描いている社会について②
訪問をありがとうございます。
前回の記事から続きを書かせていただきます。
【地域活動団体の課題に取り組む】
前回の記事終盤に地域でボランティア等活動を行っている団体の課題を3つ書かせていただきました。
** ≪地域活動団体の抱えている課題≫**
①広報を十分に行うことが困難でイベントや新規会員確保問題
②立ち上げ時メンバーの高齢化に伴う活動リーダー後継者問題
③活動場所と資金確保問題
これらを踏まえて、現在取り組んでいる事業と、それによりどういう世界を目指しているかについて、書かせていただきます。
【目指すは小さい経済圏】
私が目指している『住みやすい地域』は、地域(自治体)の中で小さな経済圏を創ることです。
CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
CSVは、CSR(Cororate Social Responsibility:企業の社会的貢献)の後に出た概念で、『社会課題を解決しながら企業の売り上げも追及していこう』という考え方です。
とはいえ、日本の企業は8割以上が中小企業と言われており、それらの企業が『社会課題を解決する』というのは、至難の業です。
だからこそ、社会まで大きな視点でなくとも、まずは『地域の課題』を解決しつつ、それが自社の売り上げや発展に結びつくような仕組みを創ろうと考えています。
地域の住民や企業が地域の課題を自分事化することで、『何でも困ったら行政に連絡』ではなく、『自分達で解決に向けて行動し、足りないところを行政に連絡』という形をつくるのです。
これが本来の地域や行政の形であると私は感じています。
それを、助け合い活動をベースとした『地域限定コミュニティサイト』で実現しようというのが、現在取り組んでいる事業です。
地域にこだわった理由は、『リアルが主体。補足としてネットを活用』するためです。
そして、なぜこの取り組みを当法人が行うかというと、『5年以上かけて、地域の住民・ボランティアなど活動団体・企業とつながり、それぞれと絆をつくってきたから』です。
地域の実情を十分に知り、かつ、どっぷり浸からず客観的視点も持ちつつ、強みを最大限引き出しながら、サイトを運営することができるのではないかと考えたのです。
【地域限定コミュニティサイトの機能】
これは、江東区の住民・活動団体・企業・江東区に努める方々ならだれでも無料で入会できるサイトです。
企業や気持ちある個人から『協賛』という形で月3,000円をいただき、これをサイトの運営費に充てる予定です。
このサイトには、大きく分けて3つの機能を持ちます。
≪サイトが持つ3つの機能≫
①掲示板機能
②活動団体紹介&応援ボタン機能
③地域のイベントカレンダー機能
一つずつ説明をさせていただきますね。
①掲示板機能
これは、よくある掲示板と同じなのですが、仕様が『地域限定』になっています。
個人で投稿する際は、『〇〇エリアで評判の良い内科を知りませんか?』とか、『1歳の子がいますが、平日遊びに行ける場所を教えてください』『書道を習いたいのですが、素人でも通いやすい場所を教えて』など、地域の情報を収集するための質問を想定しています。
こういう質問は、地域を良く知っている年配者の方々や、地域の情報集約をされているママさんなどから返信が来ることを想定しています。
活動団体から投稿の場合は、『〇月〇日にイベントをするので、遊びに来てください』だったり、『△△のイベントにボランティア募集』など、地域の住民に、地域活動を行う一歩を踏み出すためのきっかけづくりについての投稿を期待しています。
そして、地域の企業については、企業の広告・人材募集・アンケート・企業の活動団体への場所貸し等好きな投稿を、一口(3,000円)で月1回掲載できるようにしようと考えています。
これがうまく機能すれば、掲示板で解決できないことは地域課題として区に提言できるなど、地域の課題抽出ができると目論んでいます。
また、協賛企業が増え中小企業が人材募集を多くかけてくれたら、中小企業にとっても地域で効率的に雇用確保ができ、地域の住民にとっても通勤負担が少ない中で自分に合った職を探すことができるようになります(雇用拡大)。
元気シニアや専業主婦の方々、そして介護離職をされた方々の持っているスキルをピンポイントで効率的に活用することができると考えています。
ちなみに、掲示板機能で私がひそかに目論んでいるのは、『元気シニアの健康延伸』です。
地域企業でこれまでのスキルを活かしてアルバイト程度の就労を行い、他の日は地域でボランティアなど地域活動を行う。
このように、就労と地域貢献のバランスを上手に取りながら、地域の中で居場所と活躍の場を確保し、個人の活動量を増やすことで、結果、心身の健康延伸につながるというものを目指しています。
②活動団体紹介&応援ボタン機能
これは、昨年度制作した冊子の発展版で、各活動団体さんにインタビューを行い、それを記事にすることで、活動団体の理念や取り組みを知ってもらおうというものです。
それを行うことで、地域の住民が、より自分に合った地域活動への参加がしやすくなることを期待しています。
