見出し画像

表丹沢塔ノ岳へ ヤビツ峠から大倉まで5年振りに登ってみて

神奈川県表丹沢塔ノ岳1490,9m
ヤビツ峠から塔ノ岳へ登り大倉に降りる表尾根縦走コースは、全行程歩行距離14.3km、歩行時間7時間5分とガイドに書いてあります。

表尾根はとても眺めが良く、富士山や秦野市街、湘南の海まで見渡すことができます。その分、歩行距離は長く、起伏もあり、途中には落差の大きな鎖場もあり、それなりの体力がいるコースでもあります。

5年前、その塔ノ岳に登りたくて、高校時代山岳部だった当時大学生の次男と一緒に登った際、途中で足が攣り、大変な思いをして登頂しました。9時間近くかかった山行できつかったけど、いつかまた挑戦したいと思うような胸に残る山登りでした。

でも、また足が攣るのではないか、ちゃんと登って降りてこられるのか自信がなく不安で、登山計画はずっと保留にしたままでしたが、その山登りを実行するときがやってきました。そのことを書きます。

昨年の唐松岳への挑戦が自信に

昨年、北アルプスの唐松岳へ登山をしてきた。その時は山小屋に泊まってゆっくりした登山だった。

距離は塔ノ岳より短いが、この山登りが自信となったことは確かだ。その後もいくつか山登りを経験したこと、筋トレや鍼灸ケアを受けたこと、足攣り対策を調べて講じてきたこと、などが次のステップへ向かう原動力となった。

2023年の目標の一つに、「塔ノ岳へ登山」を掲げていた。

登山中の足攣り対策について

塔ノ岳といえば、5年前のきつい思い出が蘇る。登りの三分のニを過ぎたあたりから、ふくらはぎに違和感を感じていた。新大日というピークで足が攣り始め、どうにも歩けないくらいにまでなったが、梅干し、ゆで卵に塩つけたものを食べ、スポーツドリンク、そしてロキソニン(痛み止めの薬)を飲んで回復、乗り切ったのだった。

その後、足攣り対策を調べたら
水分は経口補水液がいい
梅干し
塩タブレット
クエン酸入りの飴
芍薬甘草湯を用意
ストレッチ、こまめな水分補給を心がける、食料補給も大事  

これを守ることにした。

今回も一緒に登るのは、北アルプスの唐松岳のときのAさんだ。

いよいよ山登りの開始

朝、秦野駅からヤビツ峠に向かうバスは、普段でも本数が少ないためか混雑する。GW中となれば尚更で、臨時便が出るほどだ。運良く臨時便で座席に着けたので一安心。満員バスに40分くらい立っているのはかなり体力を消耗する。

ヤビツ峠に到着し、登山口まで歩いていく。早朝に家を出ているので、既にお腹が少し空いてきた。アンパンを食べる。空腹を我慢しない。

山道に入る前は、山ビルが出やすい時期に入ったので、山ビル避け対策の「ヒル下がりのジョニー」を足元にスプレーしまくる。

準備万端。山登り開始。ドキドキワクワク。

さてさてここからは二ノ塔までひたすら登り。
汗がどっと出てくる。ここはこまめに水分補給。もちろん経口補水液だ。ときどき塩タブレットも。

途中つつじの花が綺麗に咲いていた
元気が出る
二ノ塔で見られた富士山
これは次の三ノ塔の富士山が楽しみ!

ようやく二ノ塔までくると、青空に富士山が!これは疲れが吹き飛ぶ。三ノ塔ではもっとよく見えるはず。早く行きたい気持ちが抑えきれずに三ノ塔目指す。

ここは一旦少し下ってから三ノ塔ピークへ向かう。これから下って登るが何度も繰り返されるのだが、これがまず第一関門。

まさかの足攣りか?いやそんなはずはない。

もうすぐ三ノ塔だ!と木道の階段を登っているとき、なんと両腿に攣る前のビクビクを感じたのだ。
「え、もうここで攣るの?早過ぎじゃない?」
不安な気持ちがよぎった。
「いやいや、大丈夫。水分補給して、塩分とって、次の三ノ塔で梅干しとおにぎりを食べよう!」
Aさんにも相談して三ノ塔で長めの休憩をとる。

三ノ塔では青空に映える麓まですっきりした富士山を見ることができた!これが見られただけでも来た甲斐があったものだ。

三ノ塔から見る富士山
右側には遠く雪を被った南アルプスの山々が確認できた!

コンビニで買ったシャケのおにぎりは、塩味が身に沁みる。家からもってきた梅干しを食べる。経口補水液を飲み、これから先の長丁場で足が攣らないようにと、芍薬甘草湯を服用した。「これで大丈夫、絶対大丈夫、私の足頑張って」と念じながらストレッチをする。

右端のいちばん高い山が塔ノ岳。
はるか彼方に感じるが、この稜線がたまらない。

三ノ塔で引き返さないと、この先からの下り脇道は荒れてるところが多いと聞く。頂上まで行くしかない。そこには山小屋があるから、いざというときはそこで休むことができる。

幸い天気は上々、午後から風が強くなる予報だが、下りの大倉尾根は吹きっさらしの場所は少ないはず。大丈夫、行ける。

色々と補給したおかげか元気も出たし、足も大丈夫な感じ。Aさんと「よし、出発しましょう!」とまずは次のピーク、烏尾山を目指す。Aさんにとっては、初めての塔ノ岳。楽しんでいこう!

