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【雑談日記】3月25日〜3月31日 北海道でナックルウォーク


2024年3月25日(月) お灸をすえる

ひさしぶりにお灸を手に取った。最近は煙が少ないもの、いい香りがするものなど種類もうんと増えているらしい。わたしが買ったのは、オーソドックスなせんねん灸。お灸と言うと、昔は台座もなく、もっと熱くて痛いものだったのだろう。いまや「お灸をすえる」と言われたら「ありがとうございます」と言いかねない。
からだじゅうのあらゆるものがサラサラと流れ、巡る様子を想像しながら、揺らぐ煙をじっと観察する。

2024年3月26日(火) 一人ひとり

取材中、お気に入りのレシピを尋ねたところ、話してくれたのはわたしが以前執筆した記事のものだった。この仕事は、誰がどんなふうに読んでいるのかを知る機会はほとんどない。それでも、誰かが読んでくれている。実売数、PV数という数字の向こう側に、一人ひとりがいて、こんなふうに届いているのだ、誰かの生活につながっているのだと、しみじみうれしくなった。

2024年3月27日(水) 晴れの日にかならず思うこと

晴れているだけで、翼を授けられたような気持ち。天気に感情を左右されすぎている。

2024年3月28日(木) 通園路

登園最終日。この園には姉の時と合わせて9年通った。小規模保育も入れると約10年。保育園生活が終わる。
ハナミズキの街路樹、公園前のミモザ、みんなが足を止める花桃、この町でいちばん最初に春を告げる小さな梅の木、団地の花壇と冬のイルミネーション、軒先の小さなスチロール箱で米作りをする家、「おはぎあるよ」と声をかけてくれる商店のおばちゃん、文字を覚えたてのころいつも声に出して読んだ「やきとり」の暖簾、愛嬌のある木彫りのふくろう。
どれも、うちから保育園までの道中にある、毎日眺めていたものだ。自転車で数分の距離だけど、学校や駅に行く時には通ることがない。見ようとおもったら、いつでも行けるし、毎年見られる。それなのに、こんなにもさみしい気持ちになっている。

2024年3月29日(金) ゴールデンカムイ

北海道・旭川へ。旭川市博物館で見たアイヌ文化の展示がおもしろくて、ゴールデンカムイを読み込まずに行ったことを悔いる。知らないことだらけのわたしだけれど、知りたいことが増えていくよろこびもある。

2024年3月30日(土) ナックルウォーク

北海道二日目、旭山動物園へ。チンパンジーを間近で見ながら「指をちょっと曲げてああして地面につけて歩くんだね」と言うと、息子が隣から「あぁ、ナックルウォーク……」とつぶやいた。これが初デートなら、わたしは彼を好きになっているかもしれない。

2024年3月31日(日) スケート場のピザまん

北海道三日目は、足がガクガクになるくらい、アイススケート。なぜ北海道に来てまでスケートリンクにいるのか、自分たちでもちょっと意味がわからない。でも、ぎゅうぎゅう締めつけるスケート靴を脱いだあと、ふわふわ宙に浮くような足取りで売店のピザまんとあんまんを頬張ったことも、肉まんが売り切れだったことも、家族旅行のいい思い出だ。

写真:旭川市博物館のチケット。どことなく石亀泰朗さんの「ふたりっ子バンザイ」っぽい。好きな写真。


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