昨日の怖い夢

ある日の夜中。
眠れないので家のすぐ側にある公園へ散歩に出た。
ベンチに座り、暫し夜中の空気を吸う。
人も車も通らない静まり返った公園を街灯だけが暗く照らす。
ふと公園の入り口に眼を向けると、人がいた。
揃いの黒い服を着た長身痩躯の男が10人ほどであろうか、公園に入ろうとしていた。
雨も降っていないのに、全員が黒い傘をさしており、黒い帽子まで被っている為に表情は窺い知ることはできない。
男たちは俯いたまま無言でこちらへ近付いてくる。
こちらへ近付き、街灯に照らされ、男たちが着ている服が喪服であるということに気が付いた。
違和感を感じたぼくは、急いで家へと繋がる小道に入り、家へと急いだ。
振り返るとなんと男たち小道に入ろうとしていた。
思ったより男たちの速度が速いのか、すぐに追いかけてくるようであった。
男たちとの距離は5、6メートルほどに縮まっていた。
慌てて家の戸を開け、真っ暗な玄関に逃げ込み、戸の鍵を閉める。
高鳴る心臓を落ち着けながら、玄関の明かりを点け、振り返る。

そこには顔の無い喪服の男が立っていた。

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