だで近年まれにみる最悪な11月。休日出勤とか本当に罪。休日はもう何が何でも休みにしてほしい。 何はともあれ、恒例の秋の長野旅へ。とりあえず諏訪のあたりをぶらり。 前々から車を通って気になっていた場所があった。 それはここ。 国道20号(甲州街

小野神社・弥彦神社(塩尻市・辰野町)

善知鳥峠(うとうとうげ)を降りると、ほどなく辰野町に入る。この辺りは小野という集落なのだが、この小野という地域が面白い。もともとこのあたりは、筑摩と伊那の郡境が近接する地域で、戦国時代には小野のあたりを境に飯田城と松本城の領主がそれぞれ争っていたという。秀吉の裁定で、小野は北小野と南小野に分けられ、現在でも行政区画は塩尻市の北小野と、辰野町の小野に分かれている。現在、この2市町にまたがる北小野と小野を合わせて両小野と呼んでいるようだ。 そして、同地にある神社も二つに分けられ

稲泉寺(木島平村)

お盆休みは北信濃に咲き誇る蓮を見に、木島平村の稲泉寺(とうせんじ)というお寺に行ってきました。稲泉寺は曹洞宗のお寺で、境内には何か所も蓮池があり、様々な品種の蓮が見ごろを迎えていました。 なぜか突然「蓮を見たい」と思い、有名な埼玉・行田の行田蓮でも見に行こうかと思いましたが、行田の蓮はほとんど終わってしまったようで。他に横浜の三渓園や、鎌倉の鶴岡八幡宮、光明寺などが名所らしいのですが、すぐ行けるからかあまり惹かれず。そんで長野はちょうど行った頃が見ごろ、ということで田舎の古寺