読んだ本・漫画まとめ(2024年3月・4月)


未読残り215冊(4/30時点)

少女終末旅行

女の子かふたり、文明が滅んだあとの終末世界を旅する話。
過去にアニメを観て、めちゃくちゃ好きな作品だったんだけど、改めて原作を読みました。

アニメだと特に9話がすごく好きでした。9話だけ何度も観るくらい。だれもいない施設で、1匹だけ生き残ったおさかなをプログラムに従って世話する自律機械が出てくる話なんですが、雰囲気から話からぜんぶ良いので9話だけでも観てほしい。梶裕貴さんの演じた印象的なキャラクターを一人挙げろと言われたら、わたしはいまだにこの自律機械を思い浮かべます。淡々としたトーンの中におだやかな優しさがあり、自律機械が持つ不思議な人間味をよく引き出されていると思います。原作を読んで、アニメの素晴らしさを改めて感じました。
少女終末旅行に出てくる機械は、この自律機械のほかにもうひとり、最上階への道案内をしてくれる子がいて(厳密には機械ではなく人工知能)、この子はアニメ化されておらず今回はじめて触れたんだけどなんでこれアニメ化してくれなかったの????って思った。アニメ化した時点で原作が完結していなかったのでしょうがないんだけど原作読むまでこの子の存在知らなかったのめちゃくちゃ悔しい~~~~~。
チトとユーリがやってきたとき、この子には感情のようななにかが見えるんですよ。長らく姉妹たちとは連絡が途絶えて、ずっとひとりで過ごしてきた彼女には、ふたりとの邂逅に感じるなにかがあるんです。それをさ、「機械なんだから感情などというものは錯覚だ」という方向じゃなく、「その感情の正体はようやく命を終えられることへの喜びである」に持っていくのずるくね~~~~!?!?!?泣いちゃうて。
仮にチトとユーリが訪ねてこなかったとして、さらに長い長い時間を過ごしたあとには、きっと彼女にも連絡が途絶えた姉妹たちのように眠りにつくときがきたんじゃないかと思うんですよね。でも自ら終わりたかったんだよね。ほんとにアニメで見たかったなこの話。

BLEACH

霊が見える主人公が、死神の力を得て戦う話。
昔バウント編までアニメみてて、原作はコミックスでルキア奪還編までで脱落、その後ジャンプを定期購読していた時期に死神代行消失編だけ読んでたみたいな感じ。それを今回全巻一気読みしました。

マジで言葉選ばずにぶっちゃけるとしんどかった。最後のほうなんかもうはやく終わってくれと思いながら読んでた。ジャンプ読んでた当時「ライブ感」ってめっちゃ揶揄されてたけどさもありなん。毎週1話ずつ読むなら楽しめるだろうけど一気に読むと話を俯瞰することになり、途端に意味がわからなくなる。全体像がつかめないとかじゃなくて、つかめるような全体像がそもそもたぶんない。その場その場でキャラクターの設定と心情を最高の絵と演出で楽しむ漫画であって、ストーリーを読む漫画じゃねえ。
1話1話はめっちゃいいんだよ。演出かっこいいしおしゃれだし、キャラの関係性もいいし。ただなあ~~~~~~~~!!!!!!(いっぱいある文句は今回省略)
冷静に振り返って思うけど、たぶんこの作品に推しキャラがいないのが楽しめない最大の理由だと思う。最高~~!めっちゃ好き~~~!!ってキャラがいないんだよな。推しがいなかったらそりゃ無理だわ。強いていえば山田花太郎が好きだけど花太郎なんてみんな好きじゃん!(クソデカ主語)
あとはまあ好きとかじゃないけど、やっぱ藍染惣右介ってこの作品に絶対いなきゃいけないなって思わされるなにかがありますね。最終章で藍染出てきたとき心がスタンディングオベーションしてたもんな。お前がいなきゃはじまんないんだよ!なに拘束されてんだよ!主人公に倒されたからか……。そうだったわ。

「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版

人の生死を分かつものとはなにか?人が死んだといえるのはどの時点なのか?魂は存在するのか?というようなことにおおまじめに向き合う本。
人の脳が半分でも機能するという仮定に立った瞬間どの考え方を採用してもぜんぶガチャガチャになるくだりちょっとおもしろかった。
哲学って基本的にそういうものだとは思うけど、「人は死ぬときはひとり」ってフレーズってそんな引っかかるもんだろうか。例外のケースとして心中行為を挙げてたけど、逆説的に「死ぬときはひとりだからこそ、人はときとして誰かと死にたがる」という話なんじゃないかなあと思ったりした。

「普通がいい」という病

精神科医の人が書いた本。アプローチとして主流なのかどうかわたしにはよくわからないけど、詩がたくさん引用されている。詩というものが心の動きそのものだからなのか、詩が引用されて「こうです」と言われると解像度が高くなる気がする……。

悪魔くん 貸本まんが復刻版

天才すぎて悪魔くんと呼ばれた主人公が悪魔の召喚を目指す話。
え?話の途中で終わった?と思ったらほんとうにこれで終わりらしい。

いくら天才だと言っても脳というハードウェアがほかの人間と同じである以上限界があるので、「脳の奇形」ということにしてさらにもう一段階上の天才を表現しよう、という発想が完全に鬼畜のそれで笑った。この一言で済ませていいかわかんないけど時代だね。
しかもその天才がしょ~~~~~~~~もねえ凡人に足すくわれて失敗するんだからどうしようもない。でも凡人が天才を理解しないように、天才も凡人を理解しないので、天才は崇高な理想のために凡人を害して想定外の仕返しを食らうのである。
わたしは凡人側の人間なので、殺されかけたから仕返ししただけなのに責められるのわりと納得いかなかったです。

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