モードとアートフローラル
今回は、少し作品撮りについてのレクチャーをしたいと思います。
今月のレッスンテーマをリクエストしてくれた方の作品です。小物使いも洒落ていて、スタイリッシュな仕上がり。
彼女の場合、事前にコンセプトがあったので写真も雰囲気を作りやすかったと思います。そうでない場合、漠然としてしまって、花を綺麗に撮ろうとしてしまいがち。
今回はここで少しレッスンの続きを上げておきたいと思います。まずこちらの画像。
彼女は2枚の画像を送ってくれて、上の写真は遊びで加工を施したものでした。
これは、上の画像を私が加工したバージョン。コントラストを効かせ、シャドーを濃くしました。そこに、ウォーターマークを入れて、足元の暗さを少し軽減しています。
きっと、彼女は柔らかい感じを出してみたいと思ったのでしょう。それが、今回の花材とデザインにはあまりフィットしなかったのですね。
素材とデザインをより際立たせるものにした方がスタイリッシュです。
それと、もう一つの要因として、「時を掴む」という事を覚えておいて欲しい。季節は秋。そして、今年のカラーは「黒」です。不景気の年は黒が流行ると言いますが、これはコロナ前にファッション業界が決めたトレンドです。
時の流れに乗ったものは、何でも新鮮に写ります。
自分ひとりで楽しむ分にはそんな事、全然気にすることではないのですが、今や自分の作品はSNSにあげるのが当たり前になっています。だとしたら、しっかりと時を掴んだ一人の女性として表現した方が絶対に良いと私は思うのですよ。
どうせ加工をして遊ぶなら、そんな事を意識してみると、こなれた感じになってお洒落。
黒い影を背負ったグラジオラスが、まるで情熱の炎の様ではありませんか。
染めた花もこのところ人気ですね。今回はパープルに染めたケイトウを使いました。質感と色が、こっくりとした秋の陰影を演出してくれます。
花はそのままでも美しいけれど、その個性をスタイリッシュに生かすことが私の役目ではないかと思っています。
それは、パリで花を学んだ者としてのミッション。
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