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不完全の美学


「花弁が4枚のもの」

ブルーのクレマチス。花弁が4〜6枚とバラバラで面白い。
なんとなく、花弁の数が少ない方が、圧を感じます。

花を生ける時、大切にしたいのは「不完全の美学」。
美意識というのはちょっと違う。
美を意識するだけでは、アップデイトができないからです。

常に、既成概念を壊すものはシンプルな問いを持つものです。

「こちらは花弁が5枚」

一輪の花にこだわると、雄弁にそのストーリーを語り始める。
「美とはなんだ?」という問いが湧き上がるからです。

心を解放するものは、「なぜなんだ?」という、当たり前に思っていたことに対する疑問から始まります。

全ての芸術は(ビジネスも同様)、この問いから始まっています。心の縛りを解くキーワードです。

なぜなんだ?という問いを持って生きること。それが哲学です。
面倒臭いヤツだと思われるし、あまり理解されないでしょう。

でも大抵、面倒臭い人が世の中を変えるんです。ソクラテスやキリストがそうかもしれない。理解されず、それで死刑になったほど。だからこそ、世界4大聖人の中に名を連ねているのでしょう。

これからの日本に、本当に必要な教育は哲学なんじゃないかとかなり真面目に思っています。

初夏の花々はとても個性的で、花を生けるのが楽しい季節。
レギュラーレッスンでは、紫陽花がテーマの作品です。


そして、6月の「文学と一花一葉」は夏目漱石です。
漱石も、文学の世界を変えた、かなり面倒臭い人だった様です。

彼のエスプリに触れて、花とどんな化学反応が起こるでしょうか。


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