お地蔵さんに手を合わせて出発
ここから一気に降りていく。
下に見える烏尾山荘を目指す。
ここからの景色が好き。
烏尾山にある山荘
ここの屋根がキラキラ光って遠くからも良く見える
途中に木の橋があったり楽しいコース

ここからは下ったかと思うと登りの繰り返し。鎖場があり、一人ずつ降りていくため、順番を待つ場面も。それにしても良い天気。富士山はずっと美しい姿を見せてくれている。少しずつ雲が湧いてきているが、この分なら頂上でも拝めるだろう。

三ノ塔で色々と補給したためか、その後足の攣る感じはなく、まぁなんとか快調。経口補水液の水分補給をしっかり摂り、休憩時はストレッチを繰り返す。

海も良く見える
足元には可愛い花が。癒やされる。
すみれも可愛らしい。

途中、前回はこの辺りで足が攣ったんだよなぁと思う場所を通過。あと少しで頂上へ。

前回は頂上に続くこの辺りの木道が一番きつかった。今回は景色を楽しむ余裕あり。
頂上の山小屋が見える!あともう少し!
左側の富士山も応援してくれている

登頂できた〜!

ようやく頂上に到着。登り始めて5時間近く経っていた。富士山の麓には雲が沸いていたが、雲に浮かぶような幻想的な富士山を見ることができた。前回は雲海は見られたものの眺望は良くなかったので、富士山を見ることができて本当に嬉しい。そして何より無事登りきれたことに嬉しさが込み上げてくる。良かった。一緒に登ってくれたAさんにも感謝!

素晴らしい富士山を山頂から
眺めることができた!
塔ノ岳山頂の山小屋
尊仏山荘
登山の安全を祈願
塔ノ岳1490,9M
こちらは海方面。真ん中は三ノ塔
左側は大山

さて下山しましょう。怪我は下山時が多いらしい。気を抜かず慎重に足を進める。大倉尾根は通称「バカ尾根」と言われるくらい、バカ?みたいに木道の階段が延々と続く坂道だ。

木道が続く大倉尾根
途中にある堀山の家で鯉のぼりが上がっていた
ちょうど風が出てきていたので良く泳いでいた
感じのいい道も
この辺りにくればあともうひと歩きで下山

下りも休憩を取りつつ、無事に大倉バス停まで降りてくることができた。
休憩を入れて約8時間の山行。

やりました!やったー!足も攣らずに登って降りてこられた!富士山も見られた!
疲れもあるけれど、それよりも充実感と満足感で胸がいっぱいになった。

5年振りに塔ノ岳に登って思ったこと

5年振りに登った塔ノ岳
何が嬉しかったかというと、無事に楽しく登って降りてこられたこと。
5つ歳をとったのに大丈夫だったこと。
むしろ、5年前の自分より楽しくちゃんと登って降りてこられたこと。

女性の50代の5年間は体の変化が著しい。体調が万全の日なんてほとんどなく、どこか痛くなったり違和感があるのが当たり前。昨日はあっちが痛かったけど、今日はこっちが痛い、みたいな。あっちこっちがガタガタくる。

そんな中でも快適に過ごすために色々と模索してきた。自分の体と気持ちのご機嫌が良くなるようにヨガをしたり、筋トレも始めた。鍼灸も時折施術してもらうことで血流が良くなったように感じる。小さな積み重ねが安心材料となり気持ちも体も前向きにでき、今回登り切れたように思う。

この5年の間に塔ノ岳へ再挑戦したいと何度か実行しようとした。そして途中までの三ノ塔へは3度登った。でもその先へどうしても行けなかった。天候や時間の問題もあったが、何よりまだ登り切れる自信がなかった。

今回、その一歩踏み出せたのは、やはり体のケアや前の年の北アルプスとその後の山登り経験があってこそだった。そしてAさんのおかげが大きい。ひとりでは行けなかった。ありがたい友に感謝。

おわりに

今回の塔ノ岳登山は、素晴らしい景色と共に、挑戦して成功する楽しさを私に教えてくれた。これは山登りだけではなく、何事にも通じること。

50代半ばでもやればできる、を積み重ねていくことが、この先の生きていく糧となる。

歳をとっていっても、好きなこと、やりたいことに挑戦していくのを躊躇しない自分でいられるための糧。

そんな糧を得た、まさしく一山超えたといえる感慨深い山登りとなった。小さな自信を胸に秘めたアラフィフ、もとい、55歳はもうアラカンか!の私は、これからもやりたいことをやる、行きたいところに行く、会いたい人に会う、を軸に生きていこう。

最後まで読んでくださってありがとうございました。


#山であそぶ



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?