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あけましておめでとうございます

冬休みの朝は寝坊を決め込む甥と姪を、初日の出だから。お年玉の日だから、とたたき起こした。

外に出ては見たものの、あいにくの曇り空。それでも雲の隙間から、色合いを少しずつ変えながら、新しいおひさまがこんにちは。

たくさんの色がある景色の好きな姪は、思いがけず見ることとなった雲の色の変化にうっとり。晴れていなくても繊細な色合いが見えるという発見に夢中になった。

寝起きのよくない甥は、半分とじかけた目をこすりながら。姪にうながされるままに、空を見上げる。

「ごーんって聴こえるね」

雲の変化には気づかなかったようだけれど、遠くから聞こえるお寺の鐘の音には気づいたらしい。きょろきょろしながら、目が少しずつ開いてきた。

空を見上げたり、遠くの音を聴いたりしているうちに、今日がはじまった。気づいたら、30分も外にいた。

あったかな台所にとびこみ、福茶を用意して正月のあいさつ。

「あけましておめでとうございます」
今年もよろしくおねがいいたします。よきとしでありますよう、家族なかよく過ごせますよう、ご縁拡がりつながるとしでありますよう。

ストーブのむこうから、ほんわりと水仙の薫りもやって来た。お正月らしい1日がはじまった。新しい年がはじまった。

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