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酢味噌にて野カンゾウのサラダと動物会議 #まいにち土鍋

野カンゾウのサラダ

昨日のスープには野カンゾウの茎をパラパラと。茎はシャキシャキした食感と噛むとにじむ甘さがおいしいので、加熱せずに熱いスープにふやけるくらいがちょうどいい。

さて、茎より上の葉の部分。

こちらはよく洗ってザワっと土鍋に盛りつけただけ。山菜特有の苦味がないので生食で、酢味噌をつくって和えるだけ。「料理してがんばったぞ」というまいにちより、もっともっと野生味を記憶する人間になりたいと思っている。せっかく生きるこの地の生命力を感じたい。

言葉だけでは変わらない。

物語「動物会議」(本文後半で紹介)で動物たちは人間たちをそう揶揄している。

末尾に、酢味噌の配合分量メモだけ残しておくけれど、これだって成功はない。白味噌の味はやさしいんだな、ということを記憶するためのタレなのだから。


「動物会議」エーリヒ・ケストナー 著

肉体も精神もくたくたな数週間だったが、どうにか時間をつくって「どうぶつかいぎ展」(PLAY!MUSEUM)に行ってきた。

驚かないでね、48年前、小学校低学年のとき東京演劇アンサンブルの舞台を観に行って「動物会議」という物語を知ってから、わたしの中に宿った大切な物語。当時ふるえるほど感動した。

そんな物語を特集してくれた美術展。どうしたって行かねばならなかった。きっと子どものための展覧会だろう、ファンシー、メルヘンなんだろう、という先入観は捨てたほうがいい。

2年前にできたミュージアム。プロデューサー草刈大介氏のセンスあふれる企画の数々に感謝するとともに、空間構成、グラフィックデザインにも拍手な展示だったし、8名の作家にもスタンディングオベーション。一般的に、共通テーマ(偉大なる作品へのオマージュ的な)を柱に作家が作品を寄せる展というのは陳腐になりがちなのに、この展でそれは覆された。とぎすまされた作品群。作家を活かす議論がたくさんあったのだろうなとおもえる空間がすばらしかった。

北アフリカのチャド湖の辺り。ゾウ、ライオン、キリンの三匹は、一杯やりながらかんかんに怒っていました。なぜかって?それは、人間たちがいつまでたっても戦争をやめないから。「子どもたちのために、なにかしなくちゃ」物語はこうして幕を開けます。(動物会議より)

「動物会議」E・ケストナー
        

こちらは当時のパンフレット(1974年 絵:ヴァルター・トリアー)で、わたしの宝物。


3月28日(月)
盛る「土鍋コッチョリーノ3合炊きサイズ」

野カンゾウ/水菜/白味噌大さじ2.5/酢大さじ1/甜菜糖大さじ1/酒小さじ1

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