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美術、映画、ファッション…興味の赴くまま、綴っていきます。

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最近の記事

「絵画のドレス ドレスの絵画」展②

前回の記事に続き、富士美術館で開催中の「絵画のドレス ドレスの絵画」展の覚書後編です。 第3章 19世紀後半―市民生活の発達 この章では、ナポレオン3世の統治のもと、産業革命やパリ大改造計画などを通して、一気にパリの街が近代都市へと生まれ変わった時期の絵画とファッションを紹介しています。1837年にパリとサン=ジェルマン=アン=レー間で鉄道が開通すると、パリの人々は、休日は郊外へと遠足に出かけ海水浴やポート遊びなどのレジャーを楽しむようになったのもこの時期のことです。テニス

    • 「絵画のドレス ドレスの絵画」展①

      八王子にある東京富士美術館で、企画展「絵画のドレス ドレスの絵画」が開催されています。本展は、神戸ファッション美術館とのコラボレーション企画で、東京富士美術館が所蔵する18世紀から20世紀にかけての絵画を、“ファッション”に着目して紹介するものです。本展の見どころは、絵画とともに神戸ファッション美術館所蔵の同時代の衣装を実際に目にし、絵画を通してファッション史を学ぶことができる点にあります。 第1章 18世紀―貴族文化の興隆 展覧会は18世紀の絵画から始まります。この時代の

      • 1930年代のハリウッド映画とファッション

        前回、1930年代に大活躍をしたエルザ・スキャパレッリについて書きました。続いて、今回は同じ1930年代の映画とファッションの関係性について書いてみようと思います。1930年代のファッションの潮流を作り出したのはハリウッド映画でした。ヨーロッパのクチュリエたちは、ハリウッド映画の斬新な衣装を参考に新たな衣装を生み出していきました。 1930年代の映画といえば、無声映画からトーキー(発声映画)へと移り変わり、映画の可能性が広がった時代です。1929年の世界大恐慌から始まる不景

        • 【エルザ・スキャパレッリ】ショッキング・ピンクの生みの親

          エルザ・スキャパレッリ(1890-1973年) 先日、昨年の12月末に98歳で亡くなったピエール・カルダンの映画を観て、彼が独立前にアシスタントとして務めていたメゾン、エルザ・スキャパレッリのことが気になったので調べてみました。 1890年にローマで保守的で知識人の貴族の家に生まれたエルザ・スキャパレッリは、1930年代をリードしたデザイナーの一人です。1920年代の服装のカジュアル化・スポーツウェアへの流れを汲み取ったスキャパレッリは、ニットウェアを専門とした事業を始め

        「絵画のドレス ドレスの絵画」展②

        • 「絵画のドレス ドレスの絵画」展①

        • 1930年代のハリウッド映画とファッション

        • 【エルザ・スキャパレッリ】ショッキング・ピンクの生みの親

          LOUIS VUITTONが所有するアートギャラリーについて

          現在、ルイ・ヴィトンは世界各国6箇所にアートギャラリーを所有しています。その中で最も古いものが東京・表参道に2011年に作られた「エスパス ルイ・ヴィトン東京」です。建築家・青木淳氏がデザインしたルイ・ヴィトン表参道ビル7階にあるアートスペースで、ガラス張りの空間は、訪れる人に、まるで空に浮かんでいるかのような感覚を与えます。そして、最も新しいものが、2021年2月10日にルイ・ヴィトン大阪御堂筋5階にオープンしたばかりの「エスパス ルイ・ヴィトン大阪」です。こちらも、表参道

          LOUIS VUITTONが所有するアートギャラリーについて

          【LOUIS VUITTON &】クリエイターコラボの原点とは

          東京・原宿にて、創業160余年を誇るルイ・ヴィトンの歴史を振り返る展覧会が開催されています。本展では、山本寛斎、藤原ヒロシ、草間彌生、NIGO®、村上隆、磯崎新などの日本人アーティストとのコラボレーションにフォーカスを当てつつ、ルイ・ヴィトンが世界各国の国際的なクリエイターと共に生み出して来た品々が紹介されています。なぜ、これほどまでにも多くのクリエイターたちとコラボレーションをしているのか、納得できる理由がこの展覧会から見えてきます。 その理由は、ルイ・ヴィトンの原点にあ

          【LOUIS VUITTON &】クリエイターコラボの原点とは