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不可侵な領域

大学に進学して、県外に住む長女から『見に来て欲しい』というLINEが届いた。

ちなみに長女はおそらく人生において一番悩んで一番成長した高校時代を過ごした経験あり。

何とか仕事をやりくりして、大学のあるまちに向かう。

何を見に来て欲しいのかというと、服飾の展覧会だそう。
編み物はずっとしてて、自分のメンタルの安定のためにただ編み進める日もあったくらい編み物好き。今までは自分のために洋服やバッグを毛糸で製作していた。
今回、服飾の展覧会には学年をこえて服の製作をしたいメンバーが思い思いのテーマを決めて
ゼロから産み出し、展覧会形式で発表するというもの。
製作した衣服は、その場で来場者に着てもらうのも可能だそうだ。
娘はニットドレスを展示していた。
学祭もあったなか、コツコツと編み進めていたようだった。

服飾やデザイン学部ではないけど、思い描いたイメージを現実のものとして目の前に創り出す。
母としてはこういうことができる、というか『展覧会に参加してやってみたい』と自分から踏み出した娘が純粋にスゴイと感じた。

自分の価値基準にズカズカと土足で入り込まれることに傷つくことが多かった娘。
土足で入ってこないで!と言う練習を頑張って遠い地でしている娘。
あなたはあなた、わたしはわたしの世界が当たり前になるといいのに、なかなかそうはならない。

自分の創作物は、自分の世界を守れる。
だれも侵すことのできない領域。

『自分の作った服を着てもらった姿をみて感動した』と話す娘。

一人暮らしの心配はめちゃくちゃあるけど、こういう経験ができる大学に行かせて良かったと思い帰途についた。

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