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思うのは自由。でも口に出す言葉は考えなくてはいけない ~汚い言葉は便所で一人で(田中角栄氏)~

おはようございます、tamamioです(^^)
「思うのは自由。でも口に出す言葉は考えなくてはいけない」は、私が教室で毎年話すことです。それにまつわる「教師あるある」を2つお話します。

1 教育相談に書いた、娘の自由記述「算数が嫌いです」

日本の小中学校では「教育相談」を行うように義務付けられています。各学校によって名称は違いますが、勉強や友人関係、家庭環境などでの子どもの困りごとを把握し、支援するための教育活動です。

娘の学校では、自宅で教育相談の用紙に記入・提出することになっています。これまでは低学年だったので、私が記入していたのですが、娘ももう3年生。娘に書かせることにしました。

「書いたよ」というので、最終確認。勉強、友人関係、通学団、どれも「問題なし」。そうでしょうね、とチェックしていると、一番下の自由記述に「びっしり」と先生へのメッセージが書いてありました。

「算数が一番きらいです。算数のなにがおもしろいのかわかりません。二番目にきらいなのは国語です。」娘は反抗的なタイプではなく、目立たない普通の女の子です。担任の先生もびっくり!だと思います。

「そうなんだ、こんなこと考えてたんだ。算数がそんなに嫌いなのか」と母親目線で思いました。その時ふと教師目線になり「あれ?」と思いました。

そういえば、私の担任した子どもたちは、こんなことを書いたり言ったりしませんでした。確かに「算数かぁ~、いやだ~」と授業前につぶやくときはありましたが、面と向かって教師に言う子はいなかった。

教育相談でも同様で、こんなことを書かれたことはもちろん、言われたこともありませんでした。「本当は好きじゃないけど、そんなこと書いたら悪いし」と、子どもなりに気を使ってくれたのだと思います。娘にそれがなかったことに驚き、少しショックでした。

2 参考文献「悪口は便所で一人で」 ~昭和を代表する総理大臣・田中角栄氏~

本日の参考文献は、これです。昭和を代表する名宰相・田中角栄氏。

田中角栄氏の業績はよく知りませんが、角栄氏の言葉や仕事の仕方は学ぶべき点が多いです。その角栄氏の言葉の中で、私が一番好きなのは以下です。

人の悪口は言わないほうがいい。
言いたければ便所で1人で言え。
自分が悪口を言われたときは気にするな。

悪口は汚い。汚いものを出すのは便所(の個室)。だから悪口は便所で。
なんてスッキリとした理屈。「一人で」というところがまたいいのです。
女子は「便所で複数人で」言うので、それが新たなトラブルを生むという。

とはいえ、人間なのでいろいろに思うことはあります。「あの人苦手だなぁ」「この勉強、楽しくないなぁ」「この活動、やりたくないなぁ」など。感じることはたくさんあると思います。感じることはもちろん自由です。

ただ、心の中で思うのはいいとして、実際に口に出すのはどうなんだろう。口に出した瞬間に、それを聞いてしまう人がいます。それを聞いてイヤな気持ちになる人がいるかもしれない、集団の雰囲気も悪くなります。

「心の中で思うのは自由。それを言うべきかどうかは、しっかり考えなくてはいけない」私が担任した際に、子どもに何度も何度も伝える言葉です。思想の自由は個々人にあります。ただ、全体に悪影響を及ぼす言動は、やはり教師として看過できないものです。

幸い「悪口は便所で一人で」と言うまでのことは、最近ありません。ただ、心の中にいつもあり、いつでも取り出せるようにしてある言葉の一つです。

3 教師あるある・2つ ~我が子に教えてない、学校と同じように接してしまう~

今回の娘の一件で自分が「教師あるある」に陥っていたことに気づきました。しかも、2つも。

1つ目は「思うのは自由。それを言うべきかどうかは、しっかり考えなくてはいけない」を、我が子に教えてなかったことです。先生って、学校では教えるが、家で教えていないことがたくさんあるのです(私だけかも)。

例えば、学校で「袋の口の結び方」を教えます。これができない子が高学年でもいます。学校で何度も指導しているので、つい家でも教えたように錯覚してしまって、自分の子どもは袋の口が結べないという。

娘には「算数が嫌いなんだ。それは仕方がないけど、あの書き方は良くないよ。先生だって困っちゃうよ、悲しいよ。自分が思っていることでも、言っていいことと悪いことがあるよ」

そして「『嫌いです』だけじゃなくて、『難しいから苦手』とか『どこが分からない』とか書いたら、担任の先生もこれから気を付けて教えようとしてくれるんじゃないかな」と話しました。

「思ったことは何でも言っていいわけじゃない」ということに「そうなんだー」と反応する、多分よくわかっていない様子の娘でした。

ここで、教師あるある・その2です。「思ったことは何でも言っていいわけじゃない」のは、あくまで、学校などの「公の場」での話。家庭は「私的な場」なので、なんでも話していい場なのでした。

今回の一件で、「母さんにも、思ったことを言っていけないのでは」と娘が思ってしまったら・・・。困ったときに、一人で思い悩んでしまったら・・・。家では教師のようにふるまってないつもりでしたが、ほんとに気を付けないと!

私は「他人(この場合は先生)に対して思ったことは何でも言っていいわけじゃない」と伝えなくてはいけなかったのです。「母さんは『お母さん』だから、なんでも話していいんだよ。でも、先生はお母さんじゃないから、言葉を選ばないといけないよ」と、伝えなければいけなかった。

家は学校じゃないんだから・・・。娘に、学校と同じように接してしまったのでした。この1件だけで心を閉ざすようなことにはならないと思いますが、「学校と家は違う」と自分に言い聞かせて過ごさないとなぁと思いました。

この件から数日たちますが、娘に特に変わったところはありません(ように見えます)。これから多感な時期に入るので、重々気を付けて娘と、もちろん息子も接しないと、と思いました。

ここまで、読んでいただきありがとうございました!
今日から暑くなりそうですね!お気をつけてお過ごしくださいね。

では、今日も良い一日を(^^)

私の創作活動の糧は「読書」です。より多くの書籍を読み、より有益な発信ができるよう、サポートいただけると嬉しいです。