仕事を選ぶ基準
皆さま、こんにちは^^
「仕事を選ぶ基準」などと書くと、自信があって傲慢に聞こえるかもしれません。
私の場合、むしろ自分を守るためであったり、凡人だからこそエネルギーをどこに集中して使うべきかを考える必要があるため、仕事を選ぶ基準を明確に持っています。
特に、本を書くという仕事について話をします。
頻繁というまでもいきませんが、とてもありがたいことに、「執筆のご相談」などというタイトルで、様々な出版社さんからメールを頂く機会があります。
■執筆依頼のメールで憂鬱になる理由
私などに声をかけてくれて、本を書かせてもらえるチャンスが目の前にある!という嬉しさと同時に、実は憂鬱な気分にもなります。
憂鬱な気分とは、メールを開いてすぐ、メールの内容で相手の本気度が分かるからなのです。
かれこれ10年以上、担当してくださっている幻冬舎編集部のYさんは、「執筆依頼のメール(または手紙)は作家さんへのラブレターです!」と、おっしゃっていました。なんだか、素敵なお言葉です^^
■もしも私が編集者だったら!
私自身も、もし編集者という立場でしたら、男女関係なく、これから心血を注いで本を書いてもらうのだから、大物作家であろうと、新人、無名作家であろうと、最初のコンタクトは命がけで信用してもらえるよう準備するだろうと想像できます。
まずは、相手の本を熟読して特に心に刺さったことを1冊で最低でも5~10くらいは具体的に書いて、選んだ理由や、読んだことで気づいた心情の変化なども自分の言葉で伝えたいと思うのです。
社会的な賞を受賞された方には、その功績にも触れ、装丁が特徴的な本の作家であれば、洗練されたセンスについて、YouTuberであれば「毎日、欠かさず見ています」といって、好きな動画ランキングを勝手に作ってみたり・・・。
Yさんと同じ感覚を持つ私として、執筆依頼の最初のメールを読んだとき、とても軽い感覚や言葉で、真剣度も情熱も感じられないとき、「もしかしたら、良いご縁になるかもしれない」という淡い思いは一気に崩れ始めます。
■真剣さが伝わる人・言葉が軽い人
例えば、「吉原さんの本を読ませていただきました」と書いてくださったのに、わずか1~2行で「とても感銘を受けました」「説得力があって印象的でした」「大変、読みやすかったです」としか書かれていないとき。
「えっ、具体的な感想はないんかい!」と、ひとりでつっこみを入れています(笑)
真剣さが伝わる人というのは、メール自体も長いですし、感想も具体的で、ご自身の考え方も書いてくださっています。
そういう方は、きっとそのさき、一所懸命に真摯な助言や率直な意見を伝えてくれたり、トラブルからも目を背けず、諦めずに一緒に進んでいける気がするのです。
「自分のことは話すな」(幻冬舎新書)を読んだ方が、「自分のことは話しすぎてはいけない」と思ってメールが短いということがあるかもしれませんが、そういうことではないんですよね・・・。
私は天才でもなければ、人並み外れた想像力をもっているわけでもないので、一冊の本を自信を持って書き上げるのに、「本を読んでも感想がない」「言葉が少なくて軽い」と思ってしまうような編集者の方のために使うエネルギーも時間もありません!
「感想がない」というのは、メールを書く人にとって、とてもラクなことです。
そして、「言葉が少なくて軽い」というのは、相手への思いが浅いからなのです。
つまり、私はそういうメールを送ってくる編集者の方々から、本当に必要とされているわけでも、本を完成させて一緒にロングセラーにしていく覚悟も持ってもらっていないという現実を直視する・・・となるわけです。
ですから、お互いに必要性を感じ、ゴールへの覚悟を持った方に対して、とてつもない力を注いで本を書きたいと思っています。
■「仕事を選ぶ基準」はずばりコレ!
「仕事を選ぶ基準」とは、ずばり相手の真剣度が感じられたかどうかです。
私にとって、相手の方がベテランであるとか、新人であるとかは一切、関係ありません。
どんなに頭の中では、「ぜったいに、この人に書いてほしい!」という熱い思いがあったとしても、そのことを言葉にして伝え、相手が確実に理解してくれるよう表現を丁寧に工夫するなどしなければ、残念ながら一方通行なのです。
きっと、この考え方は、どのような仕事にも、ある意味で共通するところがあるのではないでしょうか。
■とはいえ○○性も重要
そんなことを大切にして仕事を選んでいると、仕事がなくなってしまうかもしれませんので、よほどの心理的な衝撃でない限りは、少し時間をかけてお互いを知っていこうという考えもあります。
つまり、柔軟性を持ってみるということです^^
ただ、長くても2回のメールのやりとりまでで、十分、お互いのことはわかってしまうのですけれど。
あっ、私は相手に「感想がないので今回の件は・・・」などということは、一切、ありません!それはとても失礼なことですから。
私だって、そうやって誰かに選ばれているのでしょうね。
柔軟性を持ちつつも、やはり「仕事の基準」は貫けたらな。
本を書くという仕事は、信頼関係からしかスタートできないのです。。
もしも、編集者の方が今回の記事を読んでくださって、「吉原さんは怖いから止めておこう」と思ったとしたら、それは「怖い」ことが理由ではなく、私のちからが及ばず、そこまでのニーズだったということだけです。
お互いに真剣度が感じられる相手との出会いって、仕事だけでなく恋愛でも最高の出来事ですよね♪
最後まで読んでくださって、ありがとうございました!
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