宅建取ったけど(独学勉強法編)
宅建試験に合格するためのポイントは、法律に慣れることと自分に合った勉強法を早めに掴むこと、そして無理をせず楽しむことだと思う。
宅建の勉強の大部分が法律の勉強。法律も体系だけど、科学技術の体系とはだいぶ感じが違う。理系なので、この「感じの違い」に慣れるのに一番苦労した気がする。
そこは理系独自(もしくは自分だけ)の問題かもしれないので、ここでは「自分に合った勉強法」の部分について書いてみる。(大学受験勉強を真面目にやったなどで、自分に合った勉強法が身についている人にとっては今更な内容かもしれない。)
※この記事は2017年の宅建試験受験経験に基づいて書いています。
【目次】
(私は)こう勉強した編:
勉強法(あくまで私見)編:
1.勉強は時間じゃない
2.でも最低限の時間は必要
3.教材は自分に合ったものを選ぶ
4.自分に合った記憶方法を見つける
5.勉強時間を記録する
6.模試は早めに受け始めた方がいい
7.重要なのは心の平穏
1.勉強は時間じゃない
宅建に合格するための勉強時間は「最低300時間」と書かれているものが多い(ような気がする)。
当然だけど、これはあくまで目安なので、400時間以上勉強して落ちる人もいれば、200時間以内で受かる人もいる。(私は180時間くらいだった。)
これは頭の良しあしではなく、自分に合った無理のない勉強ができたか否かの違い。
「最低300時間勉強しなきゃ」と思って無理して勉強して、息切れしたり、辛くなってやめてしまった人がStudyplus(*)の中で何人かいた。
(*)勉強時間や内容を記録するアプリ。他の人の勉強記録も見られる。
自分も途中までは「300時間はやらないと不安」と思っていたし、できれば300時間勉強して安心したかったけど、とてもそんなに勉強できなかった。
でも、結果的には無理に勉強しなくてよかったと思う。
2.でも最低限の時間は必要
宅建試験範囲には、知るしかないし覚えるしかないことが結構ある。例えば、宅建業法の「○○したら△△週以内に□□に届けなければならない」の類。あるいは建築基準法の「××地域に☆☆は建築可能か?」。(まだまだあるけど、記号が尽きたのでここまでにしておく。)
個々の規定が単独で出題されることは少なく複合問題が多いから、規定同士の関係を整理して理解しておかないと時間内に回答できなかったりケアレスミスをしたりする。
暗記だけではない。民法は基本的な考え方を把握しないと危うい。借地借家法の特に定期借地借家とか。
ギリギリのラインで合格を目指して、頻出範囲を学ぶだけでも数十時間はかかるだろう。
一通り参考書に目を通してから過去問をやる場合、「過去10年分を3回」と言われているが、試験時間通りなら 1年分で3時間。10年分を1回やるだけで30時間かかることになる。実際には回答時間はもっと短いけれど、答え合わせして間違えた問題の解説を読んで、時には参考書に戻ったりする時間を合わせると30時間では足りないと思う。
後で書くけど、模試は早い時期から複数回受けた方がいいので、受ける時間と答え合わせの時間は必要。解説を全部読む必要はないけど、読んだ方がいいものもある。その時間も必要。
そう考えると余裕をみて200時間は試験のために使うつもりでいた方がいい。
3.参考書・問題集などの教材は自分に合ったものを選ぶ
ここは私が失敗したところ。ネットで幾つか宅建受験勉強の記事を読んだら、「参考書や問題集はどれも大差ない」と書かれていた。「そうなのか」と思って、その記事に掲載されている参考書をアマゾンでぽちった。
これが大失敗!
