たまゆら(魂響光)【詩・小説】

その時のネタでぼやく、ネットの片隅で生息する幻のような生き物。日記のようなエッセイのよ…

たまゆら(魂響光)【詩・小説】

その時のネタでぼやく、ネットの片隅で生息する幻のような生き物。日記のようなエッセイのようなものを書いています。

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記事一覧

陽の裏には陰がある
笑っている人が泣かないなんて
どうして人は思えるのだろう

置いてきたはずのものが夢の中で呼んでいる
伸ばした手が触れるのは
今か昔か
それとも 先か

何度かのさよならが 新しく繋がる糸だとは思わなかった
何度かのまたいつかが もう二度と言えなくなることも知らなかった
烏のような飛べない鳥が 声も上げずに佇んでいる

ハナミズキの実を探す

 朝というものは、何かの始まりの象徴だが、時に終わりの幕引きでもある。  ベッドの上で薄い掛布にくるまり、鳥の歌を聞きながら翔子はそんなことを思う。  水蒸気の…

地の文は苦手なのに凝りたいというマゾ気質全開。ト書きですら凝りたがってしまうのはもう病気だと思う。

やっと終わって見直し……
ギリギリにも程がある……

たくさんの嘘を埋め込んで
作り上げた人形も
あまりにまっすぐ見つめるから
ひとつくらいは 隠しているの
本当の何かを

何もできなかった わたしに

あなたは ただ

「ありがとう」

って 笑うんだ

バキバキと

壊れる音がする

鳴らしたのは

骨か 心か

ぴりりと指先にふれられぬ
どこまでも透明な 檻

枷がついたわたしの手では
届く距離は もどかしい

ゆらゆらと ゆれる
声に指を絡めて 溶いて
後れ毛の踊りに そっと触れ

ゆらゆらと ゆれる
小さなともし火は malusの香りを 漂わせ

ほら 

今 消えた

最愛の妻という見出し
本当かしら?と思うくらいに軽い

人は人の愛の定量を計ることなどできるだろうか

ひとりが好き
孤独を知らずにすむから

わたしよりずっと 辛かったこと
気づかなくて ごめん

わたしよりずっと 笑おうとしていたこと
知らなくて ごめん

わたしのなかの どろりとした 
ぬかるみの底から 砂金を拾うのは だあれ

うつくしいものだけで つくられたわたしなら 今 いる意味はありますか
うつくしいものだけを ぬきとられたわたしなら 今 いる意味はありますか

他愛ない言葉を交わし

他愛ない時間を過ごす

他愛ない

他愛ない

他愛ないのに もう 代わりはないのです

陽の裏には陰がある
笑っている人が泣かないなんて
どうして人は思えるのだろう

置いてきたはずのものが夢の中で呼んでいる
伸ばした手が触れるのは
今か昔か
それとも 先か

何度かのさよならが 新しく繋がる糸だとは思わなかった
何度かのまたいつかが もう二度と言えなくなることも知らなかった
烏のような飛べない鳥が 声も上げずに佇んでいる

ハナミズキの実を探す

ハナミズキの実を探す

 朝というものは、何かの始まりの象徴だが、時に終わりの幕引きでもある。

 ベッドの上で薄い掛布にくるまり、鳥の歌を聞きながら翔子はそんなことを思う。
 水蒸気の飛沫が弾ける音に乗り、コーヒーの香りが漂ってくる。翔子を呼ぶようにトースターが鳴った。
 諦めたように翔子は体を起こし、ベッドから足を降ろす。ダイニングに入るとレイモンドが淹れたてのコーヒーを2つのマグカップに注ぐところだった。
「モーニ

もっとみる

地の文は苦手なのに凝りたいというマゾ気質全開。ト書きですら凝りたがってしまうのはもう病気だと思う。

やっと終わって見直し……
ギリギリにも程がある……

たくさんの嘘を埋め込んで
作り上げた人形も
あまりにまっすぐ見つめるから
ひとつくらいは 隠しているの
本当の何かを

何もできなかった わたしに

あなたは ただ

「ありがとう」

って 笑うんだ

バキバキと

壊れる音がする

鳴らしたのは

骨か 心か

ぴりりと指先にふれられぬ
どこまでも透明な 檻

枷がついたわたしの手では
届く距離は もどかしい

ゆらゆらと ゆれる
声に指を絡めて 溶いて
後れ毛の踊りに そっと触れ

ゆらゆらと ゆれる
小さなともし火は malusの香りを 漂わせ

ほら 

今 消えた

最愛の妻という見出し
本当かしら?と思うくらいに軽い

人は人の愛の定量を計ることなどできるだろうか

ひとりが好き
孤独を知らずにすむから

わたしよりずっと 辛かったこと
気づかなくて ごめん

わたしよりずっと 笑おうとしていたこと
知らなくて ごめん

わたしのなかの どろりとした 
ぬかるみの底から 砂金を拾うのは だあれ

うつくしいものだけで つくられたわたしなら 今 いる意味はありますか
うつくしいものだけを ぬきとられたわたしなら 今 いる意味はありますか

他愛ない言葉を交わし

他愛ない時間を過ごす

他愛ない

他愛ない

他愛ないのに もう 代わりはないのです