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くすっと笑ってはじめる1日

ゆうべ、友人が爪をきれいに整えたと写真を添えてメッセージをくれた。爪でも染めて、最近煮詰まってる気持ちを変えてみたら。という友人なりの励ましのメッセージ。

美しく整えられた友人の爪は、きれいなベージュがかった色。うっすらとグラデーションになっている。クリームブリュレの上にのったぱりぱりのキャラメルを思い出すような、つやっと光るきれいな色。

わたしの爪を染めるなら、やはりキャラメル色だろうか。秋らしい色合いだとみるのが楽しいだろうな。もし染めるなら、ブドウのような明るい透明な色がいいな。

そんなことを思いながら眠ったせいか、夢の中で指先からブドウが生えてきた。あれっと思う間もなく、ぐんぐんとつるをのばして育っていく。あっという間にブドウが実り、食べごろに色づいた。自分の指先から生えてきたブドウは、じぶんでは収穫できない。運動会でパン食い競争をした時のように、大口をあけてブドウのふさにかじりつこうとするのだけれど、届かない。身体が固いせいだろうか。

なんとかして、あのブドウを収穫しなければ。ぴょんぴょんと飛び上がったり、必死に体をねじったりしているうちに、ブドウを食べられないまま目が覚めた。もう、朝になっていた。

目覚めたことに気づき、いちばんに自分の手を見た。ブドウは生えていなかった。爪はいつもどおり、色のついていない肌色の爪。

肌色のままの自分の爪を見て、くすっと笑った。いつもどおりだったことに安心したのと、少しがっかりしたのと。交じり合った笑い。変てこな夢を見たな。

こんな朝は、今日もおもしろくなりそうで。笑いが絶えない一日に、きっとなる。


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