夏じまいの風景
「もう水はいらないよ」静かな声が聴こえ、2回目の不思議な夏が終わる。
天然色が語る言葉に宿るもの
庭の桑の実、トマトを最後まで収穫しないで渡伊するのが常だった。夏じまいができていなかったことを、いま想う。庭のトマトはもう水を飲もうとしない。ミントやバジルも、満開にさせた可憐な白い花々を閉じ、いつ種を弾こうか企んでいる。せっせと鳴いていたセミはどこに行ったのだろう。
窓の朝顔カーテンも幕を下ろそうとしている。2003年、越後妻有の芸術祭でみごとな花を見た日比野克彦「明後日朝顔プロジェクト」の朝顔。彼らもしっかりと種を結んでいる。
夏をとじこめよう
昨年につづきこの夏も、毎日カゴにあふれるほどのトマトを収穫した。8月中旬からは、せっせとパッサータ(保存用トマトピュレ)をつくり瓶につめた。イタリアでやっていたような量ではないけれど、トマトを湯むきしてミキサーにかけ濾す。取り除いた皮と濾した種は、フードプロセッサーにかけオリーブオイルと塩を加え、旨味凝縮ペーストに。バゲットに塗ったり、少しお味噌汁に入れても美味しい。
トマトの旨味凝縮ペースト(ミニ土鍋コッチョリーノ1合炊き)
濾した後に残る「トマト汁」も旨味の宝庫だから捨てられない。別に湯むきしたトマトを用意して、寒天と塩少々を加えてゼリーにする。とじこめた夏の味は、なんとも絶品で。ほうれん草のおひたしと一緒に食べれば出汁の味が楽しめるし、醤油とニンニクに浸けて焼いたチキンに添えれば、夏の思い出がよみがえるのだ。悲喜こもごもあった忘れられない2021年の夏、ありがとう。
トマトのゼリー(土鍋コッチョリーノ2合炊き)
あとがきコッチョリーノ
▶︎個展の入場抽選がはじまっています。▶︎安心して作品が見られるよう、密集を避ける対策として百貨店が以下の通り企画くださっています。▶︎なお、期間中のオーダー受付はなく、事前オーダーのみです。▶︎2日目は抽選なしですが、髙島屋HPに「商品が売切れ次第終了とさせていただきます」と記載されています。そんなことはないと思うけど、その場合はHPに掲載されるそうです。営業時間と共にご確認ください。▶︎展覧会に来ていただくにも面倒な時代になってしまったけれど、許してください。諸々おまちがいないようお願いいたします。(コッチョリーノ 我妻珠美)
■応募期間:
9月3日(金)午前11時から
9月9日(木)午後6時しめきり
髙島屋HPをご参照ください
■オーダー :
髙島屋HPご参照ください
(会期中のオーダー受付はありません)
EXHIBITION INFORMATION
我妻珠美 陶展「秋を炊く」
2021. 09. 22(水) 23(木)
新宿髙島屋 10階 リビングフロア和食器
(店舗営業時間ご参照願います)
※2日間限定展示
※22日は抽選入場
※商品が売切れ次第終了
(展示販売数は通常通り)
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