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たかがドラマ、されどドラマ

連休最終日は雨。
連休とはカレンダー上のことで、我々は三連勤で田んぼの草刈り!
13日の田植えに向けて水路掃除、畔の草刈り、苗の世話に明け暮れておりますが今日は雨でお休み。
何もしないぞ!

最近のぐうたら時間はタイトル画像のドラマにハマっています。
BBC制作の「Call the Midwife」。
ロンドンの下町に英国国教会の修道会が開いた今で言う訪問看護ステーションが舞台。自宅分娩、周産期医療をメインに地域の健康福祉を担っている看護婦、助産婦が活躍します。
周産期や病気にまつわるエピソードが織りなす物語なのですが、社会問題、政治、福祉、教育、ジェンダー、偏見、移民、貧困、薬害、あらゆる差別(特に女性差別)、階級、エトセトラ・エトセトラ…とにかく毎回てんこ盛り。

1950年代から始まるので、戦争トラウマは第一次世界大戦から第二次大戦のみならず、朝鮮戦争まで扱っていて、中には日本軍の捕虜になって…という登場人物もいてなかなか重いものがあります。そしてそういった「負の歴史」からアップデートしていくイギリスという国の底力を見せつけられている感じ。英国国教会とローマ・カトリックの軋轢に関しても、自分の不勉強というか一方からしか見ていなかったことに気付かされました。(アングリカンの知人がいないので勘弁してください。)

とにかくこのドラマ、イギリスでは大人気で2012年のスタートからすでに13シーズンが放映されていて、今年の年末にはシーズン14が公開予定。登場人物も社会もどんどんアップデートしていくのが眩しく見えます。

ここからは非常にマニアックな話。ホメオパシーのマテリア・メディカが大好物な人と共有したい!

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忘れもしない、あれは岡本先生の授業。 
Hyoscyamus-niger
のマテリア・メディカで
「シーツをつまむ仕草」というのが出てきました。
「ヒヨス」というナス科の毒草からつくるレメディです。

この植物はヒヨスチアミンという抗コリン活性を示すアルカロイドを含み、

人間がヒヨスを摂取した時の症状には、幻覚[1]、瞳孔散大、情動不安、肌の紅潮等がある。また人によっては頻脈、痙攣、嘔吐、高血圧、超高熱、運動失調等の症状が表れることもある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A8%E3%82%B9

ホメオパシーのマテリア・メディカでは、主に痙攣や月経中に悪化する症状のときに選択肢に上がってくる症状が記載されているのですが、授業で習った中に「シーツをつまむ仕草」というのが出てきたのです。

当時のわたしの反応「なんやそれ」

この「なんやそれ」というのが妙に印象に残っていたところ、件のドラマに出てきたのです。

シーズン5第5話の15分くらい

産褥期の女性が高熱とバラ疹とせん妄を表しているときにこれ。
このときの担当の助産婦パッツィーはシンガポールで子ども時代を過ごしていて、日本軍に強制収容所に入れられ劣悪な環境の中で家族を失う経験をしています。そこで見た腸チフスの記憶から素早い対処ができた…というエピソードなのですが、この手の仕草が「腸チフスだ!」の決めてになっているんですね。

20年近く前の「なんやそれ」がここで解明されたのでした。

もちろんHyos.はチフス、腸チフスのレメディでもあります。チフス菌毒素による症状と、ヒヨスの毒による症状が酷似しているから腸チフス(typhoid)に適用されるわけですが、ここで「病名」を前面に持ってきてしまうと、わたしたちの脳は、症状を見逃すことになります。だから「なんやそれ」と思ってしまうような症状でも「特有のもの」はマテリア・メディカにはけっこうあって、鼻水ひとつとっても水っぽいのか、とろみがあるのか、色はどんなか、しょっぱいかどうか、何で悪化するのか、付随症状は…でレメディが異なります。痙攣でも弓反りになるのか、バタつかせるのか、ビクビク跳ねるのか、空をつかもうとするのか、シーツをつまむのか…いろいろ。

日本語だと「捜衣模床」というのがあって、認知症が進むなどのせん妄状態で見られる症状なのだそうです。抑制する前にHyos.試してほしい。

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ドラマは戦後の飛躍的に進歩した現代医療を中心に描いているので、「17世紀のカルペパーの薬草学は時代遅れの迷信だ」的なことも言ってて、そのうちホメオパシーも同じ扱いになる可能性もありますが、幸いエリザベス女王も現国王もホメオパシー医を主治医にしているので、あんまり酷くは描かれないだろうと期待してます。推しもしないだろうけど。

とにかく!
フェミニズム、社会福祉、差別、政治、公衆衛生、医療、教育、女性が関わる全てのこと(ってことは全部)に関心があるなら、観る価値のあるドラマです。無理やりハッピーエンドにしたりせず、モヤモヤやくよくよを深めたり拗らせたりする登場人物に愛着を覚えずにはいられません。

でね。
シスターと助産婦たちが食卓を囲むシーンやつまみ食いをするシーンがけっこうあるのですが、密林で

offical Cookbookを見つけちゃいました。ほ、欲しい。

甘いもの、しょっぱいもの、お酒がルーチンになってる彼女の根本レメディは絶対Nat-m.

健康相談やってます。ホメオパシーのコンサルももちろんやってます。


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