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”花咲かばあさん”まっしぐら

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新しい時代の風を感じながら、この1年のこと、更には自分が花の世界に入るに至るまでの道のりを振り返っていました。

ようやく、「個」で勝負する理想的な世の中になるのだと、私には希望の光が見える。

花の仕事を始めた頃は、大きな箱が用意された場でしか仕事を選べなかった。イベント、パーティー、ブライダルなど、人が集まる大きな会場を持っているところにこそ装花のニーズがあったから。

あの頃よく聞く話としては、海外組、特にフランス帰りは、扱い難いとされていて、就職活動が難しかったそうです。

だから頑張って、フランスの国家資格を取り、インターナショナルコンクールで1位を獲得。お陰様で、仕事のオファーをあちこちから頂きました。

しかし、実際に現場に入ると、日本人の口に合う様に、アレンジし直す様に言われたものです。(なんでやねん 笑)

”個”では立ち向かえなかった時代です。生きて行くためには、”個”を殺さなければならなかった時代でした。

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それが今や、人が集まる大きな箱が空っぽ。そして、人々は暮らしというベーシックなところに意識を向ける様になった。それぞれの感性で、思考で、真の幸せに気付き始めている。

私は、豪華で特別な花を提供することで収益を上げるために、パリで花を学んだ訳ではない。宴が終わった後の花々が、どんな風に廃棄されてきたかも見て来た。

花は贅沢品と日本人は思ってきたのだろう。パリでは違ったのに…。

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私のレッスンは長い。どうしてだか長くなってしまうのです。

作品が完成したら終わりではないから。その人の心に、一輪の花が咲くまでを見届けてからお見送りしたいのです。

結婚問題、離婚問題、就職活動、人間関係・・・生きていれば、そりゃあ色々ありますよ。私も、波乱万丈生きて来たからよくわかる。

解決方法なんてわからないけれど、心に花が咲いていたら、大抵のことはなんとかなる。だから、部屋に花を飾る前に、まずその人の心に花を咲かせたい。

花咲かじいさんの様に、枯れ木に花を咲かせることができたら、どんなに素晴らしく愉快なことかと憧れる。

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行き詰まりを感じる時、先行きが見出せない時、プライドが障壁になっている場合が多い。プライドではなく、dignity(尊厳)を取り戻すことが必要だと私は考えます。
そうすれば、唯一のピュアな美しい花が咲く。

私は自分の心に花を、そして人々の心に、いつでも美しい花が咲いていて欲しい。だから、その具現化として花の仕事を選んだ様に思います。

日々の暮らしの中に栄養と、きれいな水と空気を取り入れ、枯れ木に美しい花を咲かせて行く。これぞ、”花咲かおばちゃん”の人生やー!

私の墓石には「花咲かばあさんここに眠る」と彫って欲しいの(笑)。


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