37歳男、無職になる
夫が仕事を辞める。
37歳1歳児の父親が、無職になる選択をした。
今回はその軌跡とその時の妻である私の心境を記録しておきたいと思い書くことにした。
夫が退職を選んだ理由
「最近、生きていて楽しくないんだ」
ある日の夜、夫からそう打ち明けられた。
そういえば、最近すごく疲れている様子だったけれど私も育休から復帰して数か月。
毎日の送迎や通院、発熱対応などに追われて余裕もなく夫と向き合って話す時間が取れていなかったのは事実。
そんな中でかけられたその思い詰めた言葉と表情は、普通じゃなかった。
「最近疲れているみたいだね。何かあった?」
聞いてみるものの、返事は「別に~」とか「暑いし~」といったもので特にこれといったことは言わない。
後々、聞くと職場の人間関係でもめていた。
内容は子どもの送迎や発熱対応を夫がすることで、その仕事の皺寄せが他の人にかかる。
それを彼が当たり前の権利として振る舞うことから始まったようだった。
他の人は延長保育を使っているのに…
他の人はご両親に助けてもらっているのに…
職場に迷惑がかかることのないようにする手段を利用しろと言われていた。
と言っても、病児保育も利用していたし双方の両親共に高齢であったり不仲のため、頼むことができない。
ほとんどの発熱対応も送迎も妻である私がしていた。
夫に休んでもらったのは1回。お迎えだって5回も行ってない。
今現在、私自身仕事はまだセーブしていて夜勤や出張は外してもらっている。
なのに、これからどうしていけばいいのだろう?
そんなことを話し合っていた最中、彼は仕事を退職することを自ら選択した。
嫌なことをしないという選択
最初、この一連の出来事の話を聞いたとき私は夫が甘えていると思った。
私だって育休明けで申し訳なさを抱えながら、周りに頭下げながらも働いている。それをしないなんてなんと甘えた人なんだろうと。
しかし、「もう行きたくない」と話す夫に「行け!」とは言えなかった。
本人が行きたくないという場所に、無理に行く必要なんてないのだ。
子どもの頃私はいじめられたことがある。
一度や二度じゃない。何か月も無視されることもあれば暴言も吐かれたこともある。
私の場合は負けん気が強くて、いじめられてもへこたれたくなんてなかった。でも、それはあくまで私の場合である。
当時子どもながらに学校生活に大きなストレスを抱えていたし、今も「学校」という場所が生理的に苦手だ。
だから、自分の子どもに対しては学校に行きたくないなら行かなくていい。
いじめられてるから行きたくないのに、それを我慢していく必要なんてない。
それは逃げていいし、逃げるべきタイミング。
以前からそう思っていた、それが頭に過ったのだ。
おとなもこどもも同じだ。
人はみんなスペシャルで特別で、大切な存在。
だからこそ、自分を傷つけてくる人や言葉とは自分から離れなくてはいけない。
自分の才能は自分自身で守るしかないのだから。
アラフォー夫婦のこれから
37歳無職の夫。
彼はスペシャルで才能とセンスに溢れた、大切な存在。
仕事を失うにあたって、彼は大きな不安もあると言っていた。
そして、妻である私は「結婚相手の選択を間違えたのではないか」と過去の自分の選択を責めそうになった。
ただ、これまで私が色々なチャレンジをしてきた時も夫はいつも心配ではなく信頼を私に寄せてくれていた。
必要なのは心配ではなく信頼。
尊重して応援すること。
私に今できることはそれだけ。
そんな彼に一冊の本をプレゼントした。
さあ、40歳の壁をするっと越えていこうではないか。
人生は変化があるからこそ面白い。
我慢はしない。
今日と同じ明日が続くわけじゃないから。
自分の選択に責任と勇気を持って生きていく。
人に何と言われても、自分の人生という劇の主役は自分。
その劇をコメディにするのか、悲観的なものにするのかそれは自分がいつだって決めることができるのだ。
私たちの劇はこれからどんな作風になっていくのだろうか。
さあ、まだまだ物語は続いていく。
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