【フランス国内巡礼路④】日本に牛はいないのか?マダム・エリスの牧場の家 〈後編〉
このお話は【フランス国内巡礼路③】めざせ労働革命⁉ マダム・エリスの牧場の家 〈前編〉 の〈後編〉です。
牧場の家の夕ご飯は ムール貝のBBQのあとフライドポテトなんかをつまんでだんだんおなか一杯になり、シメはフロマージュ、チーズです。
ヤギのチーズ、味付きのカンベール、大きいカマンベールにワイン。
ここはボルドーはすぐ近くで、私は連日ブドウ畑を歩いてきました。ワインの大産地の真ん中なのです。
日本はね、このサイズの銘柄もののカマンベールだと30€するよ。
2人は絶句。
日本には牛はいないのか?
いるけど、日本の流通に課題があってね。
日本は意外とたいへんらしい、とだんだん二人は気が付いたようだ。
レストランでもチーズがでるけど、小さい、小さいの(と私は指で小さい隙間を作って)がお皿に並ぶの。ヤギのチーズも今回フランスにきて、初めて食べたみたいなものだよ。いいボルドーのワインだって、30€からだよ。
まあそのほとんどは税金で、フランスが儲かっていて、日本の円がだらしないという二重の事情ではあるけれど。
お互いの経験をもとに世の中のこと見渡せるのは、私も彼女たちもそのお年頃になったから。おばさんになったから。年を取るのも悪くないと思えました、
テントから見る夜空は星だらけ。懐中電灯をつけて、土の上のいろんなものを踏まないようにトイレに行きました。来年は彼女が旅行にいけないくらいこの牧場の家が満員になるように星にお願いしました。
翌朝、母屋に朝食が用意してあり置き手紙には「あなたの食べ物が冷蔵庫にあるから忘れないでね」。私もお礼のメッセージを置いて家を出ました。登る朝日と大量のヤギがお見送りでした。
フランスでは特に巡礼者の数が少ないので、食事をともにする「巡礼者の家」や「民泊」はその女主人がどんな人であるかが色濃く反映されました。
日本で言うおもてなしともちょっと違って、人と会うのが好き、そして巡礼者のような未知な来訪者にかかわる自分の使命を自覚しているような人に会いました。
巡礼
の歩き旅は、歩いて行ってそこに用意されている「巡礼者の家」に泊まります。特にフランスは選べるほどないので、どんな人が待っていて、どんな体験ができるのかは巡り合わせだし、来たものを受け入れるしかないと思います。関わりがうっとうしい、言葉が通じないとことがストレスである人には快適ではないかもしれません。
私はここまでいろいろ会話を書いてきたけれど、私が聞き取れた言葉をつないだというだけにすぎにない。複雑な会話は翻訳アプリを使いましたが、どこまで私がいいたい本意が伝わったかわからないし、失礼な訳になっていたらごめんなさい。
ただ家を出る時には、宿主の女性たちは私の旅の安全を祈ってくれるし、巡礼者であることを尊重してくれることは、言葉がどうであれ伝わりました。
私の電子書籍ではフランス巡礼路での巡礼者の家への予約の方法、宿泊の段取りを紹介しています。
このお話は第2巻の期間で起こったことですが、このエピソードは入れてません。
私のインスタグラムでは、旅の途中で更新した写真をご覧いただけます。