同じなのは大枠としての範囲だけで、どの分野をどの程度詳しく書いてあるか、文章中心か図表やイラスト的な教材になっているのかなど結構違っていることを後から知った。
友人の一人は、真面目に勉強したけれども2回落ちて、3回目に参考書を変えたら合格したそうだ。教材の合う合わないの影響は大きいという一例。「途中で教材を変えない方がいい」というのもよく言われることだけど、思い切って変えた方がいいケースの例でもある。
途中で変えなくて済むに越したことはないので、最初に選ぶところで多少は時間を使うことをすすめたい。
理解して納得しないと身につかないタイプはそこまでしっかり書かれているものが向いているだろうし、丸暗記が得意な人は「ここだけは覚えろ!」というポイントが大きく明確に書かれている参考書が合っているのかもしれない。
youtubeの動画教材も同様。有名な先生が何人かおられて、それぞれ教え方に個性があるので、自分に合った先生の講義を選ぶのがポイント。同じトピックについて複数の先生の講義を聴くことで理解が深まる場合もあるけど、軸になるものは決めておいた方がいいと思う。直前講座や統計問題などの直前に公開されるものは、複数の先生の講義を観るという方法もある。
4.記憶法も自分に合った方法を見つける
意外に知られていないようだが、記憶の仕方にはタイプがある。
大学で教わったのは、視覚記憶型と音声記憶型の違い。「認知特性」といって、更に細かく分けて調べられるテストもある。
今、これ↓をやってみたらとても面白かった。
視覚優位で画像でしか記憶できず、音の定位や記憶にめっぽう弱いと認識してはいたけれど、サウンドだけがここまで極端に低いとは...。
宅建の参考書には暗記のための語呂合わせが幾つも出てくる。これが私は全く覚えられず、断念して視覚記憶に切り替えた。最初から視覚記憶にすればよかったと反省したのだけれど、上の結果を見ると「そりゃそうだよな」と腑に落ちる。
「覚えられない」と思う人は、記憶法が自分に合わない可能性があるから、自分の記憶タイプを調べてみるのもいいと思う。
5.勉強時間を記録する
何を勉強するにしても、これは基本だと思うけど、勉強時間は必ず記録する。
私が使ったのは「Studyplus」というスマホアプリ。webは大学入試に特化しているようだけど、アプリは資格試験勉強している人も多い。他の人の勉強記録も見られるので、参考にしたり、教材や勉強法の情報交換をしたりでずいぶんお世話になった。
探せば他にも色々あると思うので、使いやすそうなものを使うといいと思う。もちろん、エクセルなどで自作してもOK。
重要なのは続けること。
6.模試は早めに受け始めた方がいい
実力をつけるためではなく、本番で実力を出せるために、模試は早めに受け始めてよかったと思う。
まずは会場の雰囲気に慣れるため。隣席の人が絶え間なく貧乏ゆすりをしようと、香水がきつすぎて頭がクラクラしようと、合格点は同じ。そんなことで落ちるのはもったいない。
また、試験時間内の配分や解いていく順番の決定など、自宅で時間を測りながらでも練習できるが、本番でも落ち着いていられるためには、会場模試の経験は役に立つと思う。
2017年の本試験後の解説をyoutubeで観たところ、ある講師が「スルーする力のある人は実力を発揮できただろう」と言っていた。
この年は、問題を最初から見ていくと、3問目あたりで「え?ここでこれが出てくるってことは、分野毎の問題数配分が変わった?もしかして個数問題が大半?」と焦らせられるようになっていた。ここで動揺してしまった人も少なからずいたようだ。
そういうことを防ぐためにも、会場模試をお勧めしたい。
但し、模試の結果に一喜一憂するのは禁物。自分の弱い分野を見極めて、その後の勉強計画に生かすために活用すればいい。
7.重要なのは心の平穏
本番会場であがったり焦ったりしないことはもちろんだが、準備期間も同じ。焦ったり迷ったりするのは時間もエネルギーも無駄遣いすることになる。
不合格だった人でブログに「あんな辛いことをもう一度やろうとは思えないから、もう受けない」と書いていた人がいた。そうなってしまうと宅建だけでなく、勉強自体が嫌になってしまうのではないかと懸念する。
Studyplus の宅建受験仲間で、400時間以上勉強して40点以上で合格した人が数人いた。「宅建の勉強が楽しかったし、勉強する習慣がついたから、他の資格も取ろうと思う」と言って、行政書士や不動産鑑定士の勉強を始めていた。
勉強する習慣は一生の財産だ。苦行としてではなく、楽しみとして勉強できるようになったら素晴らしい。そうなるように勉強して欲しい。
あと、宅建受けるなら、同じ年に賃貸不動産経営管理士も受けるのがおススメ。試験日は宅建の約一ヶ月後。試験範囲が宅建とかなり被るので、宅建終わってから賃貸不動産経営管理士特有の範囲を勉強しても間に合うと思う。(私は願書を出しそびれて同じ年に受けられず、翌年受けようかと思ったけど、宅建の範囲を勉強し直す元気がなくて諦めた。)
賃貸不動産経営管理士は以前から国家資格化が噂されており、年々難しくなってきている。それでも宅建のようなひっかけ問題はなく、勉強すれば受かるようなので宅建と一緒に取っておくといいと思う。
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