ちょっとブレイク こんな秋の日におめでとう
十数年前のきょう、青春がうまれた。
危機をのりこえて生んで生まれて、たがいに0歳の誕生日はぐったり記憶がない。0歳の誕生日とはそんなものなのだろうか。
1歳の誕生日も、そのあとも、そのあとも、ちょうどこの季節は展覧会に翻弄していたので、彼は実家に泊まっていたり、保育園の夜間保育ですごしていたり、誕生日のケーキをいっしょに食べた記憶も、キャンドルを吹き消した記憶もない。それでも、それを哀しみの日だとは一度もおもったことがない。
昨日、個展初日の幕を開けると、たくさんのお客様がその幕を笑顔でめくってくださった。既に「足るを知る」の心に満ちている。
そして今朝も、互いに学業に職業にばたばたした朝「おめでとういってらっしゃいがんばって」だけを交わす。ケーキでない、キャンドルでもないものがゆらめく間柄に、生きる実感があればいいと思っている。
生まれない道もあり、生まれることだけが特別なことではない。生きるのが特別なことで、逝くことも特別なことなのだ。父が生きていれば同じ年だった銀座の奥野ビル。ここの4階で展覧会をいきいきと開催させていただいている。会いたかった人が来てくださり、涙をうかべてくださったり、汗をふいてくださったり、生きるが見える場所であることに感謝でいっぱい。
こんな秋の日におめでとう。
INFORMATION
我妻珠美 陶展 -秋を炊く-
Tamami Azuma
Ceramic Art Exhibition
2018年11月16日(金)~24日(土)
※21日(水)休廊
12:30-19:00 (Last day 17:00)
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル4F
Ecru+HM
Gallery http://www.ecruplushm.com/schedule/index.html
http://www.tamamiazuma.com
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