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ワーキングメモリを鍛える「ながら」脳トレ30

今回は30~40代の社会最先端で活躍する人々をターゲットに据えた新書を取り上げてみます。

秦有樹著、「ワーキングメモリを鍛える『ながら』脳トレ30」幻冬舎新書 刊。

教育業界の最前線で活躍した後、そのノウハウを活かして国内だけでなく海外にも躍進している著者が、教育の現場や自身の子育て、教材開発を経て得た知見やデータを基にして、年齢を重ねるごとに衰えを感じるようになってくる30代や40代のビジネスパーソンが、これからさらに仕事力をどのようにして高めていけばよいかを解説した著作です。

このような視点の著作はいろいろあるように感じますが、読んでいてなるほどと実感出来た点が2つほどあります。1つは、自己啓発がテーマではあるものの、実際には客観的な視野も含まれていることです。具体例を挙げると、上司と部下とのやりとりについて、部下側から見た上司の振るまいを取り上げる一方で、上司側から部下を見た場合の着眼点についても見せるという、上司・部下のそれぞれの立ち位置から見えてくるポイントを提示してくれています。これは、読み手の立場によっても気になるポイントが異なってくるというだけではなく、自分を中心に置いたときの相手側のことも想像しやすくなる効果があります。もう1つは、専門的な語句についても、初出の際にその都度シンプルでわかりやすい定義や説明がなされていること。頻出する「ワーキングメモリ」についても、はじめにどのようなものなのかがしっかり説明されています。当たり前のようにも感じることではありますが、これが始終徹底されている著作となると、案外限られるものです。

こういった著作であったことから、自分は初見でサラッと読了することができたのですが、気になったところをじっくり読んでみると、改めて前述したことに気づかされる構成になっていました。

後半は題名にもあるとおり、ワーキングメモリを鍛える実践例をまとめてありますので、実践先行で取り組んでみたい方は、ある意味いきなり後半から導入してみてもよいかもしれません。ただ、より高い効果を得ようと思うのであれば、通勤時間やひとりでいる時間などに少しずつでも前半から読んでみることをおすすめします。

なかなか手頃な読書量の新書ということもあって、いつでもサッと読めるようにブックカバーも別途買ってみました。新書版に合うブックカバーって、文庫版のそれと比べるとなかなか見つからないんですよね。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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