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外国語を勉強したことがないイギリス人に日本語を教える工夫

日本語を教えるとき、いろいろな文法用語が出てきます。名詞、動詞、形容詞、助詞、接続詞などです。

私も養成講座に通っているとき、中学校や高校の国語の授業を思い出しながら、文法と用語の勉強をしたのを覚えています。

授業では「これは名詞です」とか「助詞の[と]は名詞をつなぎますが、文はつなぎません」などと説明するでしょう。

でも、日本語を勉強している学習者がその文法用語や文法の説明そのものに慣れていないと思ったことはありませんか。

私が教えている日本語コースは、あるイギリスの大学の12言語を教えるプログラムの一部ですから、フランス語、スペイン語、イタリア語、中国語などの先生たちと一緒に仕事をしています。彼らはその言語のネイティブであると同時にプロの先生です。彼らがよく言うのは、

イギリス人は文法を知らない

ということです。言語を教えている私達はイギリスで生活をしていますから、少なくとも英語を勉強した経験があります。でも、イギリスで生まれ育った人の中にはほぼはじめて外国語を勉強する人も多いですから、文法や文法用語に慣れていないことがよくあります。

なので「を格の動詞」(食べる、飲むなどの目的語に「を」を伴う動詞)を説明するとき、こういう表示をしますが

[person] は [object] を [verb] ます

これだけでは「object」という言葉の意味がわかっても、人によってはピンとこないので、

英語は例えば " I eat an apple"のように、食べるもの(ここではりんご)を動詞のすぐ後におけばいいですが、日本語では動詞の前において、「を」という助詞で「りんご」が文の中で何をしているか、マークしなくてはいけません。

いつもはこれを英語で

と、こんな感じに説明しています。

私達日本人は学校で長い間英語を勉強しますから、嫌になるぐらい文法用語を聞きましたよね。でも、中には外国語を勉強するのが初めてという人も頭に置きながら、その人に合わせた教え方を工夫する必要があるんですね。

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