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2019.03.02 浦和レッズ vs 北海道コンサドーレ札幌 @埼玉スタジアム2002 ~材料も揃わぬままで調理中の浦和の前に出された、本日のミシャの気まぐれ料理(タイ風味)~

早くも本年のワーストゲームが決定してしまった、ていうかそうであってくれないと困るというくらい酷い内容で、今年の埼玉スタジアムのリーグ戦は幕を開けました。ゼロックスカップ、アウエイ仙台戦と得点が入らないまま、攻撃の連携が全くできない状態で、攻撃に美学を注ぐロマンの男、ミシャの率いる札幌との対戦です。

埼スタに向かう途中、見沼田んぼは、梅の満開の時期を迎えていました。

今年から埼玉スタジアムでは、「企画シート」という、各試合ごとに異なる特典が用意された、テーブル付きの観戦エリアが設定されました。今回は「伝説のスウィーツシート」と「開幕!あったかシート」の二種類。

今回はスウィーツシーツを選んでみました。ええ、40過ぎのオッさん3人ですがなにか?

特典の受取承認用にチケットの裏に押されたのが、なんと西川の顔写真ハンコ。

昨年末に脳腫瘍の手術を行い闘病中の横山選手と、開幕前の負傷で前半戦リタイアとなってしまった、昨年まで浦和在籍(昨年はレンタル)だった駒井選手に対する札幌サポーターの弾幕。両選手の回復をお祈りします。

試合前のビジュアルサポート。「ALLEZ URAWA」

試合は、いきなり浦和の失点から幕を開けました。相手の攻撃のスピードについていけず、プレスのかからない中盤から容易に出された長いパスから、飛び出した鈴木武蔵の先制弾。なかなかいい試合をここまで行えていない状態では絶対に許されない、注意力の欠けた立ち上がりで、いきなりハンデを背負います。

直後は浦和はボールをポゼッションし、中盤ではパスが何本か繋がることもあったのですが、それがゴール方向に向かわない。相変わらず浦和の前線は機能しないままです。

その原因を新加入FW、杉本一人に被せるのは、酷というものでしょう。本来、ポストプレー向きではない彼は裏抜けのボールを求めたいのですが、その為にはいったん興梠が下がってスペースを作る必要があります。そこからさらに双方で連携をしてフィニッシュまで持っていくのが理想ですが、現状そこまでの連携が取れておらず、結果、ただ興梠の怖さを消してしまうだけの状態。おまけに中盤ではこれまたアンカー向きではないエヴァルトンが充分に機能していない上に柏木が絶不調で的確なパスが飛んでこない。止む無く杉本は下がり目でボールを繋げる役割を果たそうとしますが、周囲と連携したプレスができないのでただ漂うだけ。結局彼はチームの歪みを一身に浴びるまま、加入後未だ一本のシュートも打てないまま、前半のみの交代という屈辱を味わうこととなります。

先制後はやや様子見で5バックの陣を組み、浦和の中盤を観察するようにしていた札幌ですが、浦和の前線が恐るるに足らずと見抜くや、中盤のプレスを強め、いかにもミシャサッカーらしいパスワークで、浦和陣営を崩しにかかります。

この日の最大の注目選手は、タイの至宝ことチャナティップでした。昨年途中からフィニッシュに絡むことが増えたように、ゴールに向かうプレーが目立った彼ですが、この試合ではやや下がり目のまさに司令塔という位置、さらにいうなら守備が甘いエヴァルトンとスピードプレーへの対応に難があるマウリシオの間のスペースを有効に使い、パスワークの結節点として猛威を振るいます。ワンツーやフリック、隙をついたドリブル、時には浦和サポですら歓声を漏らす華麗なプレーを存分に見せつけつつ、マウリシオのパスをカットしてからのスルーパスで、鈴木武蔵の2点目を演出します。実際、鈴木武蔵のシュートミスが無ければ、前半でさらに点差は開いていたことでしょう。

後半から浦和はアンドリュー・ナバウトを投入。彼の実直なプレスと、シンプルに周囲を使ったプレーが機能。さらに柴戸を投入、エヴァルトンを一列あげることで攻撃を厚くしようと試みます。守備陣の修正もあって、状況は五分五分に近づきましたが、そもそも札幌は2点リードで無理をする必要がありません。目下、浦和で一番の脅威である左の山中の突破とセットプレーには注意を払い、浦和のチャンスの数は限られたままです。

最後に浦和は柏木に変えてマルティネスを投入。昨年の悪評を振り払うべく、今年は奮闘が目立つ彼ですが、不調とはいえ柏木が抜けたことで、浦和の中盤はほぼ消滅し、ボールは双方のゴール前を往復する展開に。札幌がここにきてジェイを投入してしまえば、ゴール前での威力が浦和優位に傾くことはなく、結果、後半はお互いに得点に入らないまま、札幌の思惑通りに終了します。

2−0。得点以上の完敗です。

試合後の光景、場内挨拶をする選手に向けて、盛大なブーイングが飛ばされた、という記事を見かけましたが、実際は選手を待たずに帰る観客が多かったです。ここまで早く北側自由席の人達が引き揚げる光景は滅多に見ない、というほどで、サポーターの失望の深さが伺えます。

開幕前の練習試合はわずか1試合という状態故の連携不足。武藤と青木という中盤のキープレーヤーの不在。原因は明確であり、改善の望みはあります。むしろ今、不用意に危機を過剰に煽ることの方が危険だと思われます。最大の問題はその改善に向かうまでの期間であり、特に今週のミッドウィークから始まるACLは、立ち上がりの出遅れがそのまま致命傷となります。

復帰間近の武藤、現状で最も必要な選手となってしまった青木、今節ACL対策の為かベンチから外れた阿部と橋岡、逆にベンチ入りしたものの出番の無かった汰木と鈴木、他にもチャンスを伺う、山田直輝や萩原など…

果たして浦和の救世主となる選手は誰になるのでしょうか。

最後に、荒んだ気持ちを和らげるべく、梅の花をもう一枚。いい天気でした。


更新は不定期ですので、気長に待っていただけると幸いです。Jリーグのサポーターの方はどこのチームでも大歓迎。煽り合いではなくゆるいノリで楽しめたらいいなと思っています。