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【雑談日記】3月11日〜3月17日 息子はフレディになり、わたしは子どもに戻ってしまう


2024年3月11日(月) フレディになる日

息子がロックグループのクイーンにはまり、youtubeを見ながらエアダンスをしている。独創的な、キレッキレの即興ダンス。
彼はすごく人見知りで、かつ写真や動画を撮られることを極端に嫌う。こちらがスマホをちょっと動かそうとでもすれば途端にダンスは途切れてしまうし、もうぜったいに見せてくれない。だから毎回、脳裏にまぶたに、わたしの記憶をつかさどる器官すべてに刻みつけるような気持ちで、息子のダンスを見ている。
ちなみにわが家では、息子がパンツと肌着になること(つまり着替えをうながすとき)を「フレディになる」と言う。

2024年3月12日(火) 早く寝る日

「今日はここでお昼を」と勇み向かった店が定休日。Googleマップでは、あてにならなかったらしい。毎回公式サイトをチェックするほどマメではないわたしは、こういうことが多々ある。こんなこともあろうかと、もう一軒の候補へ足を向けると、「エントランス破損のため臨時休業」とあった。寒く冷たい雨の日。その後、卒園式に向けてジャケットを試着しに行ったら鏡の中にいたのはアルフィー高見沢のコスプレをした中年女性で、だめだ、なにもかもうまくいかない。こういう日は早く寝るに限る。

2024年3月13日(水)  胸に赤いバラの日

胸に真紅のバラとかすみ草をつけた男の子3人が、笑い転がり過ぎて行った。卒業式だ。
電車には、リュックの透明ポケットにガリガリくんの当たり棒を入れた中学生の女の子。どちらも、自分はそこからずいぶん遠い場所まで来た。

2024年3月14日(木) 感謝と感動の日

下北沢の書店B&Bで、文筆家の大平一枝さんと一田憲子さんのトークイベント。大阪にいた頃から、雑誌をめくるたびに名前を見つけていたようなひとたちだ。「ライターとしてのこれまで」に耳を傾けながら、末席ながらも同じ業界にいることに感じ入る。

2024年3月15日(金) 信じる日

わたしは、ひとをもっと信じていいのだ。もっと、もっと。

2024年3月16日(土) 小さいわたしを甘やかす日

秩父宮でラグビー観戦。真夏のように暑く、強い日差し。試合後は原宿のIKEAで小さなソフトクリーム、竹下通りでいちご飴。こういうものに遭遇したとき、わたしは子どもに買ってやるふりをしながら、小さかったころの自分に買っている。

2024年3月17日(日) ささやかなおたのしみの日

食パンを焼きたい!と息子。食パン型は持っているけれど、うまく焼ける自信がない。結局ホームベーカリーで焼くことにした。レーズンも入れて、明日の朝のおたのしみ。蓋を閉じる瞬間は大人もわくわくする。未来に楽しみを用意するのは大切だ。ホームベーカリーでパンを焼く、そんなささやかなことでいい。
途中、蓋を開けて親子で観察した。どっどっどっ、どるんどるんどるん。粉が暴れまわりながらひとつになっていく。

写真:枯れ草の土手と、ぬけるような青空。冬の名残を味わう景色。

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