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四度目の初めて

今年も米を作ります。
2021年に田んぼを借りて作り始めてから四度目。
除草剤、化学肥料、農薬を使わず
毎年手探りで続けてきましたが
今年は指導者に来てもらっていちからの学び直し。

昨年までは、代かき前の田起こし、水を張って代かきをし、泥が落ち着くのを待って購入した苗や自分たちで作った苗を植え、1週間後から部活の朝練のような草取りを6週ほど続け、中干しをし、稲刈りの前には稗取りをし、稲刈りをして…
という八十八の手間とはいかないまでも、労力をかけて作るものだと認識していました。

今日が学びの1日目で、その認識は覆されました。

稲穂が熟すとなぜ黄金色になるのか
なぜ草が生えるのか
種籾の構造
発芽に必要な条件
水稲が好む養分
種籾の選別と消毒のこと
土の役割
発芽のスイッチをONにするには
有機物が分解されると何になるのか
植物の根が吸い上げているもの

これらの仕組みを科学的に理解し
「流れ」を読み
そのときに必要なことをすれば
驚くほどすくすくと丈夫に育ち
美味しいお米が穫れるのだそうです

「科学的な仕組みと流れの読み方」は
実験室や机上の分析ではわかりません

あくまでも実際の「たんぼ」を観察し
「たんぼ」にいる生き物たちと対話をしてわかること

今年は苗を購入せずに
いちから自分たちで育てるために
初日の今日は苗箱に播種しました

土はpH調整をした無肥料の水稲育苗培養土と
オリジナルレシピで準備した土を使いました

土の均し方
まんべんなく、重ならないように種を蒔く方法
覆土の厚さ、コツ
発芽までの管理の仕方

どれもこれまで経験した方法とはちがって
「こうしてほしい」
種もみが言った通りのやり方です

新生児の免疫システムにとって「初乳」が大切なように
種もみにも「初乳」のように必要な要素があります

それを最大限に活かすことができれば
塩水選でたくさん種もみを捨てることもなく、
ヒトが浸かれないような熱いお湯で消毒する必要もなく
特別な資材を購入する必要もなく
丈夫な苗に育つのだそうです

「種は育つために必要なものを全部持っている」
という当たり前のことが
どういうわけか
「手をかけてやらないと育たない」
という思い込みに飲み込まれてしまって
「手をかければかけるほど、手のかかるへなちょこに育つ」
悪循環に陥っているのが現代の農業のように思えました

子育てと一緒だ!


天候や気温にもよりますが
4〜5日で発芽して日光に当てられるようになるのが楽しみです


手前の黒いのが市販の土、奥の4つがオリジナルレシピの土

獣に荒らされないように気をつけて育てなきゃ!

生き物はすべて
育ち、実るための力を本来持っているのだから
流れを読み
ニーズを読み
流れを整えるためのこと
ニーズを満たすためのことをすれば
身を粉にして労力をかけずとも
答えてくれる

農業は生産であり
コミュニケーションなのだということを
今年は米づくりで実感できる年になりそうな予感

収穫まで気を抜けませんが
楽しみでしかたありません





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