例えば、同じ『認知症カフェ』でも、開催する団体によって雰囲気はまるで異なります。
子育て支援にしても、会の理念や取り組み方により、雰囲気はガラリと変わります。
そのあたりの雰囲気まで感じられるようなインタビューを掲載することで、より自分に合った活動団体を見つけ、『ここなら私も参加できそう』という一歩を踏み出すことを狙っています。
また、各インタビューページには『応援ボタン』をつけ、サイトの会員は、自分がお世話になった活動団体や加入している活動団体に1日1回『応援ボタン』を押すことができます。
この応援ボタンは1クリック1円とし、活動団体に運営資金としてお渡しするようにします。
地域に貢献している活動団体ほど、応援ボタンで資金を集めることができるような仕組みとなっています。
サイトの会員は、1日1回応援ボタンを押すことで地域の活動団体に寄付をすることができ、協賛企業は地域の活動団体に対して『自分達の協賛費で応援している』という気持ちを持つと同時に、企業の社員に対しても『当社は地域貢献しているのだ』とアピールすることができる。
誰にとっても『Win』な形の機能になると考えています。
③地域のイベントカレンダー機能
これは、点で宣伝されている地域イベントや学びの場をサイト上のカレンダーに集約することにより、地域住民の空き時間に、地域のイベントへの参加を促し、地域との交流機会を拡大することに貢献しようと考えています。
そしてこれは、うまくいけば、元気シニアの健康延伸や、地域住民と活動団体のマッチングに貢献できると考えています。
このほかに、月1回は地域のどこかで交流会やテーマを決めて意見交換の場を開催することを予定しています(リアルでの交流機会の確保)☆
【それぞれの活躍とメリット】
ずらずらと文字で書いてしまいましたが、具体的にサイトで誰がどのようなメリットを生み出すことができるのかについて、書かせていただきます。
サイトを活用することで得られるメリットを8つの視点で書いてみました☆
ちなみに、イメージはこんな感じです。
①地域住民
■地域の疑問を解消することができる。
■自分に合った地域活動を知り入ることができる。
■地域のイベントを知り参加することで地域愛が向上する(居場所)。
■就労に制限を抱えている人も、地域で無理なく就労機会を探せる。
②地域のボランティア等活動団体
■サイト機能を活用することで、イベントや新規会員確保ができる。
■応援ボタンで資金を貯めて継続可能な活動を行う。
■掲示板等で活動場所の確保に対する働きかけが行える。
③地域企業
■ピンポイントでこうスキルな人材確保の募集ができる。
■協賛を通じて地域貢献していることを企業のウリにできる。
■地域を知り地域に合った戦略を考えることができる。
④地域全体
■地域が顔の見える関係つくりを進めることで治安改善できる。
■地域の課題を解決するための手段として活用できる(個人含む)。
■治安が良くなることで、江東区のブランド価値が向上する。
⑤行政
■区民の意欲と力を活かし協働事業を増やすことで、区の支出削減ができる。
■削減した費用を子育て等、本当に必要とされている部門に充てることができる。
■地域企業の税収が上がることにより区の財源が潤う。
⑥国
■元気高齢者が増えることで、社会保険料(介護保険・医療保険)の削減。
■住民同士の助け合いが進むことで、社会保障費の削減につながる。
■高齢化対策の成功事例をつくることで、課題先進国として他国に対してアピールできる。
⑦社員・⑧経営者
■自分達の努めている企業が地域に貢献していることで誇りを持てる。
■地域住民の力を効率的に活用することで生産性を上げることができる。
■サイトを通じて、協賛企業同士や地域の活動団体とつながり、新たな事業チャンスを得ることができる。
【まとめ】
長々と書かせていただきましたが、恐らくこれからの中小企業は、『地域とつながり規範的統合ができるか』が、生き残るための1つの指標になると私は考えています。
そして、地域住民も、これからは何でも行政がサポートしてくれる時代ではなくなったことを受け、地域とのかかわり方(困った時に助けてくれる存在確保)が大切になってくると思います。
そして、これからの地域を活性化するのは、地域に住む人と企業がつながり、様々な取り組みを進めながら『おたがいさま』を育むことが、何より大切だと感じています。
時代の過渡期だからこそ、様々な形で様々なものが立ち上がりますが、今こそ点の活動を集約し、面にしていける取り組みが必要なのではないかと思い、今後の取り組みを掲載させていただきました。
ちなみに、協賛がたくさん募った場合でも、利益の1.5割は当社でいただきますが(税金等の支払に必要)、それ以外は全て地域に還元することを決めています☆
会社は社会の公器であるとするならば、株主優先よりも、地域優先で事業は進めた方が、長い目で見て社会に必要とされる企業になるような気がするのです。
なぁんて、こんな考え方はいかがでしょうか?
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