見出し画像

卒業式のできごと~想定外な娘~

数年前。娘の中学校の卒業式の思い出。

twitterなんかで感動の卒業式、涙の卒業式を見かけると必ず胸に広がる思い出。

当時娘は反抗期が始まったところだった気がする。

高校受験期はまぁ普通に過ごしていた・・・ように記憶している。

世間並みに勉強勉強と尻は叩いており、週3日ともだちと塾にも通っていた。

中3の夏までは部活が毎日あり、忙しく楽しく過ごしていたし、

なんなら友達親子と某終わりさんの富士急のライブに行って山梨に泊り、翌日の始発でジャージを着て帰ってきて試合に臨んだこともばかばかしい楽しい思い出。

私も娘も秋が来ても冬が来てもライブに行くことがなかなかやめられなくて、フェスにも某青りんごさんのライブにもなんだかんだ通いつつ。

勉強も普通にしていた様子だったけど。

冬の講習は「今更社会やっても(苦手)意味がない」と言い出し、直前に全キャンセルしたり、受験直前まで志望校が決まらなかったり、

それなりにストレスもあり、つらかったとは思う。

受験生はみんなそうだろうけどね。

別に特別良い学校を目指したわけでもプレッシャーもなかったように思うけど、本当はあったのかな。

だいぶとっちらかってはいたものの、ちょっと頑張れば入れる都立高校を受験し、倍率が奇跡的に低かったせいか、余裕で合格!

これで一気に緩んで爆発した。

中3女子。家に帰ってこない。毎日のように遊び歩いて11時過ぎても帰宅しない。

ここは一応東京ではあるけど割と田舎だし、危険な繁華街をうろつくということではなく、ただただ友達と楽しくバカ騒ぎをしたいだけで、公園でずっと遊んでるらしい。

毎日のように夜11時を過ぎるといらいらしていた。締め出したところでそんなの怖がる娘ではない。

鬼電すると電源切って逃げるスタイル。

お互いに意地になっていた。

ダンナにGPSで居場所を特定したと伝えたら、「行ってくる」と車で見に行ったこともあり。

結果。ダンナが職質を受けました笑

深夜に公園で怪しいおっさんがうろうろしていたらそりゃ声かけられるわ。

しかも娘が帰ってこなくて・・・って言えばいいものを、変に気をまわしたのか「いや、トイレ探してて・・・」なんて言ったもんだからね。

そんな日々の中迎えた卒業式前々日だったかな。

案の定帰ってこない。もめる。帰ってきたところでピリピリしているわけで。

卒業式前日もそんな空気の中、めっちゃ険悪な喧嘩をしたんだっけ。

私も「もう卒業式なんか行かない!」くらい言った気もする。

正直本当に行かなくてもいいかなとさえ思った。そのくらい当時の親子喧嘩は激しかった。お互い譲らなかった。

そして迎えた当日。仲の良いお母さんに愚痴っていたものの、まぁさすがに欠席するのも大人げないので、行ったよ。卒業式。

学校の下駄箱にね、2年生の子たちが受付をしてくれる。

娘のクラスに並んで私の番。

「ご卒業おめでとうございます」

「ありがとうございます」と私。娘の名前を言って、受付嬢が探してチェックをした。

ごそごそと脇にあった箱を探す。

そうだった、お手紙あるって言ってたっけ。

「あれ?あれ・・・?」と受付嬢。もうひとりの受付嬢が変わってごそごそ。

「え?なんで?」ともうひとりの受付嬢。

ぴんときた。

「あ、いいよ、ないんでしょ。ありがとう」と私。

娘は親へのお手紙を書かなかった。

お手紙を提出していない子なんて他には誰もいない。

あちこちで早速読んで涙をぬぐっているお母さんがいる。

理解した。けどさすがにショックでもあった。

そうか。そこまでこじれるのか私たち。

そのあとの卒業式。娘はこちらを全く見ない。私も涙が一粒も出てこなかった。

一生忘れない卒業式だった。

娘も娘の同級生も本当に大人になっていた。

小学校から見ている子もたくさんいた。立派になっていた。

私はどうしたらよかったんだろう。中3の娘を朝まで遊んでもいいよって笑顔で送り出すことだったのかな。

今でも答えは出ていない。

そして、これが娘の波乱のはじまりだったと思っている。

ここまで読むとものすごく険悪な親子関係だと思うでしょ。

実際は数時間たつとけろっとして笑って過ごすような娘で。私はそこまで切り替えできないタイプなんだけど。

それにしてもすごい。出さないってすごい。あっぱれとさえ思った。

腹据わってんなー娘。周りの目とか先生とか関係ないんだな。

(注:決してヤンキー系でもギャル系でもない、見た目普通の子です)

そして後日談。

数年後、成人した娘にね、こんなことあったねって話したことがあるの。

そしたらなんともびっくりすることに覚えていないんだって!

みんな手紙を書いたことも、自分が書かなかったことも。

そういうとこだよ。

ま、ずっと引きずられてたらもっと苦しいからいいか。

息子の中学校の卒業式では当たり前にお手紙をいただきました。

自分でもわからない複雑な気持ちで、ありがたく読みました。

来年の今頃、また思い出すだろうな。ちくちくした気持ち。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?