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長い夜を迎える「冬至」の過ごし方

冬至について

「冬至」は冬の4番目の節気で、太陽黄経が270度に位置する時。今年は12月21日に当たります。「冬至」の期間は12月21日から、次の節気「小寒」(1月6日頃)までの約15日間を指します。

※二十四節気とは?
二十四節気は太陽の動きをもとにしており、太陽の黄道上(360度)の動きを15度ずつ、24等分して分けた季節の事です。毎年同じ時期に、同じ節気が巡ってきます。節気の感覚が一定で、半月ごとの季節変化に対応できるため、古くから、農作業や暮らしの目安として使用されてきました。

(二十四節気が使用されるさらに昔は、月の満ち欠けに基づいた太陰暦のみが使われていました。ただ太陰暦は、太陽の位置と無関係で、季節にズレが生じてしまうため、二十四節気が考えられたそうです。)

冬至は、1年の中で夜が最も長く、昼が短い日です。昼が一番長い夏至の日との差は約5時間もあります。昔の人は「夜が最も長い=死に近づく」と考えており、無病息災を願って、かぼちゃやお汁粉、小豆粥を食べ、柚子湯に入ったそうです。小豆の赤が太陽を意味する魔除けの色を表現していると言われ、その風習が今にも受け継がれています。

また、冬至のことを「一陽来復」と呼ぶこともあります。「一陽来復」は中国で生まれた言葉。日照時間が短くなると「太陽の力が衰える=生命力が下がる」と考えられていますが、冬至を過ぎれば日照時間が徐々に長くなるため「太陽の力が再び増す=生命力も増していく」という考えです。

この言葉には「新しい年が来る」という意味もあり、また、悪いことが続いた後に幸運に向かうという意味もあるそうです。「冬至」は気持ちを切り替えるきっかけの日とも言えますね。

おすすめの養生法

今年の冬至は12月21日。この日に向かって夜が長くなる=「陰」がどんどん増え、冬至を過ぎると少しずつ減っていきますが、寒さは一段と厳しくなります。そして、年の瀬でもある冬至の時期は、寒さと多忙のために、肉体的・精神的に疲れが溜まりやすくなります。

冬至の養生ポイントは、とにかく体を冷やさないことです。血行を促進し体を温め、ストレスで働きが弱くなりやすい胃腸の機能を整えることがおすすめです。

なかでも「腎(膀胱)」を守ることが大切です。特に「腎」のつぼがある足首、そして腰回りを中心に、厚手の靴下を履いたり、下着を重ねたりするなどして下半身に寒さが入り込まない工夫をしてください。また、この時期の過度な運動も「腎」を痛めると言われているので控えめに、身体の休息を心がけてください。

食養生では体を温め、「気」を養うものを中心にいただきます。

「腎」を養う栗、山芋、黒豆などは積極的に摂りましょう。また、穀物・お芋類・干し椎茸・鶏肉は「脾(胃)」の働きを助け、生姜、シナモンは体を温めます。ゆずやオレンジなどの柑橘類は、香りで気の滞りを予防します。寒さによって血液の巡りが悪くなっているので、辛味を少量取り入れて血の巡りをよくしましょう。しかし、汗を大量にかくほどに辛味の強いものは、体の熱を奪い、かえって体を冷やすことになるので注意します。

疲れやすい方はニンニク、小豆、山芋、なつめを取り入れましょう。貧血気味の方はほうれん草、人参、ピーナッツ、レーズン、なつめがおすすめです。冷え性で寒がりの方は、羊肉、海老、ニラ、長ネギ、シナモンで体を元から温めます。外出などで体が冷え切ったときはシナモン入り紅茶、ショウガ入り番茶を飲むのがおすすめです。

「冬至」に作る、おうち養生レシピメニュー

これから「冬至」の期間中、今の時期だからこそ作りたい「旬のレシピ」を紹介していきます。

冬至_5品文字なし

▼メニュー
12/22  黒豆ご飯
12/23  寒鰤の柚味噌煮
12/24  かぼちゃの照り煮
12/25  大根の炊いたん 黒ごまソース
12/26  小松菜と豆腐の汁物  

長い夜、厳しい寒さ、年末の忙しなさ。いつも以上に自分の体調と向き合い、身体を労ってあげたい時期です。食養生の知識を取り入れながら、温かい食事で身体の内側から冷えを取り除いていきましょう